異次元イルミネーション

2017.02.01 00:00|原作 その後
お姉ちゃん、事件です!

「志保、すっげえ雄大だな!」
「本当ね。世界の絶景がイルミネーションにされているって感じ。季節の移り変わりが綺麗に表現されているわ。」
「志保のが綺麗だぜ。」
「あら、ありがと。私の名探偵さん。」
「そこ。段差あるから気を付けろよ。」
「えぇ、新一。」

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私は今、寒空の下のバイト中、熱々のカップルに中てられます。
くっ!寒さが独り身には身に染みる なのに、熱々で周りの雰囲気が・・!!
ここは東海の絶景イルミネーションと名高いスポット。
広大な敷地に咲き誇る花園も見所だけど、夜はやっぱりイルミネーションが人気。
私は其処で誘導のバイトしてます。
クリスマスシーズンのこの時期、恋人や家族で賑わうんですよ。
立ち止まられると人の流れが止まってしまうので、「立ち止まらないで下さい。」と声掛けしたり
こちらが作った道をつっきたりする非常識な人を注意したりしている。
熱々で周りが眼に入らないカップルも慣れたもの。
慣れたもの、だったのだが、今回眼に入ったのは眩し過ぎる、リア充全開の大学生くらいの男女。
………って、あれ?あれもしかして、名探偵の工藤新一…!?
うわお、工藤有希子に似て綺麗!美麗!イケメンというより綺麗が似合う男子がいるとわ。
あかん。完全に負けた。男子に完敗する女子高校生とかって何なの。
て事は隣の美少女は名探偵の彼女!?肌白い、首細い!お人形さんじゃなかろうか!!??
レベルたっっか!!またしても完敗っ><て勝負にすらなってないけどね(涙)
何食べたら、あんな風になれるの。
あ-遺伝子レベルで差があるわ、これ。
美人と評判の現役女子大学生我が姉すら勝負にならないと思う。姉大好きな妹の私が言うんだから間違いない。
世の中、土俵が違うという事もあるのだ。
うん、あまりレベルが違うと却って落ち着くもので、いけないと思いつつ眼がつい彼らを追ってしまう。
周りのカップルも突如出現した、異次元 美男美女組に釘付けである。気持ちは非常に分かる。
少しの段差に美少女にサッと左手を出し、右手は腰を支える名探偵。
あれ、映画の撮影ですか?カメラ回っていないの何で?
これを日常でやれる人間がいると思わなかった。ってかきっと出来る人はとてもとても限られる。
リアルジェントルマンがいる。動画取りたい。
勝手に撮影とかダメだけど。せめてじっくり鑑賞したいのに、何で私はバイト中なのか。
そして歩く二人を見て思った。名探偵も彼女も、脚なっっが そして細っっ!!
「おい、もう休憩行っていいぞ-!1時間な。」
「あ、はい。ありがとうございます-後、お願いします。」
本当はもうちょっと異次元空間見てたかったけど、4時間立ちっぱなしで寒いしお腹減ってたのも事実だったので私は早々に
休憩室へ向かった。

その途中での事-。
何か人込みを縫うようにして、般若の面で凄い勢いで走る黒髪のロングの子見掛けた。
あんなスピードで抜かさなくてもいいのに、そんなにイルミネーション早く見たいのかしら?
それとも連れでも探してる?
大半のお客様は順番とか流れとか守って下さるけど、ああいうせっかちな子たまにいるのよね。
正直、暗黙の了解で、一定のスピードで歩いている他のお客様達に当たりそうだし、迷惑だから止めて欲しい。
注意しようと思ったけれど、休憩に向かう途中でメガホン持ってない私がどうしようかと迷っている間にびゅんっと行ってしまった。
・・・はっっや!!ここもある意味、異次元だったわ。
今日は異次元祭りなのかしら?
まあ、いいやとにかく温かいお茶にご飯ご飯!
休憩室に入る直前に、ゆっくり歩く茶髪のセミロングの子を見掛けたのが少し気になった。
何処かで見たような顔をした女子高校生くらいの子。
元気過ぎる子供の面倒見て追い掛けて疲れたお母さんの表情に似ている。
けど年齢から言ってそれはあり得ず、その違和感が目立っていたのだと思う。あと何故か一人だったのも。

