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六花幻影

最初はあのヒッタイト帝国の皇妃として嫁げると喜んだ。
夫となるムルシリ2世には1人の妃もいなかった。
ただ幸運に見えたのは最初だけ。




話が来たのは冬の雪降る日だった。雪の結晶が花のようで、美しかった。
「え?私をヒッタイト皇妃に?」
父であるバビロニア国王・クリガルス2世から告げられた言葉に、王女ダヌヘパは戸惑う。
「そうだ!2ヶ月前に逝去したユーリ・イシュタル皇妃の後添えとしてお前を迎えたい、と
勿論、正妃としてだ!可愛いお前を側室としてなど、嫁がせんからな。」
満面の笑みを浮かべる父は、この縁談を心から喜んでいるようだった。
「でも、ムルシリ2世はもう既にお年を召してるのでしょう?」
「それはそうだが、私とお前の母に比べれば、大丈夫十分、似合いだよ。お前の母が私の元に
上がったのは、私が60歳近くで、お前の母が14,5だったからな・・・・それは可憐でな・・」
感慨深げに亡き妃を追憶するクリガルス2世は話を続けた。
「それに比べて、ムルシリ2世は確か50歳くらいで、お前が20になったばかりだ。
大丈夫だろう!」
無責任に太鼓判を押す、父であった。
「でも50だなんて!!お父様!!!私が末姫でなかったら、父親と年齢の変わらない殿方に嫁げ、て仰ってるのと一緒です!
それにヒッタイトはイシン・サウラ姉様を殺して、ナキア叔母さまを流刑にした帝国ではありませんか!!」
抗議の声を上げる王女。会ったこともない姉と叔母だがその二人が、かの国で不幸になったことに姫は良い印象を持っていなかった。
「ダヌへパ、言っていいことと悪いことがある!!」
瞬時に、父から国王としての厳しい顔に変わった。
「イシン・サウラのことは正妃になりたがった皇族の姫がやったこと。皇帝のせいではない。
ナキアのこともそうだ。むしろあれだけの事をしておいて流刑で済んだのが皇帝の寛容さを示しておる。
元老院は死刑を要求したそうだからな・・」
そしてバビロニア国王は、娘にナキアがした国家反逆罪、皇帝暗殺未遂等の所業を説明したのだ。
・・・だがさずがに姪である、イシン・サウラをナキアが殺した可能性やその他のこと――――彼は弟から帰国次第全てを聞いて知っていたのだ――――は教えることができなかった。
「そうでしたの・・・。ご無礼致しました、お父様。では、皇帝はご立派な方なのですね?」
一礼して問いかける姫。どうやらヒッタイト皇帝に対する心象は一転したようだ。
「うむ。分かれば良い。ムルシリ2世は賢帝と呼ばれて、その治世は磐石。
年齢のことは、さておき、そなたの嫁ぎ先としてこれ以上ない、と思っておるのだ」
「でも、私はお父様の側で暮らせる方が・・」
「無論、可愛いそなたを嫁がせるのは私としても、身が切られる思いだが、我が国のことを思えば、国王としてそんな事を言ってられんのだ。」
ダヌへパはクリガルス2世が年老いてから、寵姫との間にもうけた末姫であった。
その時の出産が元で妃が亡くなったこともあり、王は特にこの姫を可愛がり、ずっと手元に置くつもりで自国の王族に嫁がせるか、神官にさせると常々公言していたのだ。
だが、そんな親心も国王としての責務には、儚いものであった。
ナキア皇太后の失脚により、ヒッタイトからの援助がなくなりはしなかったものの目に見えて減り、理由が理由だけに、抗議もできず自国の勢力が後退したところに、代替わりしたアッシリア国王・エンリル・ニラリとの争いにも負けてしまった。彼の代でバビロニアは衰退してしまったのだ。それに頭を悩ませていた、バビロニア国王の元に、舞い込んだ、今回の話。
実は、皇妃の逝去の報を受け、もう一度オリエント1の勢力と縁を結ぶことができるなら、と話を持ち込んだのはバビロニアだった。
最悪、側室でもかまわない、と思い――――王女には言わなかった――――が、使者がヒッタイトからの承諾の返事を持ち帰ったのは、昨夜のこと。
(何としてもダヌへパにはヒッタイトに、嫁いでもらわねばならん)
周辺諸国も同じように求婚の書簡を出したときいている。今までユーリ・イシュタル皇妃への寵愛ゆえに妃1人を守ってきた皇帝と縁戚になるチャンスなのだ。
側室という話ならば、さすがに愛娘ではなく、王族に連なる娘――――姪か孫姫を嫁がせようと思っていたのだが、今回は話が違う。
女性の地位が高いヒッタイトで、皇妃になれるのだ。王女として産まれてこれ以上の幸せがあろうか。
親心と王としての打算的な計算の末の判断だった。
「ダヌへパよ、父ももう長くない。そうなったときに後見のないそなたの身が心配なのだよ。
それに酷な言い方だが、政略結婚は王族としての務めでもある。ヒッタイトと縁戚になるのは、必ず我が国の為になる。父のために行ってくれぬか」
「お父様・・・。」
「それにヒッタイト皇帝・ムルシリ2世はとても素晴らしい方だと聞いている。そして、イシュタルと呼ばれる皇妃を深く愛してらして、側室を1人も置かず、誠実な人柄らしい。最初は心を開いて頂くのに、時間が掛かるかもしれないが、それを超えれば、お前も同じように愛されよう・・・。何、お前程の姫はそうおらぬ、大丈夫だとも。」
重ねて言う父の声に、ダヌへパは頷いた。
「分かりました、お父様。ヒッタイトへ参ります!」
「おお、分かってくれたか。さすが我が娘。」




