妄想の悪夢編~夢の絆異聞 エルリア様ご提供~
夢の絆 番外編『純白の幻夢』のサイン会の蘭側 『妄想の白昼夢』の
更に続きをエルリア様書いて下さいました~ヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪
色々鋭い文章がございます。皆様、お楽しみ下さいませ(⋈◍>◡<◍)。✧♡
夢の絆 番外編で江戸川コナンの正体が発覚するお話はまだ書いておりませんので、あくまで異聞でございます。
本来の夢の絆では蘭編と繋がるのでおそらく全く違った正体ばれ話になる予定(という名の未定)です。
パラレルワールドもしくはif話としてお楽しみ下さいませ~°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
***注意書き***
ヒロインには優しくありません。厳しめですので、ranちゃん派の方は此処で周り右願います。
尚、他人様の作品であるという事で無断転載や引用、誹謗中傷は御止め願います。
また同じ理由で予告なく、掲載を取り下げるやもしれない事予め通知致します。
**************
RANちゃん派の方は此処で周り右願います。
注意書き読みましたね??
それではどうぞ(^_-)-☆
最近の蘭は、以前にも増してせっせとエステに通っていた。
美しさを保つのはホステスとしては基本中の基本。そして普段はサボりがちだった、スタイルを維持する為のジム通いも以前よりはまじめにやるようになった。
何しろ、約10年ぶりに新一に会うのだ。
間違っても「老けた」とか「魅力がなくなった」とか思われたくはない。それに彼の隣にはあの「愛妻」がいる。
基本的な…持って生まれた顔立ちや色などでは敵わなくても、新一に「残念な事をした」と思わせたいという気持ちもあった。
そもそも新一はそんな外見だけで人を判断するような事はしないのだが、短期間で新一を唸らせるような内面の成長など望むべくもない。
故に蘭は、外見を磨く事に専念していた。
そして蘭のその頑張りは、結果的に本業のホステス業にもいい変化を齎した。
「前より綺麗になったね」
「これなら、また稼げるようになるよ」
「次も指名しようかな」
と言う言葉が増えた。
これに蘭は浮かれた。
結局あの“彼”とは、そのまま音信不通となってしまったが、今となってはそれはどうでもいい事だった。
今の蘭にとって重要なのは、もう一度新一と会って、旧交を復活させる事。
“ほら、こんなちょっとの努力で、私は輝けるんだもの。アラサーでも捨てたもんじゃないわ”
客の言葉にリップサービスがあるなど、今になっても蘭は考えない。
よく言えば素直なままと言えるが、悪く言えばただのお花畑。
サービスをするのはホステス側だけで、客がホステスに向かってそう言った事をするとは考えもしない。
人間関係を円滑に進める為に、意識的にしろ無意識的にしろ、こう言った事は日常茶飯事であるのに…根本的な部分で未だに蘭は世間知らずだった。
これも良く言えば世間ずれしていない純粋さと言えるが、一人で生きて行くとなれば致命的ともいえる欠点である。
それでも蘭が「悪い男」に引っかからずに済んでいるのは、それこそ一流どころである「ママ」がある程度客を選別しているからで…それが出来る位繁盛している店だからである。
まぁ、だからこそ蘭が落ち目になるのが早かった、とも言えるのだが。
“新一本人はもう無理でも、これなら新一の周りにいる他のいい男に紹介とかしてくれるかもしれないわよね”
最重要なのは、新一に認められる事。
それは勿論、新一本人が一番いいけれど…週刊誌やワイドショーなんかの記者に追い回されるのは流石に嫌だし、どうしたって「愛妻」より自分の方が悪く言われるのは決まっているから、新一クラスの別の男で手を打とう。
相手の王子様は新一でなくてもいい。でも新一クラスの男ならきっと王子様である筈だ。私をお姫様として扱ってくれる筈だ。
客の誉め言葉から、そんな都合のいい事まで考え始めていた。
