縁切りが始まる~エルリア様ご提供~妄想小話⑧

コメント欄で繰り広げられた妄想小話第8弾でございます。
第7弾の続きですが、第4~7弾から続けて読みますと、より理解しやすいです。
振られたと思った新一が志保と結ばれ、納得のいかない蘭ちゃんは、親友・両親の元で嘆くけれど誰にも賛同が得られず-!?と言った感じの話です。


下記注意書きを読んでからお楽しみ下さい(((o(*゚▽゚*)o)))
*******注意書き******
ヒロインには優しくありません。厳しめですので、蘭ちゃん派、新蘭派の方は此処で周り右願います。
尚、他人様の作品であるという事で無断転載や引用、誹謗中傷は御止め願います。
また同じ理由で予告なく、掲載を取り下げるやもしれない事予め通知致します。

読みましたね??ではお楽しみ下さい。
エルリア様ご提供の小話でございます。
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-遠山和葉編-
真純に恋愛云々ではなく、探偵としての立ち位置で非難された事に蘭は落ち込んだ。
『探偵』を理解しない者が新一と上手く行くなどあり得ないと言い切られたのだ。
そこに『幼馴染』と言う言い訳は通用しない、と。
だって、今まで新一はそんな事言わなかった。
何を言っても、特に言い返しては来なかった。
それは何処かで新一が諦めていたからだと、蘭は考えが及ばない。
当時、蘭の知る「プロの探偵」は父親の小五郎だけで、彼の日常生活のだらしなさと仕事の少なさを思えば仕方ない事だと、見切りをつけていたからだ。
けれどそれを差し引いても、相手が好きな事、力を入れている事をバカにしていい訳がないのだ。
それを聞く事で新一が傷つく可能性を思いつきもしない時点で問題があるのだが。
蘭はもう、何処へ行く気力もなく、公園のベンチに座り込んでいた。
校内の人間は、総じて蘭に否定的だ。
なまじ新一も蘭も有名なだけに噂が広まるのも早かった。
まして新一はモテる。とんでもなくモテる。
変な意味でなく、男にも人気がある。
今までは「新一が一方的に蘭を待たせている」と言うのが定説だっただけに、
その実情が公的なニュース込みで広まったせいで、告白放置がなくても、新一が失踪していた間の蘭の態度が非難されているのだ。
それなりに連絡が取れていたにも拘らず、新一の事情を察しようともせずに「悲劇のヒロイン」を演じて、新一を悪者にしていたと言う事実が。
「かず…は、ちゃん」
ポツリと、遠方にいる友人の名が唇をついて出る。
校内の雰囲気を知らず、同じ「探偵の幼馴染」を持つ彼女なら、もしかして。
思いついたと同時に、蘭は和葉に電話をしていた。
「蘭ちゃん?」
久しぶりに聞く彼女の声が、何となく先刻の真純と似たように感じるのはどうしてだろう。
「あ、あのね。和葉ちゃん」
「工藤君が宮野さんって言う人と恋人になった事なら園子ちゃんから、聞いてんで」
「え?」
「その事で蘭ちゃんから、連絡があるかも知れへんからって」
「そ、そうなの?園子ったら、私に内緒でどうして」
「あんな、蘭ちゃん。あたしは寧ろ何で蘭ちゃんがそんな大事な事を言ってくれへんかったのかって思うわ」
「だって、新一に捨てられたなんて、信じたくなくて」
「告白の返事、結局してへんのやろ?」
「そ、そうだけど」
やっぱりそうなるのか、と落胆する。皆が皆、それでどれだけ新一が傷ついたか考えろ、と言う。けれど。
「でも、服部君だって探偵でしょ?和葉ちゃんは服部君が自分の気持ちを察して、理解してくれるって期待しないの?」
「そんなん、自分の怠慢やん。何にも言わずに気持ちを汲んでくれって、
自分は楽かもしれんけど、探偵だからって押し付けるんは平次に負担を強いるって事やもん。
あたし、そんな事したないわ」
「でも、優秀な探偵だったら、その位」
「優秀やから、人に頼られる。だったら、身近な人間は逆にその負担を減らしてやろうって思うんが、普通やないの?」
だと言うのに、蘭は新一に負担をかけ通しだったのではないか?
そんな風に言われて、英理にも似たような事を言われたのを思い出した。
「それにな。あたし、ちゃんと最初に言うたやろ?
相手はもう白旗上げてるんやからそんな生温い事言うとらんとさっさと返事しいって」
「そ、れは」
「それを聞かんと、園子ちゃんの忠告も無視して、今の状況になったんやろ?
なのになんで今になって、そんな事言ってくるん?蘭ちゃんにとって友達って何やの?」
これ以上の否定の言葉を聞くのは耐えられそうになくて、蘭は衝動的に通話を切った。
それがそのまま、和葉との縁そのものを切る事になるかも知れないと考えもせずに。

