親の心子知らず、子の素行親知らず~万里様ご提供~
万里様からもお年玉小説頂きましたヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪
夢の絆設定 派生小説 万里様作【平成のホームズには平成のワトソンがいた。】【ワトソンの事情】の続編(裏話?)になります。
**万里様からの【平成のホームズには平成のワトソンがいた。】【ワトソンの事情】 あらすじ**
蜘蛛屋敷殺人事件で犯人をコロシかけた平次は親に怒られて謹慎中。
でも母親が東京に行ったから勝手に追いかけていった。
目暮警部にめちゃくちゃウザそうに追い払われたり、新一と快人の親友っぷりを見せ付けられただけだった。
新一に蜘蛛屋敷の件謝るの忘れて新幹線のなかで思い出した。
ま、今電話で謝ればいっか。
***注意書き***
西の探偵には優しくありません。厳しめですので、平次ファンの方は此処で周り右願います。
またヒロインにも若干厳しい表現がございます。
尚、他人様の作品であるという事で無断転載や引用、誹謗中傷は御止め願います。
また同じ理由で予告なく、掲載を取り下げるやもしれない事予め通知致します。
**************
平次派の方は此処で周り右願います。
**万里様の注意書き**
※服部厳しめです。
※服部夫妻には厳しめという程ではありませんが、子育てについて苦言を呈しております。
注意書き読みましたね??
それではどうぞ( ^)o(^ )
目暮(ふー、やれやれ。今回は特に問題もなく帰ってくれたか。)
服部平次が現場から出ていくのを見届けて、目暮は安堵のため息をついた。
目暮(全く。彼がくる度に何かやらかすのではと気が気ではない。事件現場など只でさえ気を抜けないと言うのに、余計なストレスを与えないでくれ。
しかし、タイミングが良いのか悪いのか。
本部長と奥様との話が済んだ後で良かった。)
実は、目暮は数時間前まで、平次の母親である静香と、父親の平蔵を電話で交え、会談していたのだった。
※
逆行前の世界では、目暮警部は服部の能力を必要とし好きにさせていたので、周りもそれに倣っていた。
だが、今周では新一が健在で、目暮は平次に対して苦々しい態度。周りの者も平次に我慢する必要はない。
しかも、その新一は平次とは違い、高い能力を驕ることなく警官達に礼儀正しく、自らは影に徹し、警察を立ててくれる。
こんな謙虚で聡明な高校生探偵を知ってしまったら、能力は高くとも子供染みた傍若無人な振る舞いしか出来ない高校生などとても「探偵」とは見られない。
なので、平次が来る度に、「服部平次は捜査の妨げにしかならない。現場に入れないで欲しい。」と目暮の元へ部下や鑑識から、何件もの陳情が来ていた。
いざというときに「大阪府警本部長の息子」の傍若無人を訴えるため、平次の現場での会話を録音している者までいた。
それも一人や二人ではない。
そして、ロバートの件で府警本部長から、平次を現場に入れないように、という通達がきた時には、一同「やっとか」とあからさまに清々した顔をしていた。
どれだけ平次が嫌われているかを目の当たりにし、目暮警部は頭を悩ませていた。
目暮(これは服部君の鳥取県警での失態が知れたら、今以上に反発が起こるな…。いや、下手をすれば、警視庁と大阪府警の関係にまで悪影響を及ぼしかねない。)
現在は探偵活動を禁止されているとはいえ、それがずっと続くわけではないだろう。
この先平次がまた事件に介入し問題を起こせば、息子を御しきれない府警本部長の責任問題となる。
不満の矛先は府警本部長に向き、更には大阪府警に波及するかもしれない。
市民を守るべき警察が、内部で争うようなことをしている場合ではない。
更には、もしマスコミにすっぱ抜かれでもしたら、
『警察の御偉いさんが職権乱用して息子に探偵ごっこをさせていた』
などと書き立てられるだろう。警察への不信に繋がりかねない。
箝口令が敷かれているとはいえ、秘密というものは必ずしも守られる保障はないのだ。
いざという時のために、平次の態度を改めさせるべきだ。
そう決断したのは、新一からの助言だった。
『服部は警視庁で良く思われていません。礼儀礼節がなっていないからです。
能力が高くても、人と上手くやれなければ、それを生かすことは出来ない。
彼は一廉の人物になれる優秀な能力の持ち主なのに、こんなつまらない諍いで潰れてしまうのはあまりに惜しい。
