【新訳:竹取り物語】~万里様ご提供~
万里様より頂きました コナンで古典「竹取物語」パロでございます♪
※※万里様からの注意書き※※
※この物語はフィクションです。登場するかぐや姫は架空であり、原作のかぐや姫とは関係ありません。
※原作のかぐや姫のイメージを著しく損なうおそれがありますので、閲覧にはくれぐれもご注意下さい。
※筆者はかぐや姫に特に私怨はございません。原作かぐや姫には本気で申し訳なく思ってますので、本当に勘弁してください(_ _(--;(_ _(--;ヒラアヤマリ
※原作のかぐや姫は悪くない…原作のかぐや姫は悪くないんです…!
***注意書き***
ヒロインには優しくありません。厳しめですので、ranちゃん派の方は此処で周り右願います。
尚、他人様の作品であるという事で無断転載や引用、誹謗中傷は御止め願います。
また同じ理由で予告なく、掲載を取り下げるやもしれない事予め通知致します。
**************
RANちゃん派の方は此処で周り右願います。
注意書き読みましたね??
それではどうぞ(^◇^)
昔々月の国に、かぐや姫という大変美しい黒髪の女の子がおりました。
艶やかで真っ直ぐな長い髪は女性の美しさの条件だったため、とても可愛がられて育てられました。
そのせいか、大きくなるにつれてわがままが酷くなっていきました。
幼い頃からかぐや姫の黒髪に心奪われた沢山の貴公子達はいましたが、姫のわがままについていけなくなり、姫が年頃になる頃には、求婚してくる男はほとんどいなくなってしまいました。
困り果てた両親は、かぐや姫をまだ見ぬ下界に降ろし、結婚相手を探させることにしました。
「このままではお前は結婚できない。
下界に降りて、自分を愛してくれる人を見つけなさい。
十五夜の満月までにそれができなければ、お前は私達の決めた相手と文句を言わず結婚するのだよ。」
こうして、下界に降臨したかぐや姫。
両親の知人である翁の屋敷で暮らすことに。
地上においても、長い黒髪は女性の美しさの条件だったので、瞬く間に姫の噂は広がり、屋敷には毎日沢山の求婚者達が訪れました。
「穢れた地上の男となど、よほど優れた者でない限り、結婚したくない。私に相応しい男かどうか、試してみよう。」
そう考えたかぐや姫は、並み居る求婚者達の中から、身分が高く美しい容貌の者を五人選んでこう言いました。
「私の言う宝物を1つでも持ってこれた方と結婚いたします。」
その宝物とは、
「仏の御石の鉢」
「蓬莱の玉の枝(根が銀、茎が金、実が真珠の木の枝)」
「火鼠の裘(かわごろも、焼いても燃えない布)」
「龍の首の珠」
「燕の産んだ子安貝」
どれも話にしか聞かない珍しい宝ばかりです。
貴公子達は我こそはと挑戦しますが、案の定、失敗するか、偽物を持ってくるかばかり。中には命を落とした者も。
「なんと情けない男ばかり。もっと真剣に私を愛する素晴らしい男はいないものか。」
かぐや姫はがっかりしました。
結局、かぐや姫が出した無理難題をこなせた者は一人も居ませんでした。
そんなある日、かぐや姫の噂は帝の耳にも入ります。
「そんなに多くの人を袖にしてきた姫を是非見てみたい」
好奇心旺盛な帝はそう思い、かぐや姫に会いに行きました。
かぐや姫を見た帝は、艶かで真っ直ぐな長い髪に驚嘆し、姫に心を奪われました。
「こんな美しい黒髪の女性には会ったことがない。是非私の妃になってほしい」
帝はかぐや姫に求婚しました。
一方で、かぐや姫も帝を一目見て、雷が走ったような衝撃を受けました。
帝はまるで光に満ちて清らかで、月の国でもこんなに美しく輝く人はおりませんでした。
かぐや姫は一目で帝に心奪われてしまったのです。
しかし、甘やかされて育ったかぐや姫は、大変我が儘でした。
「もっと帝に愛してほしい。私を手に入れるには、もっと苦労をしていただかなくては。」
そう考え、かぐや姫はつれなく帝の求婚を拒みました。
帝はがっかりしましたが、大変愛情深い方でしたので、この後も何度もかぐや姫を訪ね、高価な贈り物をしました。
かぐや姫の望み通りの展開です。
かぐや姫は一先ず満足し、帝に結婚の条件を出しました。
「私を愛する証明として、望みの宝物を持ってきて下さい。」
望んだ宝は貴公子達に出したのと同じ、「仏の御石の鉢」「蓬莱の玉の枝」「火鼠の裘」「龍の首の珠」「燕の産んだ子安貝」です。
帝は、国一番の物知りと言われる、斎宮の助けを借りることにしました。
斎宮は大変美しく教養高い女性でしたが、亜麻色の巻髪であったため結婚相手が見つからず、若くして俗世を捨てた方でした。
帝は斎宮の案内で天竺へ渡り、「仏の御石の鉢」を見つけ出し、かぐや姫に差し出しました。
「では、次は蓬莱の玉の枝を持ってきてください。」
斎宮に蓬莱山へ案内してもらい、帝は危険を冒して蓬莱の玉の枝を手に入れ、かぐや姫に差し出しました。
「では、次は火鼠の裘を持ってきてください。」
斎宮は動物にも詳しかったので、火鼠の棲みかを教えてもらい、帝は燃え盛る火山の麓で火鼠の遺体を見つけ、かわごろもにしてかぐや姫に差し出しました。
「では、次は龍の首の珠を持ってきてください。」
斎宮の案内で海に出て、荒波を乗り越えてやっとの思いで龍の首の珠を手に入れ、かぐや姫に差し出しました。
「では、次は燕の産んだ子安貝を持ってきてください。」
帝は斎宮の手伝いで国中の燕の巣を一つ一つ確認し、百件目の巣でようやく燕の産んだ子安貝を見つけ、かぐや姫に差し出しました。
御簾の向こうにいるかぐや姫には、帝が旅で負った怪我は見えません。なので、かぐや姫は無邪気に喜びました。あの美しい帝が、自分のために国中を駆けずり回り、素晴らしい贈り物を全て手に入れてくれたのです。