内面が変わっていなければ、何の意味もないと言うのに。
サイン会当日。
蘭はウキウキと身支度を整えていた。
化粧は商売用ではなく、普段の外出レベルのもの。
どう言ってみても、新一は高校生以降の蘭のことは知らないのだから余り濃い化粧しては解ってくれないかもしれないし、あの愛妻に「厚化粧」ととられるのも業腹だからだ。
髪も特別セットはせずに、高校生の時のようにサラリと流した。
そして服も、ぱっと見には普通のワンピースだが、見る者が見れば生地や仕立てが一流品だと解るものを選んだ。
「変わってないな、蘭。若々しくてビックリしたよ。なーんて言ってくれたりして―」
くすくす笑いながら、鏡の前で何度かターンする。
ヒラリフワリとスカートの裾が揺れ、髪が舞う。それを見て、蘭は高校生の時に戻ったかのような錯覚を覚えた。
「新一はどんな服かな。やっぱりスーツ?意外性を狙ってラフな服とか?」
このワンピースなら、そのどちらでもおかしくはないだろう。
蘭は「名探偵コナン」の最新刊をバッグに入れると、足取りも軽く家を出た。
だが―――――蘭が夢を見ていられたのはここまでだった。
「毛利蘭さん、ですね?」
「え?あ、はい」
ショッピングモールの入り口の一つで、蘭は警備員に声をかけられた。
「そうですか。では、こちらへ」
蘭を見つけた場合の対処法として、その場で追い返す真似は絶対にしてはならないと徹底されていた。
今以て変化のない性格からして、必ず大騒ぎをする。
「工藤新一の幼馴染」だと喚くような場面は、決して作ってはならない。もしそれが何処かの記者の耳に入れば一大事。
更に高校時代より弱体化しているとはいえ、空手を出されれば刑事事件にも発展しかねない。
そうなれば、新一が二度と帰国してこなくなるかもしれない。
それに「特別扱い」が大好きだから、別室に案内されれば寧ろ喜ぶ。そして恐らく、こう勘違いするだろう。
「新一が私を見かけたら案内するように取り計らってくれたんだ」と。
これらは降谷の指示と読みだった。
そしてそれらは見事に当たっていて、後に報告を受けた彼は笑うしかなかったとか、何とか。
別室―――事務所の一角に間仕切りされた簡易的な応接室―――に通された蘭は、上機嫌だった。
彼女は降谷が予想した通りのことを考えていたからだ。
だが、お茶を出される訳でもなく、何枚かの書類を見せられた蘭はブルブルと震え出した。
「何…ですか、これ…。私が新一のストーカーって…」
「そのままです。警察から通達が来ていましてね。お心当たりが全くない訳ではないでしょう?」
「違います!私は新一の幼馴染で、久しぶりに会いたいから来ただけで…!」
「下心は何もない、と?」
「そ、それは…」
良くも悪くも素直で腹芸の一つも出来ない蘭は、言葉に詰まった。その様子に警備のチーフは小さく溜息を吐いた。
「では、お帰り願います。こちらは客商売なのです。騒ぎを起こされては困るのですよ」
「そんな事しません!」
「工藤氏に一ファンと同じ扱いを受けても?」
これに蘭はまた詰まった。
「一応、確認しますが…招待チケットはお持ちですか?」
「何ですか、それ?」
キョトンとした返事にチーフは頭痛を覚えた。
つまり彼女は工藤新一の目に留まりさえすれば、彼に特別に優遇して貰えると本気で思っていたという事だ。
“ここまで通達通りの人物はそう居ないぞ”
警備会社の人間として、警察からの連絡など受ける事はままあるが…これ程向こうが言う通りの人物にはお目にかかった事がない。
「では、やはりお帰り下さい。それがなければ今回のサイン会場には入れないのですよ。
ああ、普通にお買い物をされる分には一向に構いませんが」
「だから、私は新一の幼馴染で!」
「工藤氏から、貴女のことは一切聞かされておりません」
「だったら、今から新一に訊いて来てよ!」
「…困った方ですね。今工藤氏は、スタッフとの最終打ち合わせで忙しいんですよ。
それでなくともこれから先、ずっとスケジュールが詰まっているんですから、余計な事で煩わせないで下さい」
「余計な事って何よ!!私はただ、新一に会いたいだけなのに」