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「「お疲れ様-!!」」
同じ休憩時間に、同年代 別場所担当のバイトの子らで盛り上がるのは先程の異次元空間 もとい、美形カッポー。
「見た!?見たよね!?私レストランで接客したんだけど、もう睫毛長くてお人形さんみたいだった!」
「「分かる!!」」
「声も凄く良くてさ!!イケメンは声までいいのね!!腰砕けそうになった。」
「「聞きたかった~!!」」
「売店で接客したの、私!」
「羨ましい!」「何買ってたの?」
きゃあきゃあ盛り上がる ある意味リア充?な私達。

ひとりしきり、盛り上がった後、アトラクション持ち場の男子が愚痴った。
「美男美女カップル目の前で見れたのは良かったけど。特に美少女!目の保養になった!」
「ただその数分後かな~女子高校生二人組が順番抜かそうとしやがってよ!注意しても聞きゃしない!!」
「「「ええ~!!」」」
「高校生にもなってそれ?」
「ああ、ま どっちかって言うとぎゃんぎゃん喚いてたのは、黒髪の方だけで、茶髪のセミロングの子の方は止めようとしてくれてたけどよ。」
「あ~そうなんだ。お疲れ~でも何で喚いてたの?」
「なんか誰かが乗っているはずだって。知らねえよ。人気あるし、収容人数多いんだぜ。うちのアトラクション。」
大きい円型の展望台がそのまま45Mまで上がる大展望台は、小さなお子様でも老人でも楽しめるので人気がある。
「しかもやっと乗ってやれやれと思ったら、昇降する際には座って下さいって言っているのに、立ち上がってその誰か探そうとするんだぜ、全く!!」
憤懣やるかたなしといった彼の顔である。
「話だけ聞いていると小学生みたいだね。」
その時私の脳裏に般若の面で猪突猛進してた黒髪ロングの女の子と休憩室に入る前に見掛けたあの子が脳裏をよぎったのは言うまでもない。
(あれ?何か二人の後を女子高校生組が追っ掛けてない?気のせいかなあ?)

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その後、休憩終了時間5分前に私が見たのは-。
何と公開プロポーズ(見たかった!)を無事終え、周りからの祝福ムードに囲まれている名探偵とその彼女。否 婚約者。
周りのギャラリー半端ない。あ、ゲン担ぎとかって握手してもらってるカップルがいる。
ずるいっ!私もしたい!!けど休憩時間中とはいえバイトの身 自粛せねばっ!そして戻らなきゃなのに、人込みで動きにくい。
「す、スイマセン、ちょっと通して下さい!」
求婚後、園内の教会に予約に訪れてたらしいと周りの声で分かり、持ち場に戻る途中、何となく気になって密かに教会裏口覗いたらウェディング担当者がテンパってた。
「はわわw目が潰れる!リアルイケメンと美少女眩しい・・!!衣装が霞むぅぅ・・・・!どうしようぅぅ・・・・><」。
うん非常に気持ち分かるけど、落ち着け?
むしろあの二人ならどんな衣装でも着こなせそうだから、大丈夫。・・大丈夫じゃないのはスタッフの耐性かもね。
心でエールを送り戻る。
持ち場に先輩がいなくて焦ったら、例の女の子が足踏み外したのか生垣に突っ込んで気絶してたのを運んでたんだって。
うわあ~大変。先輩お疲れさまっす。
言わんこっちゃない。って注意する時間もなかったけどね。
だから良い子の皆は列を守って、足元、気をつけて歩いて下さいね。
「お足元暗いのでお気をつけ下さい~っ!!」
「押さないで下さい~っ!!」
放送室、救護室がある棟から何やら鳴き声が聞こえたけど、迷子かな~。
この時期混むからね。放送が流れたらお母さんが迎えに来てくれるよ。
あら丁度イルミも夕焼け~家に帰る時間だよ って(笑)