それからが大変だった。花嫁用の衣装、豪奢な支度。未来の皇妃になるための教育。
怒涛のように準備の1ヶ月が過ぎていった。
ダヌへパ姫は自分の身を幸せだと、思っていた。
王が寄越した教育係や自分付の侍女たちの夫となるヒッタイト皇帝の噂。
長身で誰もが見ほれる美貌。あふれる才気、存在感。
そして卓越した指導力。そしてヒッタイトがオリエントでどれほど発展しているか。
これからお会いする夫に期待と憧れが募った。




「ちょっと何しているの!?私はこんな衣装と装身具を持ってこいなんて言ってないわ!
紫の服とあの銀の細工がいいと言ったのに!」
ダヌヘパは後宮の女官を怒鳴りつけ、青い極上の衣装を投げつける。
知らない土地、知らない言葉。
嫁いで来たころは不安だった。だけどそれ以上の期待があった。
私はこの帝国の第一の女性になるのだと。
だが、現実はそんな甘いものでは、なかった。




そう。最初はあのヒッタイト帝国の皇妃として嫁げると喜んだ。
夫となるムルシリ2世には1人の妃もいなかった。そして評判通りの男性だった。
ただ幸運に見えたのは最初だけ。それを悟るのにそう時間は掛からなかったのだ。
嫁いで来て初めて知った事実。
皇帝の心を占めるのは死してなおーその後宮の最高位、伝説となった美貌と絶大な民衆の支持を誇る、女神と称えられた皇妃ユーリ・イシュタル。
皇太子は既に決まり、他にも神官ピア・近衛長官シンといった女神が残した自分より年上の皇子たち。そんな中に1人放り込まれ、自分は余所者なのだと悟った。




「どうして、私がたかだか平民出身のしかも、もう死んでいる皇妃より下なの!?」
やるせない思いと悲嘆にくれ、周りの家具や雑貨を壊し始めた。
「姫様。どうぞ落ち着き遊ばして。」故国より付いてきた侍女が慌てて主の行動を止める。
「これが落ち着いてられるの!?私はバビロニア王女よ、そしてヒッタイト皇帝の正室になるために嫁いできたのに・・・。」
現に後宮で与えられたのは、南側の正妃の間ではなく、格式が高いものの側室の部屋。
未だ、結婚式を挙げてないため、という名目ではあるが、前皇妃は立后前から住んでいたという。明らかに自分が低く見られてるといるとしか思えない。
そして女官たち。今、追い返した女官だけではない、前皇妃に仕えていた者達は、自分の振る舞いにいちいち、眉をひそめる。陰で悪口を言っているのも知っている。
「ユーリ様なら、もっとおやさしい」「イシュタル様なら、ねぎらいの言葉を・・・」等々。
私は王女。人より尊敬を受ける身。権力を行使する身分の女性。
それに慣れ、当たり前と思って父にも、愛されてきた王女には、そんな王宮に仕える者達の言葉や態度に合わせることや、分かりあう努力の仕方も知らず、またしようとも思わなかった。
「姫様、ここはバビロニアではありません!ヒッタイトです。タワナアンナになろうと言う方が前任の皇妃を、根拠なく悪し様に言われてはなりません。両国の関係にも影響が及びます。」
年嵩の腹心と言ってよい別の女官兼教育係・シャーナが、正論をぶつけてくる。
確かに彼女の言うことは正しい。自分はヒッタイトとバビロニアの両国の掛け橋となるべく、嫁いできたのだ・・・。でも・・。
「お前なんかに、私の気持ちは分からないのよ!!!」言い捨てて、部屋を飛び出していた。