「…切ってしもうた」
和葉は深々と溜息を吐いた。
蘭にとって友達とは、一緒に楽しく遊んで、常に自分の言う事を肯定し、気に入らない事があれば同調して共に愚痴を言ってくれる存在でしかないのだろうか。
苦言や忠告を言う人間は、違うのだろうか。
もし、本当にそうなのだとしたら。
「あかん。蘭ちゃんと付き合っていく自信ないわ」
もし、自分がもう少し大人で、もっと余裕があれば、彼女を諭して理解してもらおうと言う労力を割けるのかも知れないが。
今の自分には、到底できそうにない。
彼女の為に「自分が傷つく」までの覚悟は持てない。

縋り続けて~エルリア様ご提供~妄想小話⑦

コメント欄で繰り広げられた妄想小話第7弾でございます。
第6弾の続きですが、第4~6弾から続けて読みますと、より理解しやすいです。
振られたと思った新一が志保と結ばれ、納得のいかない蘭ちゃんは、親友・両親の元で嘆くけれど誰にも賛同が得られず-!?と言った感じの話です。


下記注意書きを読んでからお楽しみ下さい(((o(*゚▽゚*)o)))
*******注意書き******
ヒロインには優しくありません。厳しめですので、蘭ちゃん派、新蘭派の方は此処で周り右願います。
尚、他人様の作品であるという事で無断転載や引用、誹謗中傷は御止め願います。
また同じ理由で予告なく、掲載を取り下げるやもしれない事予め通知致します。