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「うわあああああん!!新一ィィ!!何で~っどうしてよっ。うわぁぁぁんっ!!」
「どぉして~っっ!!ずっと待ってあげてたのに!!どぉしてよ-っっ!!新一-!!」

「・・蘭、もういい加減諦めなよ・・・。」
力なく呟く園子の声は蘭の号泣と外の祝福ムード一色の野次馬によってかき消され、誰にも聞かれることはなかったのであった-。
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黒藤真保様 77,777hitリクエストのなばなの里デート 新志かコ哀で 蘭嫉妬です。
初めてのモブ視点です。如何でしょうか?
最初は某ホテルマンを意識した出だしです(笑)
高3年の冬に新志がクリスマスデートしている様をお楽しみ下さい。

茨姫は棘だらけの寝台で

2016.12.13 13:13|原作 その後
前書 
原作の告白放置のまま時が過ぎたら・・・という感じです。
蘭ちゃんが可哀想な事になっております。
彼女のファンは見ないで下さい。
見た後の苦情は受け付けておりませんので、悪しからず><








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お姫様は森の中で王子様を待って眠っている。
けれどその寝台が棘だらけだとしたら-?

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蘭が新一が帰ってきたと知らされたのは、新一と仲の良いサッカー部所属の級友からだった。
「工藤、今日から復学するってよ!今職員室で会ったぜ!」
「「そうなんだ~!」」
「・・・そ、そう。・・私聞いてない」
(どうして直接言ってくれないの。家に来てくれないの!ずっと待ってあげてたのに!!)
内心憤る親友に園子は「蘭は知ら・・なかったみたいだね。でも良かったじゃない。旦那が帰ってきて。」とわざと茶化した。
「やだ~私と新一はそんなんじゃないったら!」
(そうそう、これこれ。)
照れながらも満更でない様子で園子の旦那発言を否定する。
彼が行方不明になる前の日常風景でそれを蘭は好きだった。
これからはそんな日々が戻ってくる。
いや恋人になった以上、もっと甘々になってデートとかも行けるだろうと、蘭は気分が浮上したのは感じていた。
自分が新一に告白の返事をしていない事を意味するものにも気づかずに、蘭は呑気に薔薇色の未来を思い描いていた。
(デートは前雑誌で見たイルミネーション 3大スポット、展望レストラン どれで手を打ってあげようかな~。)
(事件だか何だか知らないけど、これだけ放っておかれたんだから、簡単には許してあげないんだから!)