女神の気配が色濃く残る後宮で悔しくて泣きながら、走った。
誰にも泣き顔を見られたくなくて、走って走って気がついたら、神殿前の水溜り、いや池の側に来ていた。そこで感情が極まった王女は、泣きじゃくっていた。
「うっっ、うっっ、」
流れ落ちる涙。感情が止まらない。そしてダヌへパの能力が、発動した。
彼女の能力は、故国の王家でも珍しいものであった。
それは、土地や物にある人の残った思念を読み取ると言うものだった。
そこでみたのは祖国の王家の特徴ある顔立ちをした自分と似た女性。
その女性は故国に犠牲にされた自分の運命を呪いながら、皇帝の側室として、生きていた。
貴族出身ですでに皇子、皇女を成している妃の下座になったことに憤りを感じ、泣きながら
走っている。まるで今の自分のようだ。




そこで、会った下級神官との恋。
会えるのは皇帝の寝所に行くときだけ。見つめあうだけの恋。
それでも姫は、己の気持ちをぶつけて、神官に言う。「私を連れて逃げて!」
だが、それは神官が宦官であるため叶わない。
そして、彼女は2年後。皇帝の皇子を産む。その子の髪は神官と同じ見事な金髪。
一目で恋に落ち、お互いに惹かれた。けれど実ることなかった恋。その金の髪を見てその恋が成就した気になった。皇帝の子供に違いないのに、彼の私の子のような気がして、愛しさが募った。――――決して過去の私や彼のような思いをさせぬため、そして故国を出た時の誓いのため、必ず至上の地位に!!――――


――――心の底からの叫び――――
自分で泳がなければ流される――――流される激流さえない
自分で立たなければ潰される――――私の居場所など初めからない。
だから私は自分で道を切りひらくしかなかった――――野心と才覚、魔術で競争激しい後宮を勝ち残った姫は、嫁いできたときとは別人のようだ。




私の道は何処にあるの?
ダヌへパは過去のナキアと自分の思念で頭が掻き乱されていた。ナキアの憤り、哀しみ、誇り。
それによって、血を染めた皇太后の所業がまるで自分自身の記憶のように、感じられて王女は
「いやああああっっ!!」
全身で拒絶して、その記憶の渦に耐えられなくて、気を、失った。




「姫様?お目覚めでらっしゃっいますか?ご気分は?」
気が付いたら、自分の後宮の部屋のいつもの寝台に寝かされていた。
心配気の女官・シャーナが水を浸した布をあてながら、声を掛けてきた。
何故あんなところにいたのか、と視線で訴えかける侍女たちの中で、シャーナ1人が冷静且つ
機敏に動いていた。役に立たない侍女など、要らない。
シャーナ以外の侍女を下がらせ、問うた。
「お前は私が何故あんなところにいたか聞かないの?」
「誰にでも、1人になりたいことはございますもの。」微笑んで、杯にワインを注ぐ。
そのワインに口をつけながら、彼女は先ほどの叔母の過去と自分がそれに共鳴し、恐怖して気を失った過程を語った。
王女の能力とその制御が効かないことをも熟知している彼女は、ある程度予期していたようだったが、さすがに元皇太后の所業は、その想像をはるかに越えていたため、話終わった後は、気丈なシャーナも顔色がよろしくなかった。
「それは・・・何と言ってよいか・・・。よもや姪御様まで・・・。それで、姫様?」
叔母に利用され殺された王女に対して哀しみの色が広がって、深いため息を吐き出した後、物問いたげな顔を向けた。
(姫様は何か言いたいのだ。言わせなければ。)
「・・・・私は何処にいるのだろう?・・・」
「はい?」
「・・・叔母のしたことは、確かに罪。でも私は羨ましいと思ってしまったのです。ねえ、シャーナ、側室として多くの妃との争いを生き抜くのと、ただ1人きりの正妃として、どちらが辛いと思う?」
主の言葉の意味が分かった気がした。
(姫様はこの帝国での存在意義が欲しいのだ。それも、両国の絆とかいう大儀や綺麗事ではなく、
もっと心の底からのもの)
「競争相手がいたら、辛い。私は嫉妬に苦しむ父上や兄上の妃達のようになりたくない。そう思って、いないことに喜んだのに。心穏やかに暮らせると思ったのに。なのに1人なのに苦しい。
まだ、相手がいれば、頑張りようもあったのに。手も打てるのに。・・・・・いいえ、居るのよ!!
この後宮の主は未だにユーリ・イシュタルなのよ!!!女神なんて、死んだ人間なんて、勝てっこないではないか!!死んだ人間は美しいままなのよ!!私がどんなに着飾っても、好みの振る舞いをしても、陛下は誉めて下さるけど、心は開いて下さらない!!私とイシュタルでは、勝負にすらならないのよ!!」
ダヌヘパはそこで息が切れ、拳を握り、ハアッハアッと宙をにらむ。
皇子の息子達や、知事夫人となった女神によく似ているというマリエ皇女の語らいや、正妃の間でかいま見た亡き妃を偲ぶ様子で分かった。
皇帝が、どれだけの愛情を前皇妃に注いでいたか。
そしてそこにおそらく誰も入り込む隙などないことを。




