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最愛の妃へ <ファム・ファタール>

最愛の妃へ
生涯で一度、男性が会える人生を変える程の女性。運命の女性、ファム・ファタール。
彼女が幸運を運ぶ女神になるか、男を惑わせその人生を狂わせる妖婦となるか。
それはきっと、出会えた貴男次第。
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「身分ってのは上の者が下のものを守るためにあるんじゃないの!?
 権力があるなら、こんなとき使わないでいつ使うのよ!!」
そう私に迷いのない瞳で言った少女。
私はその時、平手打ちをくらったような衝撃を受けたのだった。そうなのだ。その為の権力。
国、民の為に、権力があるのに。法を重視するあまり忘れかけていた大事な事。
それを思い出させてくれたお前の言葉。
私はそこに自身が求める正妃の片鱗を見た。

小姓や侍女の死にも心の底から嘆く、優しい娘。
嘆きを力に変え、その手に剣を持ち戦う。
自身が危ないときでさえ、捕虜の身を案じ、冷静な政治的判断。
あれの器量など、計り知れない。
それに惹かれる多くの民、私の部下、女官たち。
愛と戦いの女神、と称えられていくその姿に私も魅せられていった。

「それが私の宝物だもん。」
使えきれないほどの衣装や宝石を贈っていた私に向けて差し出されたのは、1枚の粘土版。
彼女の国で「愛」を示す記号を彫ったもの。
その器量と裏腹に、性格はどこまでも純粋。自分の美貌にすら気付かない。
あれにあって私は初めて「女を愛しい」ということがどういうことなのか分かった。
理性で押さえきれない感情があるのだと、知った。

求める正妃の器―「人の上に立つ器量、自制心、自戒心」稀有な政治的資質を持つ女性。
無条件に愛しい―生涯でただ一人心奪われた。純粋で素直なある意味平凡な少女。

一見相反する2つの魅力、それらを矛盾なく備えたお前を妻に迎えることができる私は
何と幸せな男だろう。皇帝としては、共に治世を築く、最良の皇妃を得た。
一人の男としては、愛しくて堪らない女性を妻に迎えることができた。

ユーリ・イシュタル、私の女神  ―私は生涯お前1人を愛し抜くと誓おう―
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<後書>
ファム・ファタールというフレーズが使いたくて書いた小説です(笑)
「Destination Of The River」さんという素敵な天河二次小説満載なサイトさんに寄贈した小説です。
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No title

ルサファのところでコメントしたるり子です。ご返信どうもありがとうございました。なんでこんなに色々感じ素晴らしい文章を書けるのかと感嘆しております。私は漫画を読むとき、単純に喜怒哀楽で楽しんでいるだけなのに、こうやって名古屋OLさんのように二次元小説書ける人って奥深く分析して書いておりますね。本物の作者さんが読んだらなんか参考にしたくなるんじゃないかと思います。

No title

実は私は現在、アラフィフなんですけど、この最終回が終わって20年後?それまでこの漫画知らなかったのに、2022年でこの年になってはまってます。名古屋OLさんは王家の紋章は読みますか?
実は私、歴史も好きだし、一人旅でトルコ行ったのことあるし、王家の紋章を読んでヒッタイトの存在を知っていたんです。たまたま王家の紋章を読んでいて、ウェブでこれが比較されているから興味を持って読んでみました。王家の紋章でイズミル王子がストーカー気質はあるけど案外良い人だなあ、メンフィス王より人間的に良い人じゃん、キャロルと結ばれてほしかったなあと思いながら王家の紋章を読んでいたら、この本が紹介されていた。「お!!これは王家の紋章のヒーローの逆バージョンか?ヒッタイト王がヒーローでヒロインと結ばれるのか??」と好奇心で読んでみたら、そしたら王家の紋章以上にはまってしまいました。王家の紋章と似ているのかと思ったけど、うまくこの先生ならではのオリジナルを出していますよね。似ている部分もありながらこれだけオリジナルで違いが出せたり、内容の雰囲気全体が全然違っていたりと先生の才能が素晴らしいと思います。またイズミル王子もカイル皇子も「容姿端麗、沈着冷静、文武両道、主人公に一途」でありながらキャラが言葉にすると似ているようで、でも実際に読んでみると二人は別人。まったく違うキャラを生み出しています。。これは何なんでしょうか?またメンフィス王とラムセスも獰猛で強引なところが共通点だが二人とも違うキャラを出していますよね。