しかし。
かぐや姫は一先ず満足すると、また欲が出てきました。
「私が求婚に応じたら、帝は安心して私を軽く扱うかもしれない。
もっともっと、帝が私への求婚に必死になっている現在を続けたい。」
「それでは、文の交換をいたしましょう。」
宝物五つ全部を持ってきたというのに、結婚に承諾してくれないかぐや姫に、帝はがっかりしました。
姫との結婚のために手伝ってくれた斎宮にも、合わせる顔がないと思いました。
斎宮は帝の旅に随行し、なにくれとなく手伝ってくれていたので、帝と斎宮はまるで長年連れ添った夫婦のように仲良くなっていたのです。
「貴女が身を粉にして私を助けてくれたのに、何と不甲斐ないことか。」
しかし斎宮は、
「かぐや姫が殿方との文通を承諾したのは初めてなので、少しは希望があるというものです。」
と帝を励ましました。
さて、かぐや姫への贈り物を探して帝が旅をしていた間に、国の仕事はすっかり遅れてしまいました。
「だから仕事を疎かにはなさいませんよう、再三申し上げたでしょう。しばらくは帝として、この国を治めることに励んでください。」
斎宮の厳しい言葉に、帝は反論の余地がありません。
本来は賢君である帝は、斎宮の言う通り、仕事に専念することにしました。
なので、毎日かぐや姫に会いに来ることは出来ません。代わりに、毎日欠かさず文を送ります。
しかし、かぐや姫はそれでは満足しません。
「私を愛していると散々文には書かれますが、会いにいらっしゃらないということは、それほど深い気持ちではないのでしょう。」
つれない返事に、帝はがっかりしながらも、寝る間も惜しんで国のために働いて、かぐや姫に会いに行く時間を作ります。
すっかり窶れた帝を見かねた斎宮は、
「私が仕事をお手伝いいたします。帝はかぐや姫の元へいらしてください。」
そう言う斎宮の目の下にもうっすら隈がありました。
そうしてかぐや姫に会いに来た帝ですが、姫の態度は相変わらずつれないもので、がっかりしながら帰っていきました。
「あまりつれない返事だと、帝の御気持ちが変わられてしまうよ。」
翁は心配してかぐや姫を嗜めますが、
「帝のお心が変わられることなど、有りえません。
それよりも、私があまりに帝に会えて嬉しがる様子を見せたほうが、帝は安心してしまい、私を軽く扱うようになるでしょう。」
と言ってきかず、帝に会えて嬉しいのに、つれない風を装ってばかりです。
「もっと帝に愛されたい。愛の証として、またお願い事を聞いてもらおう。」
「私の美しさを永遠に保つために、不老不死の薬がほしいのです。それさえ叶えて下されば、今度こそ貴方と結婚いたしましょう。」
かぐや姫の無理難題に、帝は困り果て、斎宮に相談しました。
斎宮は薬やまじないにも詳しい方でした。
「分かりました。不老不死のまじないをかけた薬を私が作りましょう。時はかかるやも知れませんが、どうかお待ち下さい。」
引き受けた斎宮の目の下には濃い隈があり、少し痩せた風体でした。
斎宮はまじないの書を読み漁り、寝る間も惜しんで薬を作ります。
ところが、かぐや姫が空を見ると、もう三日もすれば満月。
十五夜の満月の夜に月からの迎えがくることを忘れていたのです。
かぐや姫は慌てて、
「月から迎えがくる三日後までに、不老不死の薬を届けてください。さもなくば、私はこのまま月に帰ります。」
と帝に伝えました。
帝は困り果てました。今以上のお願いを斎宮にすることは心苦しかったのです。
「分かりました。三日三晩で間に合わせます。」
と答えた斎宮は、顔は青白く、手は荒れ、身体は痩せ干そっています。
「もう、よい。」
帝は斎宮の姿を見て、夢から覚めた心地でした。
「斎宮よ、今まで私のわがままに付き合ってくれてありがとう。
もう、私はかぐや姫を諦め、故郷に帰そうと思う。
薬を作るのはやめて良い。
今まですまなかった。」
斎宮は驚き、
「よろしいのですか?貴方ほどの素晴らしい方ならば、例え薬が間に合わなかったとしても、かぐや姫は応えてくださるやも知れません。私が不甲斐ないばかりにお諦めになるのは、余りに申し訳がございません。」
と帝に考え直させようとします。
しかし、帝は憑き物が落ちたような清々しい様子で言いました。
「本当は分かっていたのだ。かぐや姫には私と結婚する意思がないことを。
でなければ、何故あんな無理難題ばかり突きつけようか。
私の物分かりが悪いばかりに、かぐや姫にも申し訳ないことをした。もう、解放してやりたいのだ。」
帝はとてもお優しい方だったので、かぐや姫の望み通り、潔く身を引くことにしました。
帝は翁を呼び寄せ、これまで迷惑をかけたと詫びました。
帝は翁をがっかりさせてしまうだろうと思っていましたが、
「これも天命にございましょう。」
と翁は清々しい様子でしたので、帝の御心も軽くなりました。
さて、月へ帰ると文を送ったものの、帝から音沙汰がなく、かぐや姫は不思議に思いましたが、
「あんなに私を愛してくださった帝の御心が変わることなど有り得ない。」
と、大して気にも止めませんでした。
しかし、いざ十五夜の日を迎えると、流石のかぐや姫も不安になります。
「月の迎えが来る日だと言うのに、帝から何の沙汰もない。
不老不死の薬が間に合わなかったとしても、私を引き留めるために警護の兵を送るなどするはず。
そうすれば、私は仕方無い風で帝の求婚を受け入れるのに。」
やきもきするかぐや姫ですが、刻一刻と日は沈んで行きます。
「どうして?どうして止めてくれないの?」
その時翁が、帝からの文をかぐや姫に差し出しました。
