【高校時代・新一サイド ~きっと君は待てない~】~万里様ご提供~
万里様より頂いた作品です。
新哀で 『夢見る少女の長い夢』の新一編です。
先に蘭視点 本編をお読みになった方が分かりやすいかと存じます。
***注意書き***
ヒロインには優しくありません。厳しめですので、ranちゃん派の方は此処で周り右願います。
この注意書きを無視して読んでからの苦情 不満等は対応致しかねます。
尚、他人様の作品であるという事で無断転載や引用、誹謗中傷は御止め願います。
また同じ理由で予告なく、掲載を取り下げるやもしれない事予め通知致します。
**************
万里様からの注意書き:
このお話は、蘭厳しめの新哀です。
蘭がかなりピエロな役割なので、ご了承の上ご覧下さい。
最後に管理人からの再確認です。
注意書き読まれましたね??厳しめです。ヒロインファン 新蘭派はリターン下さい。
それでもOK 大丈夫という方のみ どうぞw
ではスタート↓
『私、必ず帰ってくるから!だから、それまで待っていて!』
『私も新一にまた会える日を、絶対絶対、いつまでも待ってるから!』
「…待てねえだろうな………」
そう呟いた新一。
その、“待てない”対象は、自分ではなく、蘭のことだった。
蘭は、待てない。
新一はそう確信していた。
「一年間足らずも待てなかったのに、大人になるまでの数年間なんて、お前に待てるわけがないだろ…」
そう。
蘭は自分を待てていなかった。
電話する間隔が少し空くだけで騒ぎ立てる、電話したらしたで「早く帰ってこい」との罵詈雑言。
「やっかいな事件を手掛けている」と言ってあるのにまるで新一が遊んでいるかのような扱い。女の影がチラリとでもあれば、浮気と決め付ける。
告白すれば少しは落ち着くかと思いきや、返事もしないうちから彼女気取りでますます傍若無人になる。
修学旅行で蘭から“返事らしきもの”はもらえたものの、それは「告白した方が負け」とでも言わんばかりの上から目線なものだった。
長年焦がれ続けた相手とようやく恋人になれたというのに、新一は憂鬱でしかなかった。
(…蘭は以前から感情的で愛されたがりではあったが、ここまで酷くはなかった。)
恐らくは、新一の不在で甘えられる相手が居なくなり、情緒不安定になったのだろう。
蘭は、明らかに“待つ”ことに向いていないタイプだった。
一年足らずの期間(しかもたまには会えていた)ですら、この有り様。
数年間も音信不通であの寂しがりな蘭が耐えられるはずがない。
しかも見知らぬ土地に引っ越して、生活環境がガラリと変わる。
新一との公認雰囲気もなく、蘭の恋愛環境に外部からの後押しや圧力はなくなるのだ。
完全に蘭の自由意思に委ねられた環境で、蘭が自分を待ち続けられるとは思えなかった。
コナン時代に痛感したが、蘭はやたらと隙が多い。
痴漢や強引なナンパなど不埒な輩には空手をお見舞してこっぴどく拒絶するが、紳士的に口説かれれば満更でもない媚びた態度をとってしまう。更には蘭の世話好きで人当たりの良い対応は男に期待を抱かせがちだ。
以前はコナンが蘭に近づく男を牽制していたが、そのガードが無ければどうなっていたことか。
以上の観点から、新一は客観的に考えて、蘭は自分に好意を持つ男性に積極的に迫られればそれに流されるだろうと考えていた。
「新一がいるから」とキッパリ断れるとは思えなかった。
しかし、蘭の気持ちが離れてしまうかもしれない危機的状況にも関わらず、新一は不思議と不安や焦りは感じていなかった。
むしろ感じるのは、何かしら靄が晴れたかのような、肩の荷が降りたかのような、そんな清々しい気持ち。
(黒の組織壊滅作戦がいよいよ佳境となり、余計なことに気を散らさずにすむからだろうか?)
(平穏が戻れば、また蘭のことを昔みたいに愛しく思えるんだろうか?)
自分の心の有り様に戸惑う新一だが、自己分析に没頭していられる状況ではない。
(…いや、今は考えるのはよそう。
今 大事なのは、作戦を成功させること。
…それに、)
「…工藤君、大丈夫?」
「ああ。組織のことなら心配すんなって!俺が守るって約束したろ。」
「もう、そうじゃなくって!こんな時にまで他人の心配しなくていいのに…」
高校生の姿の新一の前には、小学生の姿のままの灰原哀がいた。
恋人と別れ傷心であろう自分を心配してくれる彼女に、明るく声をかける。
彼女だって、本来は自分のことで手一杯だろうに。
(そうだ。
俺には、側に居て守らなけりゃならないヤツがいるんだ。)
哀は完成された解毒剤を飲んでも、宮野志保には戻れなかった。
その意味が分からないほど新一は愚かではない。
哀は、自らの身体で何度も治験してくれていたのだ。
彼女はいつも、自分のことは後回しで、新一を助けてくれた。
自分の献身や苦しみなど、何一つ言わずに。
(灰原。お前は俺が守る。)
組織を倒し、彼女を守る。
新一はその事だけを考えて、前を向いたのだった。
***雪月花桜の感想***
蘭ちゃん待てないって新一に見抜かれています 思いっきり!
そしてその通り、新一との公認雰囲気もなく、蘭の恋愛環境に外部からの後押しや圧力がなくなるとあっさり彼氏作ってしまいましたとさ(笑)でも知っても気にしないでしょう むしろ重荷が下りた みたいな気分でしょう。
なにせ新一が解放感を味わっている…!
一滴の水 新一の解放感を彷彿とさせます。
そうもう愛情(を求めるばかりで返さない)が重たくなっているんですよね~(((uдu*)ゥンゥン
それに引き換え我が身を犠牲にした本当の意味で健気な哀ちゃんを守ろうとする新一がいいですね。
まだ自覚してませんが、そこはかとなくLOVEの予感(⋈◍>◡<◍)。✧♡(園子風に言ってみました)
次話【大学時代・新一サイド ~天使なんか居ない~】もすぐUPさせて頂きますね!皆様お楽しみに(⋈◍>◡<◍)。✧♡
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