「初めまして。宮野志保です。」
帰ってきた新一の横には転校生がいた。
整い過ぎて冷たい感じがするが美しいと称して良い顔立ちに、理知的な雰囲気。
そんな美女が、やっと再会出来た新一の横にいるだけでも、面白くないのに、現実は更に蘭にとって非情だった。
「ねえ工藤君、荷物はどこ置くの?」
「こっちのロッカーに・・あ、弁当二つあるから重いよな~俺が持つよ。」
その宮野さんに新一は蘭ですらされた事がない程、紳士的に接していた。
(そこは私の場所なのに!!!)
いつもなら、新一と蘭を夫婦とからかうクラスメイト達も「工藤と毛利って付き合っているんじゃねえんか?」
「なんか転校生との方がそれっぽいよね」と戸惑い気味ながら、クールビューティーな彼女に釘付けだった。
「ねえ、蘭 あれ、どういう事よ?あんたたち付き合っているんじゃないの!?」
「わ、分かんない。うん、新一の彼女は私なのに・・。」
「ちょっと!!新一君!ずっと待ってた蘭に何かないわけっ?」
見兼ねた園子が蘭の為に新一に食ってかかった。
其処で初めて蘭の存在に気付いたかのように、振り向く新一の様子に胸に痛みが走る。
「ああ、蘭。幼馴染として、待っててくれてサンキュ!もう事件は終わったよ!」
それで終わり、と宮野との会話に戻ろうとする新一に園子の堪忍袋の緒が切れた。
新一の”幼馴染”と強調した物言いの意味に気付かずに。
「ちょっと!!新一君 アンタずっと健気に待ってた蘭に、彼女に対して、それだけなんて有り得ないわよっっ!!」
「聞こえてるから、こんな至近距離で大声出すなよ。園子。」耳を手で押さえながら顔を顰める新一。
そして無造作に続きの言葉が彼の唇から零れた。
「それに彼女って俺の彼女は宮野だけど?」
「「え?」」
蘭と園子の声が被る。
背後では級友達のどよめきが広がったのを感じたが、構っていられない。
「あ、もしかして園子知らねーのか。」
「な、何が?」
「俺、ロンドンで蘭に告白したの知ってるよな?それ未だに返事貰ってねーんだよ。」
「・・嘘、蘭アンタ、新一君に返事してないのっ?」
「だ、だって新一なら私の気持ちなんてお見通しだし。」
「それは、それ。これは、これでしょ!!」言い募ろうとする蘭を一蹴する園子。
二人の言い合いを冷静に眺める新一と興味深々で見守るクラスメイト達。
教室中の視線が二人に集中する。
「何やってんのよ。蘭。あれから半年は経っているんだよ!」
「だって新一なら私の気持ちなんて分かってるはずだし!」
「例えそうだとしても、きちんと返事しなきゃ!」
「だって返事したいのに、新一ったら中々帰って来ないんだもん!!」
「メールや電話でも出来たでしょ!新一君、蘭にだけは連絡くれてたんだから!」
「せっかくの返事、そんなのやだよ!直接顔を見て会って言いたいもん!!」
「アンタ、それ新一君に言ったの?」
「え?」
「だから顔見て直接返事したいって。」
「そ、それはしてないけど、でも新一ならそれくらい・・」
眼に涙を溜め、帰って来ない新一が悪い 私は悪くないと主張する蘭に憤慨した園子。
園子が言い返そうとした正にその瞬間の数秒の間を見計らったかのように二人に声が掛かる。

「分かるわけねーだろ?俺あの時そう言ったよな?例えホームズでも好きな女の気持ちを読み取るなんて不可能だってな。」
「という訳でさ、園子。俺は蘭に振られたからフリーだし、その間に宮野って彼女が出来たってわけ。」