「ああ、やっと来た。なんと遅いことか。」
文に飛び付くかぐや姫に翁は言いました。
「本当は三日前にお預かりしたものだが、帝の御気持ちが決まられた以上、お前がご迷惑をおかけしてはいけないと思い、今まで渡さなかったのだよ。許しておくれ。」
かぐや姫は何の事かと不思議に思いますが、それよりもと喜色満面で文を拡げます。
しかし、その内容は姫の予想だにしないものでした。
「かぐや姫へ。
今まで貴女が憂鬱に思っているのに気が付かずに、度々求婚をして困らせて、大変申し訳なく思う。
私は貴女を潔く諦め、月の国に帰られるのを邪魔することはしないので安心してほしい。
優しい貴女は気に病みそうだが、お陰で私には他に伴侶とすべき人がいることに気が付かされたので、愚かな男のことなど忘れ、心置き無く故郷へと帰られるよう。
得難い方と引き合わせて下さったことを、心より感謝している。
御多幸を御祈り致します。」
かぐや姫は何度も文を読み返しますが、当然の事ながらそれで内容が変わることはありません。
「どうして?どうして?」
ひたすら同じ言葉を繰り返すうちに、ついに月からの迎えが来ました。
かぐや姫は心乱れて何も手につかず、帰り支度も整わないままに、迎えの車に乗せられました。
帝から頂いた数々の宝物も、おいてけぼりです。
そうしてかぐや姫は、月へと帰っていきました。
同じ頃に、帝は斎宮と共に空に浮かぶ月を見上げていました。
斎宮はかぐや姫を失った帝を気の毒に思い、かける言葉を探しあぐねていました。
しかし、帝は思いの外晴れやかな顔で、斎宮に語りかけます。
「外見の美しいものに目を奪われ、愚かにも本当に美しいものに今まで気がつかなかった私だが、どうか貴女に求婚することを許してほしい。」
思いもよらない申し出に、斎宮は仰天します。
「何を仰いますか。
この通り、私の髪は亜麻色の巻き髪で、高貴な姫とはかけ離れた草臥れた容姿です。
このような美しくもない私が、どうして輝かしい貴方の隣に立てましょうか。」
「どうして貴方を美しくないなどと思おうか。
長い黒髪など無くとも、貴女ほど美しく輝く女性を私は知らない。
愛する貴女のものであれば、その髪もこの上なく美しく見えるのです。
痩せた体も、荒れた手も、青白い顔も、今まで貴方がどれだけ、私に尽くしてくれたかの証であり、愛しく思いこそすれ、美しくないなどと決して思いはしない。
これまで散々苦労を掛けた分、私は一生かけて貴女に報いたい。
どうか結婚して下さい。」
心密かに帝をお慕いしていた斎宮は、涙を流して喜び、求婚を受け入れました。
作りかけの不老不死の薬を飲むと、帝の傷痕は跡形もなくなり、窶れた斎宮はすっかり元気になりました。
宮中の者は一人残らず、この世のものとは思えぬ美しい夫婦だ、と喜び祝福しました。
「今思えば、かぐや姫の与えた試練は、全てはこうして私たちを結びつけるためだったのかもしれない。」
二人は今の幸せをかぐや姫に感謝しました。
こうして、国の帝と亜麻色の巻き毛の斎宮という、常ならば出逢うこともなく一生を終えたであろう二人は、奇跡的に結ばれ、かぐや姫は、帝と斎宮の縁を結んだ天女として、語り継がれて行くのでした。
また、かぐや姫が置いていった宝物は、翁が帝の元へ返還しました。お陰で帝の治世は益々栄えたという話です。
めでたしめでたし。
え?
月に帰ったかぐや姫はどうなったかって?
地上にまで降りたのに婿を見つけられなかった娘に困り果てた両親は、唯一求婚してきたふたまわりも年上の男と強引に結婚させたそうです。
おしまい。
[配役]
かぐや姫:蘭ちゃん
平安時代なので、黒髪ストレートの蘭ちゃんは引く手あまたのモテまくり☆
ただしちやほやされて育ったため、超ワガママ。
外見にホレたイケメン達も、「黒髪は完璧なんだけど、性格がなあ…」とさざ波のごとく去っていった。
でもちやほやされまくってきた蘭かぐや姫は妥協しない。
「私はこんなに美しいんだから、いつか素敵な王子様が迎えに来るの(*´∀`*)ポッ」
とかやってたら、気づけば適齢期の男性からの求婚者が居なくなっており、「若くて綺麗な娘なら何でもいーよ」というエロオヤジくらいしか残らなかった(爆)。
流石にそれは…、と両親は娘を下界に婚活に行かせる。
が、当の本人は懲りもせずに並み居る求婚者達に無理難題を突き付けては破滅に追いやっていく。
下界の人間を「穢れている」と蔑視して婚活に乗り気でなかったが、かぐや姫よりも遥かに美しい新一帝に一目惚れ。
内心は結婚する気満々だが、優越感を堪能したいがために新一帝の求婚を拒み続け、客観的に見ると遠回しなお断り状態。
帝は優しいのでお望み通り身を引きました。
警備の兵?いや、かぐや姫が帰るの邪魔しちゃ悪いじゃないですかー。優しい帝で良かったね☆
帝:新一
惚れた女のために国中駆けずり回り、あまつさえ船に乗り天竺(インド)まで行き龍に立ち向かう、フットワークの軽すぎる帝。
こんな危機管理出来てない帝がいるか┌(`Д´)ノ)゚∀゚)セルフツッコミ
しまったせめて東宮(皇太子)にしとけば良かったかも(-_-;) でも原作が「帝」なのでこれで強行。
蘭かぐや姫の黒髪に一目惚れして海外までパシらされるという、幼稚園の時に見た笑顔に一目惚れして以降ATM扱いされようと尽くし続ける原作と同じくらいのちょろさ、もとい一途さ。箱入り純粋培養なので仕方無い。(贔屓目)
貢ぎ物探しの旅でボロボロになり、帰ってきてからは溜まりにたまった政務を不眠不休でこなし、かなり草臥れ気味。それでもかぐや姫からは不満の御言葉はあれど労いの言葉なんか無いよ!