チーフは今度は大仰に溜息を吐くと、立ち上がった。
「これ以上は時間の無駄のようですね。
貴女がゴネるようであれば遠慮なく通報してくれとも言われていますので、そうさせて貰います」
「な…止めて!」
蘭の中に、かつて離島送りになった事が蘇った。
冗談じゃない。また(蘭の感覚では)隔離なんてされるのは絶対に嫌だ。
「では、お帰り下さい」
店の内外で騒がれるようであれば、やはり通報させて貰いますので、大人しく。
そう付け加えられた蘭は、すごすごと帰るしかなかった。
「私…一人ぼっちだ…」
自分が新一に会える、恐らく最後のチャンスが潰された。
自分一人で太刀打ちなど出来る筈もない「警察」と言う大きな力によって。
それがかつての自分の所業による自業自得であり、新一の存在の大きさなのだと蘭が気付く日は来るだろうか。
そして一人になったのも…自分の言動による自業自得なのだとも。
マンションの一室で、蘭は一人泣き続けた。
「可哀想な自分」の為に。
**エルリア様の後書**
恐ろしく救いようのない話になってしまいました。
この後も、蘭はホステスとしての努力を続けられるでしょうか…。ここまでくれば後は這い上がるだけとは思いますが、「一滴の水」の時のように適度に手を差し伸べられる人が現れてくれればなぁ。
ちなみに蘭にとってショックの裏話。
新一には蘭がやってきた事すら報告されてません。「こんな事で煩わせる訳にはいかない」という判断の基に。
**雪月花桜の感謝と御礼**
エルリア様 小説不足な私に小説をお恵み頂き、感謝です!エルリア様ならいつでも歓迎でございます!
非常にX2楽しませて頂きましたヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪
ありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ
更に掲載許可快く了承頂き、感謝です。
感想行きます!
まさかのエステ通い!
その発想はありませんでした!
実はカテゴリ:『原作その後』と『夢の絆』のネタで、ホスト狂になって転落(ほらホステスさんだと誘惑があるから)とか
同窓会で刺激され、マンション購入or婚活に走りまくる→結果 新志との差を見せつけられるというのは実はずっと考えておりましたが(鬼
美容ネタならコスメカウンター BA視点でセレブで美しい志保さんと少ししか買わないのに常連面する試供品クレクレ蘭ちゃん話とか(やっぱり鬼
ネタだけなら山ほど出るんですけどね💦
オチがつかなくて、中々書けていないんです。
やっぱり転落したままって言うのが私はどうも苦手で、立ち直るor間違いに気付く みたいにしたいんですけど難しい。
って私の書けない話は、置いておいて。
エステ通い…!
まあでも真っ当な方の努力ですよね(゚д゚)(。_。)ウン(゚д゚)(。_。)ウン
ただ蘭ちゃんの良くも悪くも純粋 単純さが見事文章にて浮き彫りになっているのが流石エルリア様です。
まあ長所と短所って背中合わせですしね。
子供の頃の長所(素直)が大人の欠点(単純)になっているよう気がします ええ。
蘭ちゃんの性格って子供ならまあ何とか許容できる範囲が多いので(゚д゚)(。_。)ウン(゚д゚)(。_。)ウンしました。
ただそんな単純さの中でも見え隠れする「イイ男を紹介してもらおう」計算がもう( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
純粋ではなくなってるorz
まあ素直です。
でその素直さ故に、降谷さんに言動全て見透かされて、あっさり返される(⌒▽⌒)アハハ!
あの組織で情報屋やってた彼からしたら赤子の手を捻るより簡単ですよね。
楽しかったです。
ありがとうございました。心よりの感謝を込めて💛
- 関連記事
-
- 妄想の悪夢~再会編 ~夢の絆異聞 エルリア様ご提供~
- 妄想の悪夢編~夢の絆異聞 エルリア様ご提供~
- 妄想の白昼夢~夢の絆異聞 エルリア様ご提供~