それには、シャーナも気が付いていた。皇帝は優しいし、礼儀正しい。政略結婚の相手としては、申し分ない。世情に疎い王女は、それを当然と受け止めているが、シャーナは安心した。
政略婚の相手が話と全然違うことなどよくあるからだ。
だが、その礼儀の中に決して見せない感情があるのを、感じていた。
「姫様・・・。」
(姫様もそれも感じてしまったのだろうか?)
「叔母様は、自分の息子を皇位にって目標があったでしょう?・・・もしかしたら、それしかなくてしがみついていたのかもしれないけれども!でも、それでも、何もない私よりは、マシよ!
・・・どうすれば良い?」
(きっと姫様は皇帝に好意を持っている。でなければ、こんなに前皇妃への嫉妬で苦しむはずがない。政略婚で決められた夫を好きになる。それは普通なら、幸せなことのはずなのに。)
胸がきしむ音がした。
出身・バビロニアの王宮で、領土の保証と引き換えに出された貴族の姫が、年老いた王など嫌だと、毎晩泣くのをこらえていたのも知っている。
遥か昔、バビロニアからエジプト王に嫁がされ、あまりの遠方ゆえに、王女であるのに、その無事さえ確かめられなかった女性もいた。政略結婚の多くの悲劇。
かといって、自国の後見もなく、嫁ぎ先を離れて暮らしていくのは、深窓の姫には、まず無理。
(本来なら、幸せなことのはずなのに。皇帝陛下に恋をして、側室もおらず)
それなのに。この後宮に妃と呼ばれる人はいないことが王女を追い詰めている。




あなたは、王女として何でも許されるご身分です。
お前は、王女としての義務を果たす為に、結婚せねばならない。
貴女は、お渡りがあるまで、ご結婚まで、こちらでお暮らし下さい。
南側の正妃の間は、お入りにならないように。ヒッタイトの流儀にお従い下さい。




・・・私は何処にいるのだろう?・・・
・・・幸せになれると信じていたのに・・・
縁談が出たときに見た雪の花が浮かんでは、浮かんでは、溶けて消えるのが、見えた。
*********************************************************************************
<後書>
寄贈した小説第二弾☆
これは悪役ナキア皇太后の過去話が出たころに思いついた話です。
由緒あるバビロニア王女でありながら、ヒッタイトではただの側室に過ぎなかった
屈辱の過去のフレーズが印象的だったことを覚えています。
「~その最高位には既に、民衆の圧倒的支持を誇る皇家出身の美貌の皇妃 しかも皇太子は既に決まっており
他にもカイル・ザナンザといった将来を嘱望された皇子達がいた。
そんな中で何も持たぬただの側室として、放りこまれたのだ~」