でもどこかの誰かさんとは違い、自分を客観視出来るので、「あれこれ遠回しにフラれてる?」とかぐや姫の真意に気づき(違)、「本当に大切なものは、すぐ傍にあるんだ」と斎宮の献身と愛に気がつく。
かぐや姫の無理難題でもない限り、斎宮とは対面する機会もなかったため、自分達が出会うきっかけを作ってくれたかぐや姫に心から感謝している。
「もしやかぐや姫は私と斎宮の縁を結ぶためにあんな無理難題の数々を…?」とすら勘違いしており、別れの手紙も善意100%で、ある意味かぐや姫を美化したままに別れた。
斎宮:志保さん
原作にはない万里の完全オリジナルキャラ。童話における魔法使いポジション。
深窓の斎宮が物知りなわけないとか、斎宮って伊勢に居なきゃいけないんじゃないのかとか、斎宮と魔法使いを勘違いしてるだろとか、そもそも斎宮がおいそれと外出とかありえない等の突っ込みはこの場でセルフでいたしましたので、ご容赦くださいm(_ _)m(_ _(--;(_ _(--;
(言い訳→平安時代にこんなアクティブな姫様がいるわけないのは分かってるんです。でもとりかえばや物語だって男装の姫君が出てくるし、女だって外を自由に歩きたいという願望は当時もあったと思うんです。創作だから何でもアリなんです。(ヤケ))
現代では皆が羨むゆるふわ亜麻色の綺麗な髪だが、平安時代の美意識にはそぐわず、「黒髪でない」という噂だけで求婚者が居なかった。
早々に斎宮となることを希望し、生涯独身を貫くつもりだった。
共に行動するうちに新一帝を好きになるが、新一帝は蘭かぐや姫が好きだし、そうでなくても黒髪を持たない自分には叶わぬ恋と諦めていた。
かぐや姫への貢ぎ物探しの旅では、恋心を隠してひたすら尽くす斎宮と、そんな斎宮を新一帝が庇って傷ついたり、というドラマが多々あり、どんどん親密な関係に。
都に帰ってからは溜まりにたまった政務を手伝い、不老不死の薬の研究をして、とブラック企業さながらの激務をこなしたため、新一帝以上に窶れた。
でも自分のために我が身をかえりみず献身する姿なんていじらしいに決まってるじゃないですかー新一帝もイチコロ☆(/ω\)キャー
危険を冒して持ってきた貢ぎ物は巻き上げるくせに求愛はガン無視の蘭かぐや姫よりも、冒険の傍らで自分を手伝ってくれる志保斎宮のが可愛いに決まっる。
斎宮なので多分皇族で新一帝とは遠い親戚とかでしょう多分(アバウト)
翁:阿笠博士
ほぼ出番なし。竹から生まれた件は面倒…作者都合で全カット(笑)。月の両親から養育費を送られかぐや姫の世話を任される。
当初はかぐや姫が帝に見初められて喜んでいたが、かぐや姫の余りのワガママっぷりに「こんなのを入内させたら帝に申し訳がたたんのでは…」と考えるように。帝が心変わりしてくれて心底ほっとした。
因みに、宮中の人々も、優秀だった帝がかぐや姫に振り回されてるのを見て、「こんな妲己ホウジの再来みたいな女を妃にしたら国が傾くわ」とハラハラしていたので、新一帝が才媛の志保斎宮を選んだときには心底ホッとし、亜麻色の巻き髪とかどうでもよくなるくらいに歓迎した。
※万里様の後書※
☆原作かぐや姫の名誉の為に☆
原作かぐや姫は月に帰るから結婚できないというやむを得ない事情があり、求婚されても困るだけでした。求婚者がストーカー並みにしつこくて断れないから、無理難題押し付けて諦めさせました。
行き遅れの身であろうとも高望みして求婚を断り続けた蘭かぐや姫とは違いますので、御注意下さい。
このお話はフィクションです。原作のかぐや姫とは一切関係ありません。(留意事項)
**雪月花桜の御礼と感想*
万里様 またしても楽しい小説ありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ
長文な古典「たけとり物語」パロじっくり読ませて頂きました。
いえいえ全然見苦しなんかないですよ~(・∀・)ウン!!
和歌…。お気持ち分かります。私も詠めるなら入れたい(´∀`*)ウフフ
蘭かぐや姫の無自覚我儘ぶりが原作通りで「流石、万里様…!」と唸ってしまいました。
お見事です。
もっともっとと求めすぎるとこうなるよという教育的な物語(イソップ物語みたいな)を古典にしたような感じ。
原作かぐや姫は月に帰るから結婚できないというやむを得ない事情があり、求婚されても困るだけで、
求婚者がストーカー並みにしつこくて断れないから、無理難題押し付けて諦めさせたのに比べ
高望みして、相手の愛情を試してx2 求婚を断り続けた蘭かぐや姫とは全然違いますよね~
対して光るのが、志保斎宮!
才女で優しいです。
恋に狂った新一帝にもちゃんと対応してくれて、最後の最後にそれ故にお妃に迎えられるという…!素敵!
亜麻色の巻き髪は原作で言う組織に居たことへの負い目、に近いものを感じました。
ただ原作と違い、巻き髪は産まれついてのものですし、斎宮になれるって事は天皇家の血筋(皇女や女王)なわけで、そりゃ宮中では大歓迎ですよね!