読みましたね??ではお楽しみ下さい。

エルリア様ご提供の小話でございます。
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-世良真純編-

阿笠にまさかの絶縁宣言をされてしまった蘭は、家に帰る気にもなれずにフラフラと街中を歩いていた。
そんな呆然自失状態でいたが、ある事に気付く。
今までは自分と新一に近い、親しい人間ばかりだった。
なら、自分達をそれなりに知っていて、それでいてそこまで親しくない相手なら違う事(新一より自分を選んでくれる)を言ってくれるかもしれない、と。
いい事を思いついたとばかりに、スマホを取出し真純へ電話をかける。
彼女と知り合ってから、それなりの友人付き合いをしてきた筈なのに「余り親しくない」と区切った、彼女との友情を軽んじた事実に気付かずに。
学校での噂話、園子達から言われた事を、真純が相槌を打つ暇すらなく一気にまくしたてた蘭は「どう思う?」と、甘えた声で言った。
「蘭君。僕は君達ほど恋愛に重きを置いてないんだ」
だが真純の対応は冷たかった。
それはそうだろう。
真純は「生き返って来た」長兄である秀一からある程度の事は聞いているのだ。
新一の置かれた状況に一度たりとも思いを馳せる事なく、罵倒と自身の欲求ばかり言っていた蘭に、どうして好意的になれるだろう。
「だから告白の返事がどうだって事より、探偵としての立場で言わせて貰うけど、いいかい?」
「う、うん」
『探偵』つまり新一と同じ立場で言うと言われて少々嫌な予感はしたが、それでも少しでも自分を肯定する言葉が欲しかった蘭は、そのまま返事をした。
「君は『新一は探偵だから、自分の気持ち位解ってる』と言っていたよね。
まぁ幼馴染って事も加味されているかも知れないけど、探偵がするのはあくまで推理だ。
言葉や行動、残された証拠なんかでトリックや人の気持ちも推理して犯人を絞り込んでいく。
ここまでは、新一君や毛利探偵を見てきた君なら、解るよね?」
あえて、コナンのことは言わない。
彼女にとって、コナンは弟のように思ってはいても、すぐ事件に首を突っ込む手のかかる子どもでしかなく、彼の探偵としての優秀さなど気付いてもいなかったろうから。
「ええ」
何処となく納得がいってないような声音の返事に、真純は頓着せずに先を続ける。
「でも、それはあくまで推理であって、事実とは違う」
「え?」
「推理で得た結論は確定じゃない。
トリックはともかく、気持ちはその対象からそれを肯定する言葉があって初めて、事実になる。
つまり君の『新一は私の気持ち位解ってる』は、独りよがりなんだよ」
「だって、新一は」
「だってじゃないよ。
例え君の気持ちを推理して『蘭は俺が好き』と言う答えに辿り着いたとしても、
そこに君の返事と言う『証言』がなければ、不確定要素のままだ。
新一君からしたら返事がないのは『俺の推理が間違っている』、
つまり君が新一君を好きな訳じゃないと考えてもおかしくない」
「そ、そんな。だったら返事を催促すればいいじゃない。『俺の推理を肯定してくれ』って」
「君は何処まで彼に甘えれば気が済むんだい?
返事の催促なんて、告白した側からすれば恥以外の何物でもないよ。
それにさ、今になって園子君達に愚痴言いまくって、騒ぎ立てる位なら、どうして『好き』のたった一言を言わなかったんだい?
新一君の悪口や自己弁護の言葉は幾らでも出てくるのに」
「ひ、酷い。そんな言い方しなくても」
「酷いのは君の新一君への態度だよ。
彼は君の為に生きてる訳じゃないんだから。
自分の味方探しをしてる暇があったら、彼に謝罪の一つでもした方が良いよ。
幼馴染と言う関係まで失いたくなければね」
「な、何よ。そんな風に考えるのは世良ちゃんが新一より探偵として劣ってるからじゃないの?
だから推理がどうとかって」
「…蘭君。君は本当に『探偵』と言うものを軽く見てるんだね。
そんなんじゃ、たとえ一度は恋人になれても遠からず破綻してたんじゃないかな?
彼は骨の髄まで『探偵』だから」
これ以上話していたら、それこそとんでもない罵詈雑言を吐きそうで、真純は一方的に電話を切った。
幼い頃の、ほんの僅かな邂逅でも、真純にとっても新一は初恋の相手だった。
そんな彼の一番近くにいながら、あれ程彼に大切にされていながら、彼女の方はちっとも彼を大切にしていなかった。
自分の探偵としての能力が、新一に及ばない事など真純自身が一番よく解っている。
きっと覚悟も及ばない。
けれど、だからと言ってそれをあんな風に他人が言っていいものではない筈だ。
また新一は秀一の命の恩人でもある。
ならば真純にとって優先すべきは蘭より新一になるのは当然だ。
「知らない事を免罪符にするのもいい加減にして欲しいよ」
自分だって事が終わるまでは何も知らされなかった。
それでも自分なりに考えて、行動してきた。
もしかしたら、それが邪魔にもなっていたかも知れないが、何もせずに不平不満ばかりを言う人間にはなりたくなかったのだ。
「君は、次に誰に縋りつくのかな?」
出来ればそろそろ自分を省みて、気付いて欲しいものだが。

繰り返したその先に-。~エルリア様ご提供~妄想小話⑥

コメント欄で繰り広げられた妄想小話第6弾でございます。第5弾の続きです。
振られたと思った新一が志保と結ばれ、納得のいかない蘭ちゃんは、親友・両親の元で嘆くけれど誰にも賛同が得られず向かった先はいつも優しい彼の元で-!?と言った感じの話です。


下記注意書きを読んでからお楽しみ下さい(((o(*゚▽゚*)o)))

*******注意書き******
ヒロインには優しくありません。厳しめですので、蘭ちゃん派、新蘭派の方は此処で周り右願います。
尚、他人様の作品であるという事で無断転載や引用、誹謗中傷は御止め願います。
また同じ理由で予告なく、掲載を取り下げるやもしれない事予め通知致します。

読みましたね??ではお楽しみ下さい。



エルリア様ご提供の小話でございます。
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-阿笠博士編-

母親の事務所を飛び出した蘭は、とぼとぼと歩いていた。
園子や両親、今まで絶対の味方だった人達から駄目出しされて、蘭はひどく傷付いていた。
自分が新一に対してした仕打ちを棚に上げている為、どうして掌を返したかのように自分を責めるのか、全く理解出来ないでいるからだ。
「あ」
そこで、ふと閃く。
“そうよ、阿笠博士なら…”
自分達を幼い頃から見守って来てくれた、あの人のいい温厚な老人ならばきっと自分の味方になってくれる。
そう思い込んで向かった先で、蘭は更に打ちのめされる事になる。