うろ覚えですが確かこんなフレーズでした。
これを読むまで、私はヒンティ皇妃が死んでからナキアが正妃として迎えられたと思ってました。
何せ一国の王女ですから。
でもそうじゃなくてこんな辛酸も舐めていたわけですね 
どうりで自分の息子をどんな手段使っても、皇帝にしたがるんだと納得。
彼女の過去話は側近ウルヒとの悲恋も凝縮されてて胸に響きます。
ええとこのフレーズと似たような、でも内容が違うのをこの小説では書いてみたくてチャレンジしたんです。
漫画本編フレーズは「大勢のライバル(しかも美貌で血統正しいカイルの母がトップ)がいる中に放り込まれた王女」です。
この小説のフレーズは「ただ一人の妃で女神という眼に見えない敵と戦わなければいけない王女」です。
うまく対比が効いてるといいな~


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No title

この文章、読みが深い。考えさせられます。ユーリは亡くなった後までカイルやほかの人達から愛されているんですね。ダヌヘパ妃はそれに戦わなくていけない新しい妃、側室もいなくて正妃でおそらくタワナアンナになれるんですよね。新しい夫の皇帝は素晴らしいだんな。素晴らしい条件。でもつらいんですよね。でもどうしても亡くなったユーリイシュタル妃には勝てない。文章からダヌヘパ姫の辛さ伝わってきます。また対比がユーリだけではなくて、ナキア妃と状況を対比させているところも素晴らしい。名古屋OLさんの読みの深さや創造力には感嘆です。どうやってこういう素晴らしい発想が思い浮かんでくるのですか?やっぱり、名古屋OLさんのいように才能ある人は私のような凡人とは違うなあと思います。

感想ありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o)))

るり子様

こんにちは。
再びの感想ありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o)))嬉しいです。

そうなんです!
ダヌヘパ妃は既に故人 しかも女神と戦わなくてはいけないんです。
しかも夫が振り向くことはないと本能的に気づいています。

ナキアとの対比も指摘頂いて嬉しいです。
同じバビロニア王女だけれど、ライバルの妃&立ち位置が違うんですね。
”どうやってこういう素晴らしい発想が思い浮かんでくるのですか?やっぱり、名古屋OLさんのいように才能ある人は私のような凡人とは違うなあと思います。”のお褒め ありがとうございます。
るり子様からのお言葉 とてもとても嬉しいです。

それではまた

PS もしよろしかったら、るり子様も小説を書かれては如何でしょうか?(´∀`*)ウフフ
ぜひぜひ読んでみたいです。

No title

>>もしよろしかったら、るり子様も小説を書かれては如何でしょうか?

とんでもない。まず、私には創造力がないというか、 雪月花桜さんのように自分自身のストーリーが頭に思い浮かんでこない。これが、文才ある人とない人の差だと思います。

28巻でユーリーがカイルより一年間早く亡くなったという記述がありますよね。大体、年齢くらいにすると48歳くらいですかね?カイルが皇帝陛下になられた時から30年間統治した経歴から大体計算して、さらにユーリの年齢が若い分を差し引くとそれくらいになりますかね?古代ではおそらく平均年齢寿命かな?でも現代人の寿命から計算すると若死にですよね。そう思うと、この古代に生きる選択をしたことは長生きという現代特権を捨てたということにもなるのかな?家族や友人だけではなくて。それにしてもユールがなぜ亡くなったのかわかりますか?そこまで記述は原作にはないですよね?

史実のユーリにモデルになった本当のムルシリ二世の正妃、ガッシュルウィヤ妃は結婚して9年目に亡くなっているので、ユーリもそれをモデルにして旦那より早く亡くなった設定にしているのかなあと思いました。ユーリの若死には創作とは言え、切ないですね。

ところで雪月花桜さんはカイル派ですか?ラムセス派ですか?

史実との比較

るり子様

こんばんは。
返事ありがとうございます。

ええ、ユーリがカイルより一年間早く亡くなってます。中三でヒッタイトに呼ばれて二年後にカイルが即位してその後結ばれますから大体、年齢くらいにすると47・8歳くらいになると思います。
言われてみれば…古代ではおそらく平均年齢寿命でしょうが、現代人の寿命から計算すると若死ですね。
亡くなった時でさえも若々しい横顔で、年を取らないと呼ばれた皇妃が皇帝より亡くなったのは衝撃だったでしょうね、周りが。特にカイルの哀しみを思いますと(´;ω;`)ウゥゥ
この小説にはそのいつまでも変わらない美貌と絶大な支持のユーリを垣間見せてます。
長生きという現代特権を捨てたということ…るり子様は着眼点が鋭いですね。やはり小説のネタを発掘される才能があるのでは!?文章も分かりやすいですし。
気が向いたら是非に小説にチャレンジして下さいませ(天河の二次小説が読みたいファンの囁き(笑))