何の問題もないだろう?と言わんばかりに肩を竦めた新一に、悲しみと憤りのまま詰め寄ろうとした
蘭は新一が蘭に向ける見た事のない表情に息を飲んだ。
(いつもの優しい新一じゃない。冷たい・・!!)
実際には蘭に対して呆れ過ぎているのを、新一が表情に出すまいとした結果だったのだが、彼女はそう解釈した。
思わず言おうとした台詞が喉から出てこない蘭。
今まで彼に非がないのに携帯を弁償させたり、デートを強要したりと好き勝手に出来ていたのは
新一が蘭を好きだからという下地があってこそ、だった。
彼の彼女の我儘を許してくれる雰囲気があったからこそだった。
それが霧散し、蘭はどうしていいか分かず棒立ちになる-。
「そうね。新一君。御免。私知らなくて。」
「いいよ。けどもう旦那とか言うのやめてくれよな。ま、強いて言うなら宮野の旦那って事で。」
新一に謝る園子とのやり取りにズキズキと蘭の心が痛む。
(どうして?どうして園子謝っているの?私振ってないのに。新一の彼女は私のはずなのに!)
「ちょっと蘭、こっち来て!ああ、もう時間ない 廊下しかないか。」
始業時間まであと数分しかない為、園子は蘭を廊下に連れ出した。
「な、何よ、園子。私新一とまだ話が・・。」
「もう無理。」
「え?ムリって何が?」
「新一君の彼女は宮野さんよ。・・蘭じゃないわ。」
「な、何で私振ってないのに。こんなに待ってたのにっ!!そんなのってない!ひどい!園子なら分かってくれるよねっ?」
「あのさ、蘭アンタ『探偵なら・・・私の心の中ぐらい推理しなさいよ!バカーーー!』って新一君に言っていわば告白させた、よね。」
「え、えっと、させたって言うか思わず口から出ちゃったっていうか彡」失恋したのにも気づかず、照れる蘭。
そんな蘭の様子に溜息を禁じ得ない様子で園子が言い募る。
「告白させといて、返事しないってあんた、それ失礼にも程があるよ。」
「なんで!面と向かって返事したいって思っただけだもんっ!!」
「なら最低限それだけは言っておくべきだったわ。」
「そ、そんな事言ったら返事分かっちゃうじゃない彡」
「あのね、蘭。其処までして返事もない いつ返事するかも知らせないって無視になっている事に気づかない?」
「そ、そんなつもりなくて・・。」
「でね、それって遠回しなお断りだよ。YESもNOも言わないで、今まで通りお友達でいましょうねってやつ!」
「し、新一ならそれくらい読み取ってくれるもの!!」
「さっき不可能だって言ってたじゃないの。」
其処でチャイムがなり授業がスタートした為、二人の会話は此処までになった。
だが園子が気を遣って廊下で話していたものの、蘭の声が大きかった為、この会話はクラスに筒抜けだった。
そして学校中に蘭が新一に告白させるように仕向けた挙句、返事をしなかったことが知れ渡っていくことになる-。


「ねえ、聞いた?毛利さんと工藤君の話!」
「聞いた!聞いた!有り得なくない?告白させるよう誘導しといて、返事しないって何様だよね~。」
「うんうん。更に言うなら返事してないのに自分の事、彼女って思い込めるってのが更に有り得ない!!」
「ってか告白させたんだったら、返事くらいその場でしたら?って思う。工藤君の事好きで自分から仕向けたんじゃないの。」
「なんか毛利さんって良い娘に見えるの表面だけで、内実 工藤君に甘えまくりじゃない。」
「しかも天然悪女ってかさ~。」
「だよね~鈴木さんが何言っても”新一なら分かってくれる”だったらしいし。」
「あちゃ-。末期だわ。」
「でもあたし、今だから言うけど空手で工藤君脅しているの見た時から、ちょっとどうよ?って思ってた。」
「あ、私も~おまけにいっつも、私 正しい 可哀想 的な悲劇ヒロインぶってるっていうかさ~」
「顔もまあ可愛い分類には入るから、一部の男子共、まんまとそれに騙されてたけどさ。」
「可哀想なの、どっちかっていうと誠意を蔑ろにされた工藤君だよね~。」
「「ね~。」」
「そう言えば工藤君の新しい彼女さん 宮野さん 逆に美人で頭良さそうよね~。」
「だよね~工藤君が相棒って言ってて訳分からない化学式の話とかもバンバンしてた。出来る女って感じ。」
「毛利さんより遥かに工藤君にお似合いだよね~ってか”新しい彼女”ってのが間違ってるよ。二人付き合った事なんかないんだから!」
「あ、そっか。毛利さんの彼女気取りに毒されちゃった~。」
アハハと無邪気に中庭で喋る同学年の女子生徒3人の建物の陰で蘭は一人愕然としていた。
味方してくれない親友に抗議するも「自業自得でしょ、蘭。あたし言ったわよね?ちゃんと返事しないとって!」と呆れられ
その上話を聞かれていた級友達からも、蘭は非難するような眼差しを浴び、教室で居場所がなくなってしまった。
居たたまれない空気を感じて思わず、弁当箱を掴んで中庭に来たものの、更に容赦のない噂話に心を抉られる事になったのだった。
周りにどう思われているのか、告白放置がどんな意味を持つのか、より客観的な事実を耳にした蘭は信じられない気持ちでいっぱいだった。
「・・こんな・・そんな・・どうして・・」
(何がいけなかったの?新一が私を好きだって言ってたから待ってたのに!心変わりするなんて思わないじゃないっ!!)
(ひどいのは心変わりした新一じゃないの!?何で皆、可哀想な私を責めるの?)
(どうして?そんなに返事しなかったのがいけなかったの?)
(だって大事な事だから、メールや電話なんて嫌だった。面と向かって言いたかった。それがそんなにいけないことなの?)
真っ青になり立ち尽くす蘭は、数分後よろよろと歩きだした。
(何も見たくない、考えたくない!)
蘭にそこからの記憶はなく、気が付いたら自室のベットに沈み、ぼろぼろと滂沱の涙を流す。
「新一~~っ!うわぁああああん!!ずっと待ってあげてたのに!!」
「どぉして~っっ!!どぉしてよ-っっ!!新一-!!」