大抵の家は夕食の時間である午後6時過ぎ。
そんな時間にいきなりやって来た蘭に、阿笠は目を丸くした。
「いきなりどうしたんじゃね」
「新一、まだ帰って来てないんですか」
本来の用件は別だが、隣の工藤邸に灯りが一つも点いてない為、話のとっかかりとしてそう尋ねる。
「ああ、例の事件での、放課後は未だにその後始末やらにかかりっきりになっとるよ。新一から聞いとらんのかね?」
「え…あ、その…」
「用件は、それだけかね?」
「あの!新一、私を見捨てたんです!ずっと待っててあげたのに、帰ってきたら新しい恋人がいるって」
「…新一を見捨てたのは、君の方じゃろう?蘭君」
「え?」
「君からの告白の返事が『ずっと』ない事で、新一は随分悩んでおったよ。
連絡を入れる事さえ危険な中で電話をすれば、返ってくるのは愚痴や不満や悪口ばかり。返事を匂わすような事すらない、とな」
「そ、それは…直接顔を見て言いたかったし、寂しかったし…」
「君もニュース位、見るじゃろう。じゃが、報道されておる事など氷山の一角にすぎんよ。
新一は今命があるのが不思議な位、危険な場所におったと言うのに、『ずっと』君のことを気にかけておった。
なのに、君ときたら『帰れない』と言う言葉の意味すら考えてはいなかったんじゃな」
それは、今まで3人にも指摘されてきた事だ。だが、それでも蘭には自分が悪いとは思えない。
「でも、その事と新しい恋人を勝手に作るのは、違うでしょう!」
「新しい、ではなく、初めての恋人じゃよ。君と新一が恋人になった事実はないのじゃから」
「そんな。あ、あんな愛想なしのクールぶってる女、幾ら美人だからって」
「ワシの娘を悪く言うのはやめてくれんかの」
「むすめ?」
「そうじゃ。あの子の両親も、お姉さんも例の組織に殺されておっての。
あの子だけがどうにか生き延びたんじゃ。
その中で新一とも知り合い、何時の間にか共に戦う相棒と呼び合うようになっていった。
そして組織が壊滅したのをきっかけに、正式に養子縁組をしたんじゃよ」
もう、あの子を危険に晒すものはない。
あの子に関わったからと言って危険な目に遇う事もない。
その段階になるまで、あの子の方が受けてくれなかったんじゃ。
それを聞いて、蘭の思考は斜め上に行った。
「その境遇で、新一の同情を引いて誑かしたのね!」
「悪く言わないでくれ、と言った筈じゃが。それに君は新一が同情だけで恋人を選ぶような浅薄な人間だと思っておるのかね」
「でも、新一は」
「君が先に新一の心を踏み躙ったからじゃろう。
あれ程君を大切にし、長く君を好きでいた新一が、もう無理だと思ってしまう程にな」
「そんな事、してないわ」
「告白の返事もせず、罵詈雑言を吐きまくった人間の言い分とは思えんの」
「わ、私は」
「もういいじゃろう?付き合いの長さは確かに君の方が上じゃが、赤の他人と血は繋がっていなくても娘とでは、どちらを取るかなど解り切っておるじゃろ」
もうこの件では、いや、娘である志保を貶める人間とは付き合い続けていく気にはなれないから、訪ねてこないで欲しい。
絶縁宣言までされてしまった蘭は、衝撃の大きさ故に気付かない。
家に上げても貰えなかった事。
阿笠が最初の一度きりで名前も呼ばなかった事に。

そうして蘭は同じ事を繰り返す-。~エルリア様ご提供~妄想小話⑤

コメント欄で繰り広げられた妄想小話第5弾でございます。第4弾の続きです。
振られたと思った新一が志保と結ばれ、納得のいかない蘭ちゃんは、親友・両親の元で嘆くけれど-?と言った感じの話です。


下記注意書きを読んでからお楽しみ下さい(((o(*゚▽゚*)o)))
*******注意書き******
ヒロインには優しくありません。厳しめですので、蘭ちゃん派、新蘭派の方は此処で周り右願います。
尚、他人様の作品であるという事で無断転載や引用、誹謗中傷は御止め願います。
また同じ理由で予告なく、掲載を取り下げるやもしれない事予め通知致します。