僕だって以前は分を弁えずに皆さんに不快な思いをさせてしまいましたが、自らを省みて直したつもりです。
きちんと誰かが導いてやれば、服部だって変われるはず。
でも、同年代の僕から言っても服部は反発するだけでしょう。
目暮警部、言いづらいとは思いますが、服部本部長へ服部の問題行動を指摘できませんか?』
確かに、未熟な部分はあれど、平次は優秀な若者だ。あれほどの才能を潰してしまうのは惜しい。
新一だってここ数ヵ月で劇的に大人びたのだ。現在、彼を快く思わない者は警視庁にはいないだろう。
平次もまだ若いのだから、矯正するなら今がチャンスである。
目暮自身も服部の将来を思い、服部本部長へ事態を説明すると新一に約束した。
とは言え、他所様の教育方針に口を出すとなると大変デリケートな問題である。
鬼の平蔵とて人の親、いきなり息子を悪く言われても、すぐには信じられないだろう。
どうにかじっくりと話をする機会はないものか――
と頭を悩ませていたところ、新一から服部本部長の妻・服部静香がこちらに来ていると連絡があった。
これは平次の振る舞いについてじっくりと話をするチャンス、と新一に頼んで警視庁へと同行してもらった次第であった。
※※※
さて、ここからは、平次の母親である、服部静香についての話となる。
そもそも、静香が東京へ来た理由は二つ。
一つは、中学時代の同級生が持っている写真を返してもらうこと。
そしてもう一つは、東の高校生探偵「工藤新一」に会いに行くことである。
少し前。
息子の平次は東の高校生探偵に推理勝負を挑みに行き、完膚なきまでに負けて帰ってきた。
その時は、調子にのり安い息子にはいい薬だと、
「上には上がいるんやな。あんたも精進しぃ。」
と嗜めた。
だが内心静香は驚いていた。
平次は静香にとって自慢の一人息子。
頭に血が上ると危なっかしいという未熟さはあれど、正義感が強く頭がキレ、浪花の高校生探偵として活躍している。
そんな息子をこてんぱんに負かした同い年の高校生がいるという。
これは興味を持たない訳がない。
「いつか会うてみたいもんやわ」
と思っていた。
そしてその後。
通称・蜘蛛屋敷殺人事件で、平次がとんでもない失態を犯してきた。
息子の後先考えない言動で、犯人が自殺を図ったというのだ。
幸い一命はとり止めたが、一歩間違えれば大惨事である。
平蔵と静香は、息子を厳しく叱りつけ、探偵活動を禁止させた。
静香(しかし、今回も工藤新一君が…。あないな丁寧なフォローするなんて、高校生とは思えん思慮深さやな…)
平蔵から工藤新一の話を聞いた静香は驚いた。
事件の真相を突き止めただけでなく、犯人と幼い双子が残酷な真実を知ってしまわないように、と先回りして鳥取県警に注意喚起までしていたなんて。
それを自分の息子が台無しにしてしまった訳で、静香は新一のことを思うと申し訳ないやら恥ずかしいやらであった。
静香(平蔵さんも言うてたけど、不思議な人やわ、工藤新一君…。
ますます会うてみとうなったわ。)
その後、静香は東京に人探しのため用事ができる。
そこで、調査を工藤新一に依頼しようと思い付く。
平次を刺激しないよう、新一に依頼に行くことは伏せ、「人探しのため」とだけ告げて、静香は東京へ向かった。
(出掛けに遇った和葉には話してしまい、口止めを忘れたため、後で平次には知られてしまうのだが。)
※
「池波静香と申します。突然申し訳ございません…」
静香は迷ったが、平次との関係は隠し、旧姓の池波を名乗った。
平次の親として謝りたかったが、新一の老成ぶりを聞くに、かえって気を使わせてしまうのではと思ったのだ。
現在は表立って探偵活動をしていない新一が引き受けてくれるか不安だったが、新一はまるで静香が来ることが分かっていたかのように、依頼を引き受け、探し人である中学時代の同級生の家をアッサリと見つけた。
驚くべきはそれだけではなかった。
新一は同級生の妻の顔を見て、「何か悩みがあるのでは?」と指摘。
部屋の様子から、まるで大金を作るために金目の物を次々質に出したかのようだ、と推理した。
よほど思い詰めていたのか、妻は涙ながらに夫の麻雀賭博で破産寸前だと告白。
「もう、主人を殺すしか…」と泣く彼女を、新一と静香が説得。殺人を思い止まることを約束させる。
新一は「父の知り合いの弁護士の連絡先です。僕から話しておきますので、必ず力になってくれるはずです。」と弁護士の名刺を渡して帰ることとなった。