はい。ユーリの死因の原因は分かっていません。原作にはなかったです。
<ムルシリ二世の正妃、ガッシュルウィヤ妃は結婚して9年目に亡くなっているので、
<ユーリもそれをモデルにして旦那より早く亡くなった設定にしているのかなあと思いました。
なるほどx2 凄いです☆彡
妃が亡くなったことをムルシリ二世が凄い嘆いている粘土板があったような気がします。
そして昔はバビロニア出身の皇太后がタワナアンナという名前で、故国の忌まわしい風習を取り入れた為、追放されたとなっていた(連載時に図書館で調べました)のが
今wiki見ると、バビロニア出身の皇太后マルニガルが彼女に毒を盛った容疑をかけられて裁判を受け、追放となっていて…天河じゃんと!(@_@)となりました。
愛妻家である&皇太后に殺される(天河 殺されかかる) というニ点が史実と非常に似てますね。
ただナキア様の名前だけが今も昔も違うけど(;・∀・)
昔調べた時、追放されたから、名前の代わりにタワナアンナという称号だけ書かれた(いたけど個人名は抹消)という説を勝手に立ててましたw

私はやっぱり最後の最後に理性でユーリの意志を尊重したカイル派ですね~。
ラムセスはカイルのそんなところが嫌いだっと言ってましたが、現代女性からしたら、其処重要です。
るり子様はどうでしょうか?

それではまた
雪月花桜より(*´▽`*)

No title

>> 私はやっぱり最後の最後に理性でユーリの意志を尊重したカイル派ですね~。

これ、すごく共感。実は私MIXIでラムセスファンの人に以下のようなコメントを出したことがあるんです。返信はなかったけど。ちょっと、犯罪にまつわる用語が出てきちゃうんですけど良いですか?


「ラムセスが男っ気がある事はわかるんです。だからモテルタイプだという事も。

でも11巻と18巻でユーリを無理やりさらってしかも犯そうとしてますよね。ユーリが泣いて抵抗しても嫌と叫んでも頼んでも、それでもラムセスは縛り上げて無理やり組み敷いて事を運ぼうとしてますよね。これってやっている行為はレイプで性犯罪ですよね。

まあ、一回目はカイル皇子が助けてくれて、2回目は妊婦だと分かって手荒い真似はやめたけど。。。何とか未遂で終わったけど。

ラムセスファンが多い事はわかるんです。でも、実際にやっていることはレイプ未遂ではありませんか?強姦罪に問われる犯罪ではありませんか?なんか、こういう事をする男性て恐怖の対象ではありませんか?」

12巻でカイルも強引にユールを自分のものにしようとした事もあったけど、これはまあ経過としてユーリを返さないといけない約束、でも返したくない、この葛藤の上に産まれた行為でまだわかるんです。しかも2年間近く側室という立場の女性の意思をよく尊重できたと思うんです。見方を変えればよくそれまで理性で抑えたなあと。12巻でも最後はストップしてくれたし。

しかしラムセス、勝手に誘拐してしばりあげて「我慢も限界」とか言ってユーリの意思を尊重せず。。。漫画だから深く考える必要がないことはわかっている。しかし現実的に考えるとラムセスは理性がないというか、自分勝手というか。。。どう思いますか?

さらにもう一人のモデルについてどう思いますか?

たびたび、すみませません。もしかしたら雪月花桜ならヒッタイトの史実に詳しいかもしれないと思って。

先ほど、ユーリのモデルはムルシリ二世の妃、ガッシュルウィヤ妃と言いましたが、さらにユーリのもう一人のモデルかもしれない方についてはどう思いますか?これはヒッタイト研究者の方にもYouTubeコメで質問したコピペですが。雪月花桜はハットゥシリ3世の奥さんのプドゥヘパ妃をご存知でしょうか?