読みましたね??ではお楽しみ下さい。



エルリア様ご提供の小話でございます。
当初コメント欄より、状況説明の為に少しだけ加筆しました。

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-園子編-
納得いかない蘭は園子に愚痴り続けていたが、反応は芳しくなかった-。
「だから何度も言ってるでしょ。告白の返事をしなかった時点で、アウトだって」
「でも、新一が私の気持ち解らない筈ないもん」
「それも言ったわよね。そんなのは問題のすり替えだって。
解ってる、解ってないじゃないの。告白の返事をするのは礼儀、誠意の問題よ」
「だって、新一が帰ってこないから」
「同じ言い訳もやめて頂戴。大体、蘭が言った状況なら、その場で返事してもおかしくないのよ。
それを幸せの余韻に浸りたいなんて、勝手な理由で返事しないなんて…」
「勝手じゃないもん。乙女心だもん」
「それで新一君の精一杯の勇気と誠意を踏み躙っていいとでも言うの?」
「そんな事してない!」
「あんたがどう思ってるかじゃないの。そのあんたの行動に新一君が傷ついた事実の方が重要なのよ」
「何で、園子が新一を優先するの?園子は私より新一が大切なの?」
「そこでどうしてそんな考えになるのよ。私にとっては性別が違うだけで二人とも大事な幼馴染なの。
二人に幸せになって欲しかったから、けしかけもしたわ。でも、蘭が新一君の気持ちを蔑ろにするなら話が変わるのよ」
「蔑ろになんて」
「告白の返事をしない事がそうだって、何度言えば解ってくれるの!?」
以下エンドレス…。

*********************************

-小五郎編-
「お前なぁ。世の幼馴染が全員恋人になって結婚する訳じゃねぇぞ」
「だって、お父さんとお母さんは」
「確かにそうだが、英理はちゃんと告白の返事はしたぞ」
「―――どの位で?」
「その場で、だ」
「で、でも少しくらい待ってくれても」
「少しってのはどう頑張っても1ケ月が精々だろ。
お前なら勇気出して恥ずかしいの我慢してした告白の返事が、何ケ月も返って来なくても平気なのか」
「でも、新一だって、ずっと私を待たせてたんだよ!」
「あいつは『帰れない』って言ってたんだろ。
自分の意思じゃどうにも出来ない事と、お前の決心だけでどうにでもなる事を一緒くたにすんなよ。流石にあいつが気の毒だ」
「そんなの、新一が言ってただけで、本当かどうかなんて」
「あの一連のニュースを見て、本気でそれを言ってるのか?」
「父親なのに、どうして新一ばっかり庇うの!?」
「これについちゃ、父親と娘じゃなく、男としてあいつに同情するよ」
「…!もういい、お父さんのバカ!」
蘭が飛び出した後、小五郎は深い溜息を吐くと、事務所の置き電話の受話器を取った。
自分が男として新一に同情すると言った以上、遅かれ早かれ女である英理の許へ行くだろう。
対処そのものは英理に任せた方が良いだろうが、先に説明はしておかなければ。
そもそも幼馴染だから解り合っていると言うのなら、何故自分達は長年別居してると言うのだろうか。
確かに想いは途切れていないが…。
“幼馴染だから離れていても解り合えると言う思い込みは、そのせいか”
親になってまでも父母としてより男女である事を優先したツケが、蘭の新一への異常な執着と依存を育てた。
そしてその蘭と付き合い続けた新一の負担はいかばかりだったか。
“それが告白放置で限界を迎えたって事か”
幾ら蘭が可愛かろうが、これ以上娘と同い年の彼に負担を強いるのは大人としてやってはいけないのだ。