余談だが、後日この夫婦は離婚、夫は自己破産したという。前周のような殺人事件が起こるよりはよほどいい結末と言えよう。
静香(殺人を思い止まらせるなんて…。さっきの説得も、とても高校生とは思えんわ…)
静香は新一の優秀さ、老成した精神に驚嘆の念を禁じ得なかった。
これは平次が敵わない筈だ。格が違う。
新一「静香さんが奥さんの説得に協力してくださって助かりました。
やはり、僕のような若輩者よりも、人生経験のある同性の方の意見の方が聞き入れやすい。
お陰であの人は罪を犯す事もないでしょう。ありがとうございました。」
静香「そんな、嫌やわ。ウチは大したことしてはりませんて…」
新一「いいえ、流石は服部のお母様です。」
静香「…えっ!?なんで、いつから気付いてはりましたの?」
突然正体を見破られ、またも驚かされる静香。
だが。
新一「いえ、実は、今のはカマかけです。
貴女が色々と身分を偽っていたのは気付きましたが、流石にそこまでは確証がなくて。すみません…」
いたずらっぽく笑う新一に、そこで静香は今日初めて、新一を年相応だと思った。
静香は改めて自己紹介し、息子の不手際を丁寧に謝罪。
すると、
「お時間よろしければ、少しお話が。」
と言われ、警視庁に案内される。
目暮「御呼び立てして失礼。大阪府警本部長の奥様の服部静香さんですね。私は捜査一課の目暮と申します。
工藤君、わざわざすまなかったね。」
静香「先日はうちの平次がえらいご迷惑お掛けして、本当に申し訳ございません。親としてお恥ずかしい限りです。今は探偵活動を禁止しておりますので。」
目暮「いえいえ。そちらは鳥取県警での事件ですので、私どもが口出しする事ではありませんよ。
そうではなくて、本日お呼び立てしましたのは…」
そこで知らされた事実に、静香は愕然とする。
「まさか、平次がそんな…」
目暮に告げられたのは、平次の捜査一課での傍若無人な振る舞いの数々。
初対面の年上に対しても敬語を使わない。
刑事や鑑識に対して尊大な命令口調。
話に割り込んで悪びれもしない。
まだ容疑者の段階で、警察でもない人間が恫喝まがいの自白強要。
これは自分一人では手に余る非常事態だと理解した静香は、途中から大阪の夫へテレビ電話を繋いだ。
あの妻が職務中に「大事な用件」と電話してくるなど余程の事、と直ぐ理解した平蔵は、会議室にこもり続きを聴くことに。
そこで事情を説明され、更にはスピーカー越しに平次の警視庁での様子の録音を聴かされ、夫婦ともに開いた口が塞がらなかった。
録音されたテープから聴こえてきたのは、
刑事や鑑識を顎でこきつかう様子、尊大な口調で目暮警部にがなりたてる声、容疑者(無実)から名誉毀損で訴えられかねない取り調べという名の言いがかりの数々。
何かの間違いと思いたかったが、間違いなく息子の声である。
平蔵(あんの馬鹿息子がっ!!何様のつもりや!?刑事はお前の使いっパシりやないんやぞ!!)
正に、穴があったら入りたい心境。
もしも平蔵が目暮と直に対面していたら、直ぐ様土下座していただろう。
平蔵「ホンマに、どう詫びても足りんことです。
まさか平次が、昔馴染みだけやなく他所の刑事さんにまで、あないな生意気な態度を取ってたとは…」
静香「完全に、親の監督不行き届きです。申し訳ございません。」
もはや、平身低頭、目暮に謝罪する服部夫妻。
静香(こんなん、子供の躾をロクにしてない言われても、否定できへん…)
平蔵(甘やかしたつもりはなかったが、年の割りにしっかりしとると思い込んで、自由にさせ過ぎてもうたか…)
大滝警部をはじめとした大阪府警の刑事たちは、服部を子供の頃から知っている。
タメ口で話されても嫌ではないし、生意気な物言いも親しみを覚えるくらいである。
「平ちゃん」という呼び方にも表れているが、要は平次は甘やかされているのだ。
平蔵や静香も昔からそれを見てきたので、今さら、「知り合いの刑事だろうと年上には敬語を使え」、などと注意することもなかった。
だが、警察という縦割り組織において、上の態度は下の者に影響する。
警部である大滝や他の刑事が平次の傍若無人な態度を許していれば、平次を知らない部下や鑑識も、彼の態度に文句を言う訳にはいかない。
なので大阪府警では、好き勝手振る舞う平次について、本人に注意したり上に抗議するものはいなかった。
服部夫妻もまさか、息子が知り合いでもなんでもない目上の刑事にまでタメ口をきいているとは思いもせず、平次の態度は誰からも注意されることなく増長していった。