新一帝と志保斎宮が結ばれる為の障害 蘭かぐや姫でした( ・´ー・`)
非常に(゚д゚)(。_。)ウン(゚д゚)(。_。)ウンしまくりで楽しませて頂きました。
※※万里様からの注意書き※※
※この物語はフィクションです。登場するかぐや姫は架空であり、原作のかぐや姫とは関係ありません。
※原作のかぐや姫のイメージを著しく損なうおそれがありますので、閲覧にはくれぐれもご注意下さい。
※筆者はかぐや姫に特に私怨はございません。原作かぐや姫には本気で申し訳なく思ってますので、本当に勘弁してください(_ _(--;(_ _(--;ヒラアヤマリ
※原作のかぐや姫は悪くない…原作のかぐや姫は悪くないんです…!
***注意書き***
ヒロインには優しくありません。厳しめですので、ranちゃん派の方は此処で周り右願います。
尚、他人様の作品であるという事で無断転載や引用、誹謗中傷は御止め願います。
また同じ理由で予告なく、掲載を取り下げるやもしれない事予め通知致します。
**************
RANちゃん派の方は此処で周り右願います。
注意書き読みましたね??
それではどうぞ(^◇^)
昔々月の国に、かぐや姫という大変美しい黒髪の女の子がおりました。
艶やかで真っ直ぐな長い髪は女性の美しさの条件だったため、とても可愛がられて育てられました。
そのせいか、大きくなるにつれてわがままが酷くなっていきました。
幼い頃からかぐや姫の黒髪に心奪われた沢山の貴公子達はいましたが、姫のわがままについていけなくなり、姫が年頃になる頃には、求婚してくる男はほとんどいなくなってしまいました。
困り果てた両親は、かぐや姫をまだ見ぬ下界に降ろし、結婚相手を探させることにしました。
「このままではお前は結婚できない。
下界に降りて、自分を愛してくれる人を見つけなさい。
十五夜の満月までにそれができなければ、お前は私達の決めた相手と文句を言わず結婚するのだよ。」
こうして、下界に降臨したかぐや姫。
両親の知人である翁の屋敷で暮らすことに。
地上においても、長い黒髪は女性の美しさの条件だったので、瞬く間に姫の噂は広がり、屋敷には毎日沢山の求婚者達が訪れました。
「穢れた地上の男となど、よほど優れた者でない限り、結婚したくない。私に相応しい男かどうか、試してみよう。」
そう考えたかぐや姫は、並み居る求婚者達の中から、身分が高く美しい容貌の者を五人選んでこう言いました。
「私の言う宝物を1つでも持ってこれた方と結婚いたします。」
その宝物とは、
「仏の御石の鉢」
「蓬莱の玉の枝(根が銀、茎が金、実が真珠の木の枝)」
「火鼠の裘(かわごろも、焼いても燃えない布)」
「龍の首の珠」
「燕の産んだ子安貝」
どれも話にしか聞かない珍しい宝ばかりです。
貴公子達は我こそはと挑戦しますが、案の定、失敗するか、偽物を持ってくるかばかり。中には命を落とした者も。
「なんと情けない男ばかり。もっと真剣に私を愛する素晴らしい男はいないものか。」
かぐや姫はがっかりしました。
結局、かぐや姫が出した無理難題をこなせた者は一人も居ませんでした。
そんなある日、かぐや姫の噂は帝の耳にも入ります。
「そんなに多くの人を袖にしてきた姫を是非見てみたい」
好奇心旺盛な帝はそう思い、かぐや姫に会いに行きました。
かぐや姫を見た帝は、艶かで真っ直ぐな長い髪に驚嘆し、姫に心を奪われました。
「こんな美しい黒髪の女性には会ったことがない。是非私の妃になってほしい」
帝はかぐや姫に求婚しました。
一方で、かぐや姫も帝を一目見て、雷が走ったような衝撃を受けました。
帝はまるで光に満ちて清らかで、月の国でもこんなに美しく輝く人はおりませんでした。
かぐや姫は一目で帝に心奪われてしまったのです。
しかし、甘やかされて育ったかぐや姫は、大変我が儘でした。
「もっと帝に愛してほしい。私を手に入れるには、もっと苦労をしていただかなくては。」
そう考え、かぐや姫はつれなく帝の求婚を拒みました。
帝はがっかりしましたが、大変愛情深い方でしたので、この後も何度もかぐや姫を訪ね、高価な贈り物をしました。
かぐや姫の望み通りの展開です。
かぐや姫は一先ず満足し、帝に結婚の条件を出しました。
「私を愛する証明として、望みの宝物を持ってきて下さい。」
望んだ宝は貴公子達に出したのと同じ、「仏の御石の鉢」「蓬莱の玉の枝」「火鼠の裘」「龍の首の珠」「燕の産んだ子安貝」です。
帝は、国一番の物知りと言われる、斎宮の助けを借りることにしました。
斎宮は大変美しく教養高い女性でしたが、亜麻色の巻髪であったため結婚相手が見つからず、若くして俗世を捨てた方でした。
帝は斎宮の案内で天竺へ渡り、「仏の御石の鉢」を見つけ出し、かぐや姫に差し出しました。
「では、次は蓬莱の玉の枝を持ってきてください。」
斎宮に蓬莱山へ案内してもらい、帝は危険を冒して蓬莱の玉の枝を手に入れ、かぐや姫に差し出しました。
「では、次は火鼠の裘を持ってきてください。」
斎宮は動物にも詳しかったので、火鼠の棲みかを教えてもらい、帝は燃え盛る火山の麓で火鼠の遺体を見つけ、かわごろもにしてかぐや姫に差し出しました。
「では、次は龍の首の珠を持ってきてください。」
斎宮の案内で海に出て、荒波を乗り越えてやっとの思いで龍の首の珠を手に入れ、かぐや姫に差し出しました。
「では、次は燕の産んだ子安貝を持ってきてください。」
帝は斎宮の手伝いで国中の燕の巣を一つ一つ確認し、百件目の巣でようやく燕の産んだ子安貝を見つけ、かぐや姫に差し出しました。