*********************************
-英理編-
夫から電話を貰って暫くすると、本当に蘭がやって来た。
“今までは事前に連絡をしていたのに”
弁護士が常に事務所にいるとは限らないし、居ても依頼人と打ち合わせ中かも知れない。
弁護士の勤務時間など、あってないようなものだ。
蘭もそれは理解していると思っていたのに。
“それだけ切羽詰ってるって事なんでしょうけど”
小五郎の話からすれば、新一に責任をなすりつけるなど恥ずべき行為だ。
寧ろ、こちらが彼に感謝と謝罪をしなければならない。
入ってきた蘭の目は真っ赤だった。
泣きながら来たのだろうか。高校生が?往来を?
「ねえ、お母さん。告白の返事が遅れるのって、そんなに悪い事なの?!」
挨拶もなく話し始めた蘭に溜息を吐く。
「落ち着いて、蘭。最初から説明して頂戴」
小五郎から説明されている事は言わない方が良いだろう。
彼は新一を擁護したのだから、その彼から話を聞いたと言えば
「だからお母さんも新一の味方をするのね」となるのは、想像に難くない。
それに伝聞ではなく、直接話を聞くのは弁護士として当然の行為だ。
蘭の話を聞き終えた後、英理はハッキリと言った。
「蘭。貴女がやった事は新一君の気持ちを弄ぶ行為よ」
「そんな!ちょっと返事が遅くなっただけで、大袈裟よ」
「ニュースでやってた事が全てとは思わないけど、彼は命がけの状況にいたのでしょう?
そんな中で告白の返事がないと言うのは、相当きついと思うわ」
「だって、そんな事知らなかったもの」
「なら、考えなさい。彼は『死んでも帰ってくる』と言ったのでしょう?
探偵である彼がどうしてそんな事を口にしたと思うの?
あれだけ目立ちたがりだった彼が、失踪する程差し迫った状況だとどうして考えようとしなかったの?」
「そんな、そんな事言われたって、新一と電話した時とか…そんな様子なかったもの」
「貴女に心配をかけたくなかった。
自分がいない事で只でさえ不安定になっている貴女に、負担になる事を言いたくなかったんでしょうね。
男の矜持もあったでしょうし」
「わ、解る訳ないじゃない!そんな新一が考えてる事なんて!」
「貴女は新一君に、自分の気持ちを察しろと言いながら、自分は彼の事を察しようとはしないのね」
残念な娘だと言わんばかりの言い方に、蘭が逆上する。
「どうして!どうして私ばっかり責めるの!?待たせたのは新一の方なのに!!」
「貴女が新一君の負担にしかなっていないからよ」
「違うわ。食事や掃除の世話したり、色々とやってあげてたもの!」
「あのね、蘭。本当に何にもできない子をあの有希子が一人にしておくと思うの?
貴女だって、有希子がどれだけ新一君を可愛がっていたか知ってるでしょ?」
「で、でも、事実新一は…」
「貴女が行けない時は、彼は一人でやってたでしょう?」
「………」
「それに、彼が貴女以外の子を選んだのは、もう変えられないのよ」
その言葉は、蘭にとってまるでナイフのようだった。
「いいこと?蘭。今まで貴女とろくに向き合ってこなかった私が言う事なんて、聞きたくないかも知れない。
でも、これは母親としてではなく、人生の先輩としての言葉よ。
自分の足で立ちなさい。
誰かに依存するのはやめなさい。
でなければ、きっと貴女は同じ事を繰り返してしまうわ」
「酷い!お母さんなら解ってくれると思ったのに!」
まるで捨て台詞のように叫んで、蘭は事務所を出て行った。
“あの人の言った通りね。同じ女の私なら味方してくれると思っていたのね。
でも、蘭。これは男とか女とかじゃなく、人間としての問題なのよ”
本当に、何て大きなツケだろう。
これまでそのツケを払い続けていたのは、親兄弟でもない、言ってみれば付き合いが長いだけの友人の一人にしか過ぎない新一だったのだ。


自称悲劇ヒロインの嘆き~エルリア様ご提供~妄想小話④

コメント欄で繰り広げられた妄想小話第4弾でございます。


下記注意書きを読んでからお楽しみ下さい(((o(*゚▽゚*)o)))
*******注意書き******
ヒロインには優しくありません。厳しめですので、蘭ちゃん派、新蘭派の方は此処で周り右願います。
尚、他人様の作品であるという事で無断転載や引用、誹謗中傷は御止め願います。
また同じ理由で予告なく、掲載を取り下げるやもしれない事予め通知致します。

読みましたね??ではお楽しみ下さい。



エルリア様ご提供の小話でございます。
蘭→新志をモブ子たちが客観的にトークしてます。
当初コメント欄より、状況説明の為に少しだけ加筆しました。
***************************************