結果、平次は狭い世界での甘やかされた対応に慣れきってしまい、父親の威光が届かない外の世界でも、同じ振る舞いをしてしまう。
(程度に差はあれ、周囲から蝶よ花よと甘やかされて、勘違い娘に育った蘭と同じような現象であった。)
服部夫妻は、子供の自主性を尊重しすぎて素行不良に目が行き届かなくなる、という過ちを犯してしまっていたのだ。
自分達夫婦の監督不行き届きに、穴があったら入りたい恥ずかしさであった。
静香(確かに、大滝はん達に対して生意気な態度やとは思っとった。せやけど、昔馴染みやからって、私も平蔵さんもそのことで平次を本気で叱ったことはなかった。
それがまさか、他所の刑事さん達に対しても同じような我が儘放題してええと勘違いするとは…)
平蔵(平次…、大阪府警の皆がお前の言うこと聞くんは、小さな頃から知っとる『子供』として甘やかされとるからなんや。
そんなん、外の世界では通じん。
一人前の探偵として『信頼』されとる工藤君とはお前は違うんや…。)
平蔵(それに、こんな録音があるいうことは、実際は平次への反発は今聞いた以上やろ。
下手したら、平次をこんなんに育てたワシや、大阪府警そのものにまで不信感抱かれてるかもしれへん。
目暮警部は気ぃ遣って下さったんやな…。)
目暮の心遣いに感謝する平蔵。
服部夫妻の心情を慮りながらも、ここできっちり話をつけておかなければ誰のためにもならないと目暮は続ける。
目暮「ご家庭のことに他人が口出しするのは大変差し出がましいことと分かっております。
しかし、このまま平次君が変わらなければ、いずれは服部本部長へと不満の矛先は向くでしょう。
せっかく奥様がいらしたのでしたら、きちんとお知らせすべきと思いました。平次君の将来の為、何卒お考え下さい。」
静香「そんな、とんでもないことです。
鳥取県警だけやなく、東京の刑事さんにもこんな迷惑かけてたなんて。うちら知らんと、親としてホンマにお恥ずかしいです。」
平蔵『ホンマに、お忙しい中、うちのバカ息子のためにお時間を割いていただき、感謝しとります。
このご助言は決して無駄には致しません。必ず息子をしつけ直してみせますさかい。
うちの平次がご迷惑をお掛けして、申し訳ございませんでした。』
服部夫妻は目暮警部に謝罪と感謝をし、息子をしっかりと再教育することを誓った。
平次の能力が優秀なことは間違いないし、正義感は強く勇敢である。それを良い方向に生かしてもらいたい。
礼儀や事件に関わる時の心構えなどは、しつけ直せば必ず矯正できるはず。
そう思って服部夫妻は平次へどう言って聞かせようかと話し合った。
しかし。
帰宅後、事件に飢えた息子が静香を口実に東都へ出掛けたと知り、服部夫妻の怒髪天を突き。
平次は帰宅早々、謹慎を破ったことと、これまでの警察関係者への傍若無人な態度をこっぴどく叱られることに。
更には、平次が悪気なくうっかりでやらかしたことで、父親を初めとした大阪府警の御偉いさん達が奔走させられるはめになるのだが。
それはまた、別の話。
***雪月花桜の御礼と感謝***
万里様 お正月早々、楽しい小説ありがとうございました。
更に掲載許可感謝でございます(*- -)(*_ _)ペコリ
感想行きます!
いや~服部夫妻が気の毒なのですが、チート新一が光り輝くこの仕様!
流石、万里様 分かってらっしゃる!
思わず【平成のホームズには平成のワトソンがいた】を読み直しました。
新一の実力が上で謙虚で礼儀正しくあればあるほど、平次の欠点 短慮 喧しい等が前面に押し出されておりますね(鬼
そして目暮警部が秘かに活躍wwwお疲れ様です。
躾という微妙な問題にもかかわってくるから神経使いますよね(しみじみ
更に幼い頃からの狭い世界での常識がそのまま別の場所 別の刑事にも通用するという蘭ちゃんに非常に似た彼の環境の説明文章になるほど!と首肯致しました(((uдu*)ゥンゥン
言われてみればその通り(・∀・)ウン!!
流石 鋭い万里様の作品 新年早々楽しませて頂き、ありがとうございますヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪
次は【スピーカー探偵】をUPさせて頂きますね(⋈◍>◡<◍)。✧♡
皆様 近日中にまた万里様ワールドがお楽しみ頂けますよ♪
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