御簾の向こうにいるかぐや姫には、帝が旅で負った怪我は見えません。なので、かぐや姫は無邪気に喜びました。あの美しい帝が、自分のために国中を駆けずり回り、素晴らしい贈り物を全て手に入れてくれたのです。
しかし。
かぐや姫は一先ず満足すると、また欲が出てきました。
「私が求婚に応じたら、帝は安心して私を軽く扱うかもしれない。
もっともっと、帝が私への求婚に必死になっている現在を続けたい。」
「それでは、文の交換をいたしましょう。」
宝物五つ全部を持ってきたというのに、結婚に承諾してくれないかぐや姫に、帝はがっかりしました。
姫との結婚のために手伝ってくれた斎宮にも、合わせる顔がないと思いました。
斎宮は帝の旅に随行し、なにくれとなく手伝ってくれていたので、帝と斎宮はまるで長年連れ添った夫婦のように仲良くなっていたのです。
「貴女が身を粉にして私を助けてくれたのに、何と不甲斐ないことか。」
しかし斎宮は、
「かぐや姫が殿方との文通を承諾したのは初めてなので、少しは希望があるというものです。」
と帝を励ましました。
さて、かぐや姫への贈り物を探して帝が旅をしていた間に、国の仕事はすっかり遅れてしまいました。
「だから仕事を疎かにはなさいませんよう、再三申し上げたでしょう。しばらくは帝として、この国を治めることに励んでください。」
斎宮の厳しい言葉に、帝は反論の余地がありません。
本来は賢君である帝は、斎宮の言う通り、仕事に専念することにしました。
なので、毎日かぐや姫に会いに来ることは出来ません。代わりに、毎日欠かさず文を送ります。
しかし、かぐや姫はそれでは満足しません。
「私を愛していると散々文には書かれますが、会いにいらっしゃらないということは、それほど深い気持ちではないのでしょう。」
つれない返事に、帝はがっかりしながらも、寝る間も惜しんで国のために働いて、かぐや姫に会いに行く時間を作ります。
すっかり窶れた帝を見かねた斎宮は、
「私が仕事をお手伝いいたします。帝はかぐや姫の元へいらしてください。」
そう言う斎宮の目の下にもうっすら隈がありました。
そうしてかぐや姫に会いに来た帝ですが、姫の態度は相変わらずつれないもので、がっかりしながら帰っていきました。
「あまりつれない返事だと、帝の御気持ちが変わられてしまうよ。」
翁は心配してかぐや姫を嗜めますが、
「帝のお心が変わられることなど、有りえません。
それよりも、私があまりに帝に会えて嬉しがる様子を見せたほうが、帝は安心してしまい、私を軽く扱うようになるでしょう。」
と言ってきかず、帝に会えて嬉しいのに、つれない風を装ってばかりです。
「もっと帝に愛されたい。愛の証として、またお願い事を聞いてもらおう。」
「私の美しさを永遠に保つために、不老不死の薬がほしいのです。それさえ叶えて下されば、今度こそ貴方と結婚いたしましょう。」
かぐや姫の無理難題に、帝は困り果て、斎宮に相談しました。
斎宮は薬やまじないにも詳しい方でした。
「分かりました。不老不死のまじないをかけた薬を私が作りましょう。時はかかるやも知れませんが、どうかお待ち下さい。」
引き受けた斎宮の目の下には濃い隈があり、少し痩せた風体でした。
斎宮はまじないの書を読み漁り、寝る間も惜しんで薬を作ります。
ところが、かぐや姫が空を見ると、もう三日もすれば満月。
十五夜の満月の夜に月からの迎えがくることを忘れていたのです。
かぐや姫は慌てて、
「月から迎えがくる三日後までに、不老不死の薬を届けてください。さもなくば、私はこのまま月に帰ります。」
と帝に伝えました。
帝は困り果てました。今以上のお願いを斎宮にすることは心苦しかったのです。
「分かりました。三日三晩で間に合わせます。」
と答えた斎宮は、顔は青白く、手は荒れ、身体は痩せ干そっています。
「もう、よい。」
帝は斎宮の姿を見て、夢から覚めた心地でした。
「斎宮よ、今まで私のわがままに付き合ってくれてありがとう。
もう、私はかぐや姫を諦め、故郷に帰そうと思う。
薬を作るのはやめて良い。
今まですまなかった。」
斎宮は驚き、
「よろしいのですか?貴方ほどの素晴らしい方ならば、例え薬が間に合わなかったとしても、かぐや姫は応えてくださるやも知れません。私が不甲斐ないばかりにお諦めになるのは、余りに申し訳がございません。」
と帝に考え直させようとします。
しかし、帝は憑き物が落ちたような清々しい様子で言いました。
「本当は分かっていたのだ。かぐや姫には私と結婚する意思がないことを。
でなければ、何故あんな無理難題ばかり突きつけようか。
私の物分かりが悪いばかりに、かぐや姫にも申し訳ないことをした。もう、解放してやりたいのだ。」
帝はとてもお優しい方だったので、かぐや姫の望み通り、潔く身を引くことにしました。
帝は翁を呼び寄せ、これまで迷惑をかけたと詫びました。
帝は翁をがっかりさせてしまうだろうと思っていましたが、
「これも天命にございましょう。」
と翁は清々しい様子でしたので、帝の御心も軽くなりました。
さて、月へ帰ると文を送ったものの、帝から音沙汰がなく、かぐや姫は不思議に思いましたが、
「あんなに私を愛してくださった帝の御心が変わることなど有り得ない。」
と、大して気にも止めませんでした。
しかし、いざ十五夜の日を迎えると、流石のかぐや姫も不安になります。
「月の迎えが来る日だと言うのに、帝から何の沙汰もない。
不老不死の薬が間に合わなかったとしても、私を引き留めるために警護の兵を送るなどするはず。
そうすれば、私は仕方無い風で帝の求婚を受け入れるのに。」
やきもきするかぐや姫ですが、刻一刻と日は沈んで行きます。
「どうして?どうして止めてくれないの?」