王家の紋章ファンが天は赤い河のほとりに反感を持っているという話もありますが、逆に天河を読んで王家の紋章を読む人もいるし、王家の紋章を読んで天河を読む人も多いと思うし、一つの漫画のぞんざいがもう一つの漫画を宣伝する相乗効果が出て良いんじゃないかと思いますけどね。また王家の紋章でイズミル王子のファンの夢をもう一つ別の漫画で叶えてくれているような感じもあるし。一石二鳥ではないですか。

歴史はもともと好きで勉強していたけど、この本のお陰でさらに古代史が好きで色々勉強しました。漫画ですべて史実だと思ってないけど、これがきっかけで歴史が好きになれるのなら一石二鳥ですよね。今度トルコ行ったとき絶対にハットゥサ行くぞ!!この漫画は旅行ビジネスにも貢献してますね。

同志発見😃

るり子様

こんにちは。
こちらこそ、またのコメント ありがとうございます。
二つのコメントに対してまとめてお返事させて頂きます。
またしても”なんでこんなに色々感じ素晴らしい文章を書けるのかと感嘆”との嬉しいお言葉、感謝です。
漫画に嵌って喜怒哀楽している時ってすっごく楽しいですよね。
神様である作者様の参考になったりなんかしたら…嬉しくてニマニマしてしまいそうです。

今嵌っているの羨ましい限りです。私は連載当時、わくわくしながら本誌読んでました(笑)
王家の紋章も知ってますし読んでました。
長期連載化し過ぎて今はもう読んでないですが💦
るり子様のイズミル王子愛を文章からひしひしと感じます。
そうですね 似ているところもあるけれど、キャロルは考古学を学んでいる知識を活かし、夕梨は現代知識と身体能力を活かしているし、結構違いがありますよね。
1番の違いはウルスラですね。少女漫画で政治理想の為に処刑された女性がいるってシビアでリアルでしたね。

トルコ、行かれたことあるんですね。うらやましいです。
私も行きたいと思いつつ行けてないので…トプカプ宮殿とかモスクとか眺めるだけでテンション上がりそうです。
情勢が良くなったら…是非とも行きたい国の1つです。
あ、夢の雫、黄金の鳥籠(ゆめのしずく、きんのとりかご)はご存じでしょうか?
篠原先生が現在連載されている作品です。16世紀のオスマントルコが舞台。
後宮で色々吞み込んで、奴隷から寵姫になっていく様はユーリとナキアの両方を見ているような心地(笑)
天河って最初、現代日本人じゃなくて、当時の女性を主役描きたかったそうです(編集が現代日本人を出すように言ったらしい)
その点で言えば夢の雫、黄金の鳥籠ヒロインは実在の人物で勿論当時の女性なので、先生の描きたかったものが叶ったのかな とも思いながら読んでます。
まだでしたら、ぜひ読んで下さいませ。既読済でしたら是非とも感想を語りあいましょう!
http://haruharu786.blog11.fc2.com/blog-entry-3084.html(blogでの紹介記事)

それではまた

夢の雫、黄金の鳥籠

こちらのコメントの返信遅れました。

>>夢の雫、黄金の鳥籠(ゆめのしずく、きんのとりかご)はご存じでしょうか?

