地上の女神へ<ファム・ファタール>
地上の女神へ
生涯で一度、男性が会える人生を変える程の女性。運命の女性、ファム・ファタール。
彼女を至上の女性とし、生涯捧げて生きるか。彼女を唯一人と決め、共に人生を歩むか。
それはきっと、出会った貴女次第。
*****************************************************************************************************
初めて会った時、貴女は敬愛する主人の側室として現れました。
その時は、まるで少年のようで、驚きました。
でも遠征のさなかと凱旋中の、健気で素直な性格に、惹かれていき彼女を妃にした殿下のお心が分かりました。
それでもまだ、その時は敬愛する主の大事な女性という、枠を越えてはいませんでした。
いつから、越えてしまったのか。
アルザワ戦の折り陛下の元に留まるか、故郷に帰られるかで悩んでたあの涙。
あの時、一人の女性として貴女を見ている自分に気付きました。
そしてハレブでお二人が初めて結ばれた夜。それを痛感しました。
誰にも言う気はありません。ただ思うことだけをお許し下さい。
そしてできれば心の片隅に私を置いて下さい。
「イシュタルの加護です!」
そう言って口付けして、黒曜石の欠片を渡して下さった貴女。
貴女にとっては黒曜石を渡すための行為に過ぎないと、分かっていたけれど。
死んでもいいと思った。それくらい至上の瞬間だった。
けれど死ぬわけには、いかない。あの方が「死ぬな」と言ったのだから。
ヒッタイト幾千の神々など要らない。貴女という女神さえ居てくれたなら。
「しっかりして!!」涙声がする。
皇太后の刃からお二人を守る為に飛び出した私。
刃は自分の身体に突き刺さった。致命傷だ。これは助からない。
貴女が無事ならそれでいい。
ただ一つの心残りは、至上の冠を戴く姿をこの目で見れぬこと。
それとは逆に、奇妙な安堵感があった。
これで、私という存在が忘却の彼方に消えることはない。
貴女は決して忘れないから、自分の目の前で亡くなった者のことを。
ユーリ様、私の至上の女神。どうか私という存在が居たことを心に留めておいて。
**************************************************************************************************
<後書>
第3弾☆
こういう献身的愛情も萌えます^^
まさかここまで来て死人が出るとわって本編時思いました
生涯で一度、男性が会える人生を変える程の女性。運命の女性、ファム・ファタール。
彼女を至上の女性とし、生涯捧げて生きるか。彼女を唯一人と決め、共に人生を歩むか。
それはきっと、出会った貴女次第。
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初めて会った時、貴女は敬愛する主人の側室として現れました。
その時は、まるで少年のようで、驚きました。
でも遠征のさなかと凱旋中の、健気で素直な性格に、惹かれていき彼女を妃にした殿下のお心が分かりました。
それでもまだ、その時は敬愛する主の大事な女性という、枠を越えてはいませんでした。
いつから、越えてしまったのか。
アルザワ戦の折り陛下の元に留まるか、故郷に帰られるかで悩んでたあの涙。
あの時、一人の女性として貴女を見ている自分に気付きました。
そしてハレブでお二人が初めて結ばれた夜。それを痛感しました。
誰にも言う気はありません。ただ思うことだけをお許し下さい。
そしてできれば心の片隅に私を置いて下さい。
「イシュタルの加護です!」
そう言って口付けして、黒曜石の欠片を渡して下さった貴女。
貴女にとっては黒曜石を渡すための行為に過ぎないと、分かっていたけれど。
死んでもいいと思った。それくらい至上の瞬間だった。
けれど死ぬわけには、いかない。あの方が「死ぬな」と言ったのだから。
ヒッタイト幾千の神々など要らない。貴女という女神さえ居てくれたなら。
「しっかりして!!」涙声がする。
皇太后の刃からお二人を守る為に飛び出した私。
刃は自分の身体に突き刺さった。致命傷だ。これは助からない。
貴女が無事ならそれでいい。
ただ一つの心残りは、至上の冠を戴く姿をこの目で見れぬこと。
それとは逆に、奇妙な安堵感があった。
これで、私という存在が忘却の彼方に消えることはない。
貴女は決して忘れないから、自分の目の前で亡くなった者のことを。
ユーリ様、私の至上の女神。どうか私という存在が居たことを心に留めておいて。
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<後書>
第3弾☆
こういう献身的愛情も萌えます^^
まさかここまで来て死人が出るとわって本編時思いました

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