「この漫画の主人公ユーリのモデルになったのはハットゥシリ3世の奥さんのプドゥヘパ妃でしょうか?正確にはユーリのモデルは、元来のムルシリ二世の正妃ガッシュルウィヤ妃とプドゥヘパ妃を足して2で割ったような感じですよね。例えば、プドゥヘパ妃が女神イシュタル神官の娘だったとか、ハットゥシリ3世がイシュタル女神を崇拝していたとか、ウィキではブドゥヘパ妃が「王妃として夫であるハットゥシリに大いに協力した一方で、それぞれが独自の行動をとっていたようである。人事や子供の養育に傾注する一方で、ヒッタイトの政治や外交にも参画した」とか、彼女は長らくタワナアンナにもなっている、これはまさにユーリ。他にも天河の漫画ではカイルとユーリとラムセス将軍(後のラムセス一世)の間で、カディッシュの戦いをモデルにしたんじゃないかと思われるその前倒しみたいな戦争と和平条約を結んだとかあるし、これもハットゥシリ3世のときのカディッシュの戦いがモデルになっているのかなあと思ったり、またハットゥシリ3世の本当に時代にブドゥヘパ妃がラムセス2世と書簡のやり取りで仲良かったという史実は、天河のユーリとラムセス将軍(のちのラムセス一世)を思わせます。やはり、ユーリはガッシュルウィヤ妃とプドゥヘパ妃を足して2で割ったモデル像と思ってもよろしいのでしょうか?それなら、天河のカイルムルシリ二世は、史実のムルシリ二世とハットゥシリ3世を足して2で割ったようなモデルと思ってもよいのでしょうか?」

史実との答え合わせ

るり子様

こんばんは。
お返事ありがとうございます~。
そうですね~ただラムセスの行動って当時なら日常的にあったことなんでしょうね。ただ現代人から見るとどうしても勝手に見えてしまいます。
当時からしたら正妻にしようとしての行動なので…むしろ責任果たしていると思われそう。常識や習慣が違うと世界が違って見えますね。
略奪婚って恐ろしい習慣が結構近代まであったことを考えると・・怖い><
皇子に生まれて奢らない、強制しないカイルの方が希少なんでしょう。

ハットゥシリ3世の奥さんのプドゥヘパ妃・・・。
るり子様 お詳しい…!
本当ですね。ユーリのモデルこの人って言われても納得の経歴。
当初の予定通り、現代人ではないヒロインだったら、この方が選ばれそうですね。
皇太后(タワナアンナ)としても権力を維持していたようですし。
多分、ユーリは二人の良いところ+少女漫画的な萌えポイント+現代日本人 という要素を色々詰めてこうなったんじゃないかな と思います。
史実との答え合わせってワクワクしますよね(´∀`*)ウフフ
それではまた


No title

さらに私のコメの間違いの訂正と、雪月花桜の素晴らしい文章の中に新たな気づきと感動があったので書かせていただきます。

最初の方のコメにユーリが亡くなったのが47,8歳と推測しましたが、Wikiを調べてみるとムルシリ二世の統治は30年間ではなくて27年間なんですね。ですので、ムルシリ二世が陛下に即位したのが、ユーリが17歳だとするとそれプラス27年間、ユーリの方が一年間早く亡くなったという事で大体43歳くらいにご崩御されたという推測になるのかもしれませんね。やっぱり、現在の感覚でいうと若いですね。特に世界一寿命の日本女性の平均寿命年齢から考えると、古代に生きる決意をしたことで約半分しか生きられなかったという事?やっぱり現代特権を失ったのかなと思いました。でも幸せだったから良かったんだろうな。

No title

さらに雪月花桜の文章のこの部分。

「彼女は2年後。皇帝の皇子を産む。その子の髪は神官と同じ見事な金髪。一目で恋に落ち、お互いに惹かれた。けれど実ることなかった恋。その金の髪を見てその恋が成就した気になった。皇帝の子供に違いないのに、彼の私の子のような気がして、愛しさが募った。――――決して過去の私や彼のような思いをさせぬため、そして故国を出た時の誓いのため、必ず至上の地位に!!」

解釈の奥深さにものすごく感心しました。ナキア妃とウルヒの関係。なぜ、ナキア妃が自分の息子ジュダを、ウルヒが自分の子供でもないジュダをあそこまで即位させたかったのか。それはナキア妃の場合、もちろん自国を滅ぼしたヒッタイトにバビロニアの血を残す事で支配をして復讐とかもあったんでしょうけど、この文章からそれだけでなく、自分がすべてを投げすてても良いと思ったくらい愛した男性と同じ髪の色をした自分の息子を、その愛した男性の息子だと感じる事(もちろん頭では彼の子ではないとはわかっているけど)で恋愛が成就した気持ちになっていたのかもしれない、だからこそもっと自分の愛した人の面影がある息子を陛下にさせたかったのかもしれませんね。なるほど、確かに自分の野心だけのためでなくて、ジュダ殿下が愛した男性の息子の面影があるからなおさら即位させたかったのかもしれません。