はい。知ってます。しかし読みたいけど、まだ読んでないのです。ーと申しますのは、まだこれ最終回が来てませんよね?私は性格的に連載物は続きがすごく気になってしまうので、気になって気になって日々の日常生活に支障が出るくらい気になるタイプなので、こちらの本を最終回まで来ておそらくハッピーエンド?になったとわかった時点でkindle で注文しようと思います。天河は最終回から20年近く経った現在、ハッピーエンドがわかっているので読めるのです。歴史もの大好きです。雪月花桜さんは天河連載当時にわくわくして読んでいたとのこと、次のお話が気になって来月まで待てない、もどかしい思いはしたことないでしょうか?

あと、ウルスラの死は涙なしでは見れない。偽イシュタルを演じて詐欺女とか罵倒されていたけど、貧しい環境がそうさせただけで本当は良い人だったんだろうな。またカイルとユーリが陛下になって貧困で苦しんでいる人たちがいなくなる良い国を作るために、政治理想のために死刑を選んだなんて涙ぼろぼろです。また偽イシュタルがばれたときに元来極刑となるところをユーリとカイルが許して、しかも女官として宮に入れてくれるなんて、ユーリとカイルにに恩義と、ふさわしいタワナアンナの資質を感じていたんでしょうね。私もこうやってユーリみたいに罪を犯した人を許して環境を変えて正しい方向に導いてあげられるような、そんな人になりたいなあと思った。ユーリって人が見習うべきロールモデルだと思います。

連載時のもどかしさ

るり子様

こんばんは。
はい。完結しておりません。
史実を知っている身としては、主要人物に色んなことが起こる年に近づきつつあるとワクワクしてます。

<私は性格的に連載物は続きがすごく気になってしまうので、
<気になって気になって日々の日常生活に支障が出るくらい気になるタイプ
ああ、分かります。
私はテレビがそうなるので連続ドラマが見れないんです。1話完結のミステリーシリーズとかなら平気なんですけど。
だからドラマの最終回だけ見るという禁じ手?をしたりします。
これまでの流れがダイジェストで説明されて、完結するので、見やすいんです。
ただ漫画は大丈夫なので、単行本もしくは本誌連載で追っ掛けます。
約ネバと鬼滅 クライマックスは本誌で読んでましたv( ̄Д ̄)v イエイ
連載時のもどかしさ…次が早く読みたい~にはなってましたね 懐かしい。


ええ、ウルスラの死は涙なしでは見れませんね。
カッシュとの別れのシーン「もっと大きな夢を見てしまったの。」って辺りが好きです(´;ω;`)ウッ…
そうですね。るり子様の仰る通り、貧しい環境がそうさせただけで本当は良い人だったんですよね。
本来極刑となるところをユーリとカイルが許して、しかも女官として宮に入れてくれるなんて、ユーリとカイルに恩義を感じるでしょうね。
ただ命まで賭けたのは、自分が謀略の一環といて利用されてしまった ユーリを追い詰める一因となってしまったという自責の念もあったのではないかと思っています。


<私もこうやってユーリみたいに罪を犯した人を許して
<環境を変えて正しい方向に導いてあげられるような、そんな人になりたいなあと思った。
素敵な考えですね☆彡
そうありたいと思います。

それではまた

雪月花桜より(*´▽`*)
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ご訪問ありがとうございます(≧▽≦) 名古屋OLが歴史・節約・日頃・二次小説のことを書き綴っています。 コメント大歓迎★ ですが、宣伝や本文に何も関係ないもの もしくは激しく不愉快、コピペ等、そういった類は、私の判断により 誠に勝手ながら削除の方向です。楽しく語りたいです♪ 二次創作小説もありますが、このサイトは個人作成のものであり、原作者・出版社とは一切関係がありません。私なりの解釈を加えた二次小説もございますので自己責任でご覧になって下さい。

雪月花桜

Author:雪月花桜
タイトル通り名古屋OLがブログしてます。
歴史を元にした小説なんかも大好きでそれらについても語ったり、一次小説なんかも書いてますす。好きな漫画(コナンやCLAMP etc)&小説(彩雲国物語)の二次小説をupしておりますし、OLなりの節約・日々の徒然をHappyに語っています。

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