夢見る29歳少女の気づき ~夢見る少女異聞 万里様宛返礼小説~
『夢見る少女の長い夢』という万里様からご提供頂いた新哀話の続き ないしは裏話です。
つまり、「夢見る少女シリーズ」の派生話♪
万里様の設定のまま雪月花桜が書きました。
つまりコラボ小説ですかね( ◠‿◠ )
どうぞ、お楽しみ下さいませ~°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
***注意書き***
ヒロインには優しくありません。厳しめですので、彼女のファンの方は此処で周り右願います。
この注意書きを無視して読んでからの苦情や誹謗中傷のコメントは受け付けておりません。
このサイトは個人作成のものであり、原作者・出版社とは一切関係がありません。
私なりの解釈を加えた二次小説もございますので自己責任でご覧になって下さい。
*************
注意書き読まれましたね?
ヒロインファンはリターン下さい。
新哀話です。
それではどうぞ↓
東都 某美容室にて、ワンピース姿の長い髪の乙女が扉を開けた。
「今日お見合いなので、可愛くお願いします!」
「分かりましたっ!お任せ下さい!毛利さんはいつでも可愛いですけど、腕によりをかけて今日は更に綺麗に仕上げますんで!」
「うふふ。よろしくお願いしますっ!」
行きつけの美容師さんにブローを頼んで、ファッション雑誌に目を移す蘭。
今日は会話通り、お見合いの日。新一と哀のあの衝撃の結婚から半年、すでに蘭は29歳も残り数か月を切っており婚期を焦っていた。
(何としても20代の内に結婚したいもん!今日は勝負だわ!話題作りに何か本に載ってないかな~。)
相手は両親に泣きついて見つけてもらった。
母親の英理のお客様の伝手で紹介してもらったお医者さん。大病院に勤務しているという。
(写真見たら、結構イケメンだし。悪くない。そろそろ決めなきゃ。)
若手芸能人のインタビュー、占いとパラパラと頁を捲っていく。
そんな中”今活躍中の若手女性実業家”という企画の中に親友の顔を見つけ、手が止まる。
「園子…。」
元級友たちの会話を聞いたあの日から恥ずかしさのあまり、殆ど蘭から連絡はしていない。
唯一した連絡は、焦りのあまり恥を忍んでした「いい男性いたら紹介して!」のメールのみ。
だが園子も忙しいのだろうか、返事がない為、この半年二人は殆ど没交渉になっていた。
最初は今の園子が手掛けている事業内容の話で「こんなことしてるんだ。園子、頑張ってるな~。」と読んでいたが、プライベートなことになると知らないことが多く、蘭は親友の知らない面にどんどん淋しくなっていく気持ちが膨らんでいった。
(渡米した新一もだけど、園子もどんどん遠くに行っちゃうみたい…。)
そしてある頁で目が止まって動かせなくなった。
-空手家の旦那様とのご結婚は色々あったと伺いますが、どうやって乗り越えられましたか?
そうですね。
両親に聞いたり、頼んだりしました。
-そこは普通なんですね。財閥家ならではの事とかあったのでは?
幼馴染が色々察して必要な情報を教えてくれたので、そこは助かりました。
10代の頃は才気走ってて、彼とは合わないって思ったんですけど大人になるとその能力が頼もしいというか。
-ああ、”彼”ですか!(このインタビューではご本人以外の個人名は出さない方針ですが有名人なので分かる人には分かります。)
ええ。
-異性の幼馴染と大人になってからの方が深い付き合いになったということですね。では女性ならではの悩みは同性の幼馴染でしょうか?
いえ、それが彼の奥様と気が合いまして、恋バナの相談してました。たまに彼も交じって。
-異性の幼馴染ご夫婦と3人で恋バナとはまた楽しそうですね!
年下なんですけど、賢くて言うべきことは言う反面、言わないでほしいことを何も言わずとも分かってくれる女性なんです。
結婚前の私の様子から察して「貴女と京極さんなら何があってもきっと乗り越えられる。」って伝えてくれる女性で、だからこちらも安心して話せますね。
-そういうのって大事ですよね。
ええ。彼の視点の方は夫への贈り物するときに参考になりますので、夫婦共に信頼出来る相手を見つけた私は幸運だと思います。
「嘘…。」
異性の幼馴染-新一だ。
異性の幼馴染の奥さん-哀ちゃんだ。
園子は新一と哀には恋愛・結婚の相談をしていたのだ。--親友のはずの蘭には一言もなかったのに。
(しかも園子の結婚前から…そんな前から二人は付き合っていたの?そんなぁ…私馬鹿みたいじゃない。)
裏切られたような心地で奈落の底に落とされた蘭。だが同時に元級友たちの会話が脳裏をリフレインする-。
”「うん。年の差カップルの恋物語!恋愛と言えばさ、私、鈴木さんに毛利さんが『園子はいいなあ。恋愛に対する悩みなんかなくて、順風満帆だもんね。』って言ってるの聞いちゃった。」
「はぁ??何言ってんの?苦労しないわけないじゃん。鈴木財閥だよ!?