その時翁が、帝からの文をかぐや姫に差し出しました。
「ああ、やっと来た。なんと遅いことか。」
文に飛び付くかぐや姫に翁は言いました。
「本当は三日前にお預かりしたものだが、帝の御気持ちが決まられた以上、お前がご迷惑をおかけしてはいけないと思い、今まで渡さなかったのだよ。許しておくれ。」
かぐや姫は何の事かと不思議に思いますが、それよりもと喜色満面で文を拡げます。
しかし、その内容は姫の予想だにしないものでした。
「かぐや姫へ。
今まで貴女が憂鬱に思っているのに気が付かずに、度々求婚をして困らせて、大変申し訳なく思う。
私は貴女を潔く諦め、月の国に帰られるのを邪魔することはしないので安心してほしい。
優しい貴女は気に病みそうだが、お陰で私には他に伴侶とすべき人がいることに気が付かされたので、愚かな男のことなど忘れ、心置き無く故郷へと帰られるよう。
得難い方と引き合わせて下さったことを、心より感謝している。
御多幸を御祈り致します。」
かぐや姫は何度も文を読み返しますが、当然の事ながらそれで内容が変わることはありません。
「どうして?どうして?」
ひたすら同じ言葉を繰り返すうちに、ついに月からの迎えが来ました。
かぐや姫は心乱れて何も手につかず、帰り支度も整わないままに、迎えの車に乗せられました。
帝から頂いた数々の宝物も、おいてけぼりです。
そうしてかぐや姫は、月へと帰っていきました。
同じ頃に、帝は斎宮と共に空に浮かぶ月を見上げていました。
斎宮はかぐや姫を失った帝を気の毒に思い、かける言葉を探しあぐねていました。
しかし、帝は思いの外晴れやかな顔で、斎宮に語りかけます。
「外見の美しいものに目を奪われ、愚かにも本当に美しいものに今まで気がつかなかった私だが、どうか貴女に求婚することを許してほしい。」
思いもよらない申し出に、斎宮は仰天します。
「何を仰いますか。
この通り、私の髪は亜麻色の巻き髪で、高貴な姫とはかけ離れた草臥れた容姿です。
このような美しくもない私が、どうして輝かしい貴方の隣に立てましょうか。」
「どうして貴方を美しくないなどと思おうか。
長い黒髪など無くとも、貴女ほど美しく輝く女性を私は知らない。
愛する貴女のものであれば、その髪もこの上なく美しく見えるのです。
痩せた体も、荒れた手も、青白い顔も、今まで貴方がどれだけ、私に尽くしてくれたかの証であり、愛しく思いこそすれ、美しくないなどと決して思いはしない。
これまで散々苦労を掛けた分、私は一生かけて貴女に報いたい。
どうか結婚して下さい。」
心密かに帝をお慕いしていた斎宮は、涙を流して喜び、求婚を受け入れました。
作りかけの不老不死の薬を飲むと、帝の傷痕は跡形もなくなり、窶れた斎宮はすっかり元気になりました。
宮中の者は一人残らず、この世のものとは思えぬ美しい夫婦だ、と喜び祝福しました。
「今思えば、かぐや姫の与えた試練は、全てはこうして私たちを結びつけるためだったのかもしれない。」
二人は今の幸せをかぐや姫に感謝しました。
こうして、国の帝と亜麻色の巻き毛の斎宮という、常ならば出逢うこともなく一生を終えたであろう二人は、奇跡的に結ばれ、かぐや姫は、帝と斎宮の縁を結んだ天女として、語り継がれて行くのでした。
また、かぐや姫が置いていった宝物は、翁が帝の元へ返還しました。お陰で帝の治世は益々栄えたという話です。
めでたしめでたし。
え?
月に帰ったかぐや姫はどうなったかって?
地上にまで降りたのに婿を見つけられなかった娘に困り果てた両親は、唯一求婚してきたふたまわりも年上の男と強引に結婚させたそうです。
おしまい。
[配役]
かぐや姫:蘭ちゃん
平安時代なので、黒髪ストレートの蘭ちゃんは引く手あまたのモテまくり☆
ただしちやほやされて育ったため、超ワガママ。
外見にホレたイケメン達も、「黒髪は完璧なんだけど、性格がなあ…」とさざ波のごとく去っていった。
でもちやほやされまくってきた蘭かぐや姫は妥協しない。
「私はこんなに美しいんだから、いつか素敵な王子様が迎えに来るの(*´∀`*)ポッ」
とかやってたら、気づけば適齢期の男性からの求婚者が居なくなっており、「若くて綺麗な娘なら何でもいーよ」というエロオヤジくらいしか残らなかった(爆)。
流石にそれは…、と両親は娘を下界に婚活に行かせる。
が、当の本人は懲りもせずに並み居る求婚者達に無理難題を突き付けては破滅に追いやっていく。
下界の人間を「穢れている」と蔑視して婚活に乗り気でなかったが、かぐや姫よりも遥かに美しい新一帝に一目惚れ。
内心は結婚する気満々だが、優越感を堪能したいがために新一帝の求婚を拒み続け、客観的に見ると遠回しなお断り状態。
帝は優しいのでお望み通り身を引きました。
警備の兵?いや、かぐや姫が帰るの邪魔しちゃ悪いじゃないですかー。優しい帝で良かったね☆
帝:新一
惚れた女のために国中駆けずり回り、あまつさえ船に乗り天竺(インド)まで行き龍に立ち向かう、フットワークの軽すぎる帝。
こんな危機管理出来てない帝がいるか┌(`Д´)ノ)゚∀゚)セルフツッコミ
しまったせめて東宮(皇太子)にしとけば良かったかも(-_-;) でも原作が「帝」なのでこれで強行。
蘭かぐや姫の黒髪に一目惚れして海外までパシらされるという、幼稚園の時に見た笑顔に一目惚れして以降ATM扱いされようと尽くし続ける原作と同じくらいのちょろさ、もとい一途さ。箱入り純粋培養なので仕方無い。(贔屓目)
貢ぎ物探しの旅でボロボロになり、帰ってきてからは溜まりにたまった政務を不眠不休でこなし、かなり草臥れ気味。それでもかぐや姫からは不満の御言葉はあれど労いの言葉なんか無いよ!