************************************************
お姫様は森の中で王子様を待って眠っていた。
だがその寝台が棘だらけ。

『推理オタクなんだから』
『私が心配しているのを見て笑ってたんでしょ!』 
『本当に事件なの?』
『私のこと何だと思ってんのよ!』
『探偵なら・・・私の心の中ぐらい推理しなさいよ!バカーーー!』

”私の事が好きなら”このくらい平気 言葉に隠された真意に気付くはず。
照れ隠しとはいえ、大事なことを馬鹿にされたら傷つくであろう王子の心を省みる事はない姫-。
幾つもの自分への想いを試す姫の”棘”が寝台を囲んだ。
それでも棘の森をかいくぐり、王子が接吻したが姫は目覚めない。
”私の事が好きなら”返事しなくても大丈夫 だって愛されているから。
愛されている事を免罪符にしてはならない領域まで足を踏み入れた姫-。


遂に王子は目覚めない姫を置いて別の姫と結ばれる-。
そして、茨姫は棘だらけの寝台で一人慟哭しながら目覚める-。
「うわぁああああん!!ああぁぁん!どぉぉして~っっ!!ずっと待ってあげてたのにっ!!」

***********************************************
後書 夢の絆が中々進まず・・ちょっと気分転換に書いてみました(/・ω・)/
一滴の水③で童話モチーフ 蘭が眠り姫、新一がシンデレラの魔女を好きになる王子
志保が声が出る人魚姫といった感じでやったので、またちょっと童話チックにしてみました。
但し、こちらは、一滴の水設定でも、夢の絆設定でもありません。
原作の告白放置のまま時が過ぎ、新一が蘭に振られたと解釈し志保とって感じです。但し主役は蘭です。
周りの反応から取り返しのつかない事をした事、失恋した事を漠然と感じ取りますが
理解までは至らずひたすら自分が可哀想で泣いている蘭です。
感想なり頂けたら嬉しいです(((o(*゚▽゚*)o)))
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プロフィール

30代OLが歴史・節約・日頃・二次小説のことを書き綴っています。 コメント大歓迎★ ですが、宣伝や本文に何も関係ないもの もしくは激しく不愉快、コピペ等、そういった類は、私の判断により 誠に勝手ながら削除の方向です。楽しく語りたいです♪ 二次創作小説もありますが、このサイトは個人作成のものであり、原作者・出版社とは一切関係がありません。私なりの解釈を加えた二次小説もございますので自己責任でご覧になって下さい。

雪月花桜

Author:雪月花桜
タイトル通り歴史大好きな女がブログしてます。
歴史を元にした小説なんかも大好きでそれらについても語ったり、短編なんか書いてみたいです。
現在それ以外でも二次小説をupしておりますし、OLなりの節約・日々の徒然を語っています。

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