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不可触の女神へ <ファム・ファタール>

不可触の女神へ
生涯で一度、男性が会える人生を変える程の女性。運命の女性、ファム・ファタール。
彼女の幸せの為、命賭けて生きるか。彼女の望みの為、共に人生を修羅に置くか。
それはきっと、出会った貴女次第。
 
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あの時見た貴女の涙が運命を決めてしまったのでしょうか?
そうだとしても後悔はしない。間違っていることなど百も承知で、この手を血に染めた。
それでも私は…。

北の国から買われてきた亡国の神官の私。
南の国から売られてきた王女である側室の貴女。
私達は似ていた。王族として生まれながら、否、それ故に望まぬ過酷な運命を強いられた。
だから惹かれたのだろうか?
生涯でただ1つの恋。皇帝の寝所へ向かう時しか会えない。
見つめあうだけの、誰にも知られてはいけない恋。

「私を連れて逃げて!!」
「私は皇帝の子など産みたくない!!」
「私はお前の子なら産める!王家の身分も側室の地位も全部捨てる!!!」

差し伸べられた迷いのない手。苦労したことのない綺麗な白い手。
嬉しいはずの恋の成就。だが幸せには繋がらない。
私の子なら産めると言ってくれた貴女。けれど私はもう"男"ではない。
子供も差し上げることも、女性を愛することもできない!!
私は貴女に触れられない!!! 

「陛下の御子です。」金色の小さな皇子を抱いた妃が言う。
「私は故国を出るときに誓いを立てた。必ず、私の血でこの帝国を支配する、とな。
…私の唯一の望み。この子を皇帝に。」
「はい、必ずや!!」大きく頷く私。簡単にはいかぬだろう。
現皇帝には、皇家出身の正妃とその皇子、前皇妃の産んだ皇太子、他にも皇子はいる。
ただの新参の側室が生んだ皇子では、正攻法では帝位に就けない。
どれほどの罪を犯すことになるのか。だが躊躇はしない。
それは、貴女に触れられない私ができる唯一の事だから。
他の誰が何と言おうと、私にとって、ナキア様、貴女こそが、女神。
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<後書>
同じく寄贈小説です。運命の女性シリーズ 第1弾がカイル→ユーリ
この第2弾がウルヒ→ナキア
本編では二人の王族故の悲恋が物語終りを飾ってくれましたね~
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雪月花桜

Author:雪月花桜
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