でもどこかの誰かさんとは違い、自分を客観視出来るので、「あれこれ遠回しにフラれてる?」とかぐや姫の真意に気づき(違)、「本当に大切なものは、すぐ傍にあるんだ」と斎宮の献身と愛に気がつく。
かぐや姫の無理難題でもない限り、斎宮とは対面する機会もなかったため、自分達が出会うきっかけを作ってくれたかぐや姫に心から感謝している。
「もしやかぐや姫は私と斎宮の縁を結ぶためにあんな無理難題の数々を…?」とすら勘違いしており、別れの手紙も善意100%で、ある意味かぐや姫を美化したままに別れた。
斎宮:志保さん
原作にはない万里の完全オリジナルキャラ。童話における魔法使いポジション。
深窓の斎宮が物知りなわけないとか、斎宮って伊勢に居なきゃいけないんじゃないのかとか、斎宮と魔法使いを勘違いしてるだろとか、そもそも斎宮がおいそれと外出とかありえない等の突っ込みはこの場でセルフでいたしましたので、ご容赦くださいm(_ _)m(_ _(--;(_ _(--;
(言い訳→平安時代にこんなアクティブな姫様がいるわけないのは分かってるんです。でもとりかえばや物語だって男装の姫君が出てくるし、女だって外を自由に歩きたいという願望は当時もあったと思うんです。創作だから何でもアリなんです。(ヤケ))
現代では皆が羨むゆるふわ亜麻色の綺麗な髪だが、平安時代の美意識にはそぐわず、「黒髪でない」という噂だけで求婚者が居なかった。
早々に斎宮となることを希望し、生涯独身を貫くつもりだった。
共に行動するうちに新一帝を好きになるが、新一帝は蘭かぐや姫が好きだし、そうでなくても黒髪を持たない自分には叶わぬ恋と諦めていた。
かぐや姫への貢ぎ物探しの旅では、恋心を隠してひたすら尽くす斎宮と、そんな斎宮を新一帝が庇って傷ついたり、というドラマが多々あり、どんどん親密な関係に。
都に帰ってからは溜まりにたまった政務を手伝い、不老不死の薬の研究をして、とブラック企業さながらの激務をこなしたため、新一帝以上に窶れた。
でも自分のために我が身をかえりみず献身する姿なんていじらしいに決まってるじゃないですかー新一帝もイチコロ☆(/ω\)キャー
危険を冒して持ってきた貢ぎ物は巻き上げるくせに求愛はガン無視の蘭かぐや姫よりも、冒険の傍らで自分を手伝ってくれる志保斎宮のが可愛いに決まっる。
斎宮なので多分皇族で新一帝とは遠い親戚とかでしょう多分(アバウト)
翁:阿笠博士
ほぼ出番なし。竹から生まれた件は面倒…作者都合で全カット(笑)。月の両親から養育費を送られかぐや姫の世話を任される。
当初はかぐや姫が帝に見初められて喜んでいたが、かぐや姫の余りのワガママっぷりに「こんなのを入内させたら帝に申し訳がたたんのでは…」と考えるように。帝が心変わりしてくれて心底ほっとした。
因みに、宮中の人々も、優秀だった帝がかぐや姫に振り回されてるのを見て、「こんな妲己ホウジの再来みたいな女を妃にしたら国が傾くわ」とハラハラしていたので、新一帝が才媛の志保斎宮を選んだときには心底ホッとし、亜麻色の巻き髪とかどうでもよくなるくらいに歓迎した。
※万里様の後書※
☆原作かぐや姫の名誉の為に☆
原作かぐや姫は月に帰るから結婚できないというやむを得ない事情があり、求婚されても困るだけでした。求婚者がストーカー並みにしつこくて断れないから、無理難題押し付けて諦めさせました。
行き遅れの身であろうとも高望みして求婚を断り続けた蘭かぐや姫とは違いますので、御注意下さい。
このお話はフィクションです。原作のかぐや姫とは一切関係ありません。(留意事項)
**雪月花桜の御礼と感想*
万里様 またしても楽しい小説ありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ
長文な古典「たけとり物語」パロじっくり読ませて頂きました。
いえいえ全然見苦しなんかないですよ~(・∀・)ウン!!
和歌…。お気持ち分かります。私も詠めるなら入れたい(´∀`*)ウフフ
蘭かぐや姫の無自覚我儘ぶりが原作通りで「流石、万里様…!」と唸ってしまいました。
お見事です。
もっともっとと求めすぎるとこうなるよという教育的な物語(イソップ物語みたいな)を古典にしたような感じ。
原作かぐや姫は月に帰るから結婚できないというやむを得ない事情があり、求婚されても困るだけで、
求婚者がストーカー並みにしつこくて断れないから、無理難題押し付けて諦めさせたのに比べ
高望みして、相手の愛情を試してx2 求婚を断り続けた蘭かぐや姫とは全然違いますよね~
対して光るのが、志保斎宮!
才女で優しいです。
恋に狂った新一帝にもちゃんと対応してくれて、最後の最後にそれ故にお妃に迎えられるという…!素敵!
亜麻色の巻き髪は原作で言う組織に居たことへの負い目、に近いものを感じました。
ただ原作と違い、巻き髪は産まれついてのものですし、斎宮になれるって事は天皇家の血筋(皇女や女王)なわけで、そりゃ宮中では大歓迎ですよね!
新一帝と志保斎宮が結ばれる為の障害 蘭かぐや姫でした( ・´ー・`)
非常に(゚д゚)(。_。)ウン(゚д゚)(。_。)ウンしまくりで楽しませて頂きました。
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