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地上の女神へ<ファム・ファタール>

地上の女神へ
生涯で一度、男性が会える人生を変える程の女性。運命の女性、ファム・ファタール。
彼女を至上の女性とし、生涯捧げて生きるか。彼女を唯一人と決め、共に人生を歩むか。
それはきっと、出会った貴女次第。
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初めて会った時、貴女は敬愛する主人の側室として現れました。
その時は、まるで少年のようで、驚きました。
でも遠征のさなかと凱旋中の、健気で素直な性格に、惹かれていき彼女を妃にした殿下のお心が分かりました。
それでもまだ、その時は敬愛する主の大事な女性という、枠を越えてはいませんでした。
いつから、越えてしまったのか。
アルザワ戦の折り陛下の元に留まるか、故郷に帰られるかで悩んでたあの涙。

あの時、一人の女性として貴女を見ている自分に気付きました。
そしてハレブでお二人が初めて結ばれた夜。それを痛感しました。
誰にも言う気はありません。ただ思うことだけをお許し下さい。
そしてできれば心の片隅に私を置いて下さい。

「イシュタルの加護です!」
そう言って口付けして、黒曜石の欠片を渡して下さった貴女。
貴女にとっては黒曜石を渡すための行為に過ぎないと、分かっていたけれど。
死んでもいいと思った。それくらい至上の瞬間だった。
けれど死ぬわけには、いかない。あの方が「死ぬな」と言ったのだから。
ヒッタイト幾千の神々など要らない。貴女という女神さえ居てくれたなら。

「しっかりして!!」涙声がする。
皇太后の刃からお二人を守る為に飛び出した私。
刃は自分の身体に突き刺さった。致命傷だ。これは助からない。
貴女が無事ならそれでいい。
ただ一つの心残りは、至上の冠を戴く姿をこの目で見れぬこと。
それとは逆に、奇妙な安堵感があった。

これで、私という存在が忘却の彼方に消えることはない。
貴女は決して忘れないから、自分の目の前で亡くなった者のことを。
ユーリ様、私の至上の女神。どうか私という存在が居たことを心に留めておいて。

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<後書>
第3弾☆
こういう献身的愛情も萌えます^^
まさかここまで来て死人が出るとわって本編時思いました


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天河最高

素敵な文章。ブログ主さんの文章の才能には圧巻。どれもみんな面白くて読んでしまった。本物の作者顔負けかと思うくらいの素晴らしい文章でした。ルサファ生きていてほしかったですよね。かっこよすぎ。ネフェルトさんと幸せになってほしかったなあ。

最高のお言葉ありがとうございます。

るり子様

こんにちは。
天河の小説にコメント頂けて、狂喜乱舞しております。
どれもみんな面白い 本物の作者顔負け とか、こちらこそ素敵すぎる感想ありがとうございました。
ルサファとネフェルト 連載当時では二人が夫婦になるんじゃないかっていう表紙になってて…泣けましたこと思い出しました(´;ω;`)ウゥゥ

他の小説もございますので、お読み頂けたら幸いです。
それではまた

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雪月花桜

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