またウルヒももしかして同じように思っていたかもしれない。私は最初はナキア妃に駆け落ちを頼まれたときに両想いになれた喜びと、でも応えられない申し訳なささでジュダ殿下を皇帝にしたかったのかなあとも思いました。愛情とお詫びの印に?そうでなかったら自分の血のつながりがないジュダを自分の命の危険を冒してまで皇帝にしようとする必要がある??と不思議でした。しかし、雪月花桜さんの文章を読んで、宦官で自分の子供を作れないウルヒも、自分と同じ金髪のジュダ殿下を愛しているナキア妃との子供と思い込む、もしくは感じる事で、なおさらジュダを陛下にする野望に拍車がかかったのかなあと思いました。

また二人とも若い時に国を滅ぼされて辛い経験をなさっている弱肉強食の世界を知っているんでしょうね。だからジュダ殿下をそんな思いさせたくない、超競争世界の中で勝ちぬいてきた自分と同じ思いをさせたくない、自分が息子を皇帝という最高の位に即位させて息子に将来辛い思いをさせたくないという親心だったのかもしれませんね。

雪月花桜の文章の解釈の奥深さには関心。私みたいな凡人は単純にナキア妃は自分の野望のためだけになんて思ってました。そしたら、そうか。。。それだけでなくこういった意味合いも含まれていたんですね。同じ漫画を読んでもここまで読み取ってしまうとは。やはり雪月花桜は文才があります。

紀元前1322年頃 - 紀元前1295年頃

るり子様

こんばんは。
ご丁寧に教えて頂き、ありがとうございます。
確かに紀元前1322年頃 - 紀元前1295年頃 在位とありますね。
いずれにしても現代で40代に亡くなるというのは早過ぎというイメージがありますが、カイルに目いっぱい愛し愛されで幸せな人生だったでしょうから、それもアリですよね。

悪の散華

るり子様

こんばんは。
感想コメントありがとうございますヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪
解釈の奥深さにものすごく感心しましたと言って頂けて嬉しいです。

ナキア皇太后の過去編でこの解釈を思い付いたのです。
もちろん自国を滅ぼしたヒッタイトにバビロニアの血を残す事で支配をして復讐もあるけど、それは苦労知らずの王女が嫌だけど嫁がなくてはいけない理由づけに思えるんですね。
もっと心の底からの理由で本編のような解釈になったんです。でないとあそこまで悪行尽くしません。

ええ、私ウルヒももしかして同じように思っていたかもしれないって思ってます。
応えられない申し訳なさもあるでしょうけど…
宦官で自分の子供を作れないウルヒも、愛するナキア妃の子供が自分と同じ金髪で産まれたので、叶わなかった恋の成就の代わり=自分の子 みたいな感覚になってたかもしれません。
「もし恐れ多くも貴方が私の息子なら」って切なそうなウルヒの言い方にそれを感じます。
仰る通り”皇帝という最高の位に即位させて息子に将来辛い思いをさせたくないという親心”はあったと思いますが、彼自身の意志を奪った時点で我欲になってしまいました。
そしてジュダ殿下を皇帝に即位させるためにする悪事で二人は心が繋がっていたと思うと悪役の悲しさが浮かび上がります。
ジュダがナキアを殺そうとした時に背景に華がありますが、あのシーンを小説化するなら”悪の散華”と名付けます。
自身の野心の原動元に否定される という名シーンですよね あそこ。

いえいえ そんな…恐縮です。
でもるり子様も歴史にお詳しいですし、文章もとても分かりやすく良いと思いますので、執筆のおススメをしたくなります(笑)


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雪月花桜

Author:雪月花桜
タイトル通り名古屋OLがブログしてます。
歴史を元にした小説なんかも大好きでそれらについても語ったり、一次小説なんかも書いてますす。好きな漫画(コナンやCLAMP etc)&小説(彩雲国物語)の二次小説をupしておりますし、OLなりの節約・日々の徒然をHappyに語っています。

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