蘭に振られたと思った新一が志保と結ばれた或る日の教室では、とある女生徒達のこんな会話が繰り広げられていた-。
「だって、工藤君への空手技って、どう見たってDVじゃない?」
「ねえ、それも事あるごとに『してあげた』って偉そうに上から言うじゃない。DVの上にこれじゃ、毛利さんが工藤君を見下してるの、丸解りだよね」
「そうそう。しかもしょっちゅう推理オタクだの大馬鹿推理乃介だの、悪口言いまくってたし、あれで本当は好きなんて誰が信じるのって話」
「からかわれるの、前は工藤君もまんざらでもない感じだったけど、少し離れる事で毛利さんの本性に気付いたって感じ?」
「告白放置が決め手だったんじゃない?あんな事されたら百年の恋も冷めるわよ」
「告白させるように仕向けたのだって、不安だったからでしょ。
自分は不安だから言葉を欲しがっておいて、工藤君には『解ってくれてる』って思い込みで言葉を返さないなんて、有り得ないよ。
工藤君が不安がるかもって事さえ考えられないなら、つまり工藤君のこと大切にしてないって事でしょ」
「で、振られたと思った工藤君が次に魅かれたのが正反対の宮野さん」
「美人で料理も得意って事だけど、やっぱりあれよね。工藤君について行ける知識と頭の回転の速さ」
「そう言えば毛利さんが工藤君はホームズの話しかしないとか言ってたけど、あれ、工藤君が全開で話したら毛利さんがついてこれないから、毛利さんが理解できるレベルの話がそれしかなかったからじゃない?」
「ああ、有り得る~。そもそも探偵って幅広い知識が必要なんでしょ?実際工藤君、暇さえあれば本読んでたし」
「ねぇ、それで話題がホームズだけなんてある訳ないのに、それさえ気付かないんだね」
「そんなんで『新一のことは私が一番知ってる』とか、どんだけ思い上がってんのって話」
「そうよね。大体幼馴染って言ったら鈴木さんもそうなのに、何で自分だけ特別なんて思い込めたのかしら」
「まぁ、全部もう今更だし?
工藤君はちゃんと自分を気遣ってくれて、自分の趣味ばかり強要もしない、思い通りにならなきゃ暴力で脅したりもしない、しかも自分の頭についてこれる宮野さんって、ベストパートナー見付けたから、いいんじゃない?」
「でも恋は盲目って、本当なんだね。あれだけ頭のいい工藤君でもそうなっちゃうなんて」
「あたし達も気を付けないとね。我儘自己中DV男に引っかからないようにしないと」
「うんうん」
身近での恋愛模様に自身の将来へ思いを馳せる若い女子高生たちであった。

**********************************
陰で聞いた蘭の叫び声が響く-。
「酷い!何でそこまで言われなきゃならないの。新一がホームズオタクなのは事実だし、空手だって当たってないんだからDVじゃないわ!」
「男が女の要望を叶えるのは、当然でしょ!そんな甲斐性もない男なんて御免だわ」
「大体、恋愛に奥手な新一をあの女が誑かしたに決まってるのに、何で心変わりしたのが私のせいなのよ!」
「頭が良いなんて、小賢しい女なんか可愛くないわ」(自分で同性と母親:英理をディスってます)

誰にも賛同が得られない蘭は園子を筆頭に愚痴りに行くも誰の賛同も得られないのは、また別に紙幅を費やして語りたい話である
-。
↑次回はこのお話でございます(((o(*゚▽゚*)o)))
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30代OLが歴史・節約・日頃・二次小説のことを書き綴っています。 コメント大歓迎★ ですが、宣伝や本文に何も関係ないもの もしくは激しく不愉快、コピペ等、そういった類は、私の判断により 誠に勝手ながら削除の方向です。楽しく語りたいです♪ 二次創作小説もありますが、このサイトは個人作成のものであり、原作者・出版社とは一切関係がありません。私なりの解釈を加えた二次小説もございますので自己責任でご覧になって下さい。

Author:雪月花桜
タイトル通り歴史大好きな女がブログしてます。
歴史を元にした小説なんかも大好きでそれらについても語ったり、短編なんか書いてみたいです。
現在それ以外でもコナン・CLAMP・彩雲国、天河などの二次小説をupしておりますし、OLなりの節約・日々の徒然を語っています。

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