玉の輿でも大変なのに、男女逆の逆玉の輿なんて奥さんの財産狙いとか色んな事言われて大変に決まってるじゃん。」
「鈴木さんが愚痴とか言わなかったからじゃない?」
「言わなかったからって、反対がないとは限りませんわ。言わないイコール”ない”ではないのですから。」
「そこはほら。毛利さんだから?」
「なんで疑問形(笑)」
「言わなくても分かる部分を察するってできないのが毛利さんじゃん。」”
言わないから ない のではない-。
察することができないのがわたし-?
(でも私は今まで通り なのに。)
「なんで新一も園子も変わっちゃったんだろう…。」
人と人との間にある当たり前の気遣いと優しさ。それらが蘭にないわけではないし、マスターやお客さんには発揮されている。
だが近しい人ほど相手の配慮や対応を当たり前と享受する彼女の悪い癖、一番人間が成長していく10代後半から20代後半の時期。そして変わっていくのは”人”だけではない。ネット社会の現在、社会の在り方や常識も変わるスピードも早い。
それらの相乗効果で、自身に近しい人が良くも悪くも変化していく中、変わらない蘭は彼ら 彼女らから置いていかれている現実がそこにあった-。
「毛利さんっ!出来上がりましたよ。如何ですか?」
美容師さんが後ろで鏡を開いて、仕上がりを見せてくれる。いつもならこの瞬間は大好きだ。
プロならではの技術で整えられた綺麗な髪形の自分の姿はそれだけで気分が上がっていく。
「あ、いいです。」
けれど今日は力なく微笑むのみ-。
(これからお見合いだから、笑っていなきゃ。)
だが約束の場所へ行く足取りが重くなるのは、自分でもどうしようもなかった-。
”賢くて言うべきことは言う反面、言わないでほしいことを何も言わずとも分かってくれる女性”
何故だろう。さっきの雑誌の1文が妙に頭に残るのは。
(わたし、何か大事なものを見落としているのかな…?)
歩きながら、ボンヤリとそんなことを思う。
今日の出会いが何をもたらすのか。それは神のみぞ知る-。
**設定と後書**
今回 当初は『夢見る少女29歳 焦りの婚活の果てに』を書こうとしていたのですが、以前あった園子編の後書で出た蘭が知らぬが仏一覧(万里様に小説書いて良いと快諾済ネタ)の中でまだ書いていないネタが4つほどあったのを思い出しその中でも
・いつの間にか親友と想い人と恋敵が仲良くキャッキャする仲になってた
・親友の恋バナからはハブられ、好きな男と恋敵に相談してた
の2ネタを調理させて頂きました。
変わらないことは悪いことではないけれど、周りは変化していくのでそれによって、何かを失うこともある ということに気付きはじめたところを書いてます。
約4カ月ぶりの小説ですが、読んで下さる方がいるといいなぁと戦々恐々しながらの発表です。お楽しみ頂けたら幸いです。
感想・拍手頂けたらもっと感謝感激でございます(((o(*゚▽゚*)o)))
小話なぞ頂けたら小躍りします(/ω・\)チラ
**ネタ帳**
そうそう最初に書こうとした『夢見る少女29歳 焦りの婚活の果てに』ですが題名通り、蘭の婚活ネタです。
30歳になる前にどうしても結婚したい蘭のお話。
・お見合いでエリート男性と話は纏まるものの、夫に側にいてほしい蘭に合わない男性(医者・研究者などハイスペックだけど自宅にあまりいない)をつかまえてしまい上手くいかず離婚。
しかも医者ネタの場合、薬学の権威となった若き天才 哀ちゃんを絡ませることが出来るという( ̄ー ̄)ニヤリ
・焦り過ぎて、ダメンズに引っかかり(一滴の水の歴代彼氏かいっ!)、結婚。
尽くす女性である自身に酔うも、長く続けられるはずもなく見兼ねた毛利夫妻(主に弁護士である英理かな)によって離婚。
・婚活中に色々あって(一度断った相手に助けてもらい惚れるとか)、運良く合う男性と結婚し、地に足のついた生活を送る。所謂お約束のハッピーエンド。
この妄想ネタで脳内で楽しんでおりました。
…ハッピーエンドよりバッドエンドの方が長編で読み応えありそうになるのはどうしてなのでしょうか(笑)…
皆様はどれが面白そうと思いになられましたでしょうか?参考にさせて頂きたいので、アンケートお答え頂けたら嬉しいです☆
**万里様へ**
ご無沙汰しておりますがお元気でいらっしゃいますか?
お言葉に甘えて、御礼の意味も込めて書かせて頂きました。
もしも解釈違い等ございましたらご指摘下さい。なるべくご意向に沿うように訂正させて頂きます。
この世界の創造主である万里様に楽しんで頂けましたら、こんなに嬉しい事ございません。
感想お待ちしております。妄想ネタへの感想 ご意見も☆
それではまた(*´▽`*)
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