【灰原哀の独白①】~万里様ご提供~
万里様より頂いた作品です。
新哀で 『夢見る少女の長い夢』の哀編です。
先に蘭視点 本編/新一視点話 をお読みになった方が分かりやすいかと存じます。
***注意書き***
ヒロインには優しくありません。厳しめですので、ranちゃん派の方は此処で周り右願います。
この注意書きを無視して読んでからの苦情 不満等は対応致しかねます。
尚、他人様の作品であるという事で無断転載や引用、誹謗中傷は御止め願います。
また同じ理由で予告なく、掲載を取り下げるやもしれない事予め通知致します。
**************
万里様からの注意書き:
このお話は、蘭厳しめの新哀です。
蘭がかなりピエロな役割なので、ご了承の上ご覧下さい。
最後に管理人からの再確認です。
注意書き読まれましたね??厳しめです。ヒロインファン 新蘭派はリターン下さい。
それでもOK 大丈夫という方のみ どうぞw
ではスタート↓
【灰原哀・小学三年生の涙】
蘭さんに、彼氏が出来た。
これで、工藤君と蘭さんの別離は決定的になってしまった。
同窓会から帰って来た工藤君は、思いの外 明るい表情をしていた。
しかし、傷付いていないはずがない。
彼が何と言おうが、私に責任の一端があるのは事実だ。
そんな自虐が顔に出てしまったのだろう。
彼を元気付けたい、励ましたい、と思っていたのに、逆に私が彼に慰められてしまった。
かける言葉も見つからない私に、彼は優しかった。
「そんな顔すんな。
俺は、蘭の幸せな姿を見られたのが、本当に嬉しいし、ホッとしてるんだ。
きっと、俺は蘭と付き合っても、安心も幸せも与えてやれなかっただろうから。」
「最初は、蘭のとこに帰りたい、って思ってた。
でも途中から、帰らなきゃ、っていう強迫観念にまでなってて。プレッシャーが凄かった。
俺みたいな根っからの探偵には、家庭的で平和の象徴みたいな蘭を幸せにすることが出来ないって分かってたから。
だから、蘭が俺以外の男と結ばれて幸せになってるの見て、嫉妬とかより、安堵感が大きいよ。
組織の件がなくたって、俺達はきっと道を違える運命だったんだよ。
だからさ、」
「泣くなよ、灰原…」
彼の声はどこまでも優しく、私を慰めてくれたので、私はますます涙が止まらなかった。
【灰原哀・小学六年生の日常】
最近、彼が遊び人の風体となっている。
彼は相変わらず事件となるとかかりきりになってしまうためか、恋人と長続きしない。
それでも彼はモテるので、別れても別れても、恋人の座に着きたがる女性は次から次へと押し寄せてくる。
まるで椅子取りゲームのようだといっそ感心すらする。
あれでよく女性関係のトラブルが起こらないものだ。
一人の女性と長続きしなくとも、彼が日々を満喫してくれているならば文句はない。最優先すべきは彼の幸せだ。
なので、私の嫉妬など些細な問題だ。
彼ときたら私の不機嫌の原因を勘違いして、「女たらしって軽蔑してる?」などと聞いてくるから呆れる。
「そんなわけないでしょう。あなたが元気なら、何でもかまわないわ。むしろ貴方は、今までの分ももっと人生を楽しむべきよ。」
「良かった。俺、お前にだけは嫌われたくねーから。」
人の気持ちも知らずに思わせ振りな事をいうのが憎たらしいやら嬉しいやら。
これでは引く手あまたなはずだ。
【灰原哀・中学一年生の怒り】
蘭さんに失礼な態度をとってしまった。
でも、後悔はしていない。
いつも工藤君は御用達のようにうちにポアロの珈琲豆を届けてくれるのだが、現在 彼は海外出張中。
なので、久々に自分で買いに行ったのだ。
当然、店員である蘭さんと顔を会わせることになる。
「そういえば、最近 新一来ないなあ。どうしたんだろ。あ、新一って、よく珈琲豆を買いにうちに来るんだよ。」
「そう。」
蘭さんと話すのは久しぶりだが、何か違和感を感じた。
(…蘭さんって、意外と最近の工藤君のこと知らないのかしら?今出張中ってことは、園子さんだって知ってるのに…)
教えた方がいいのか?いや、工藤君が言っていないことを私が勝手に喋るのは…
そんな思考は、蘭さんの次の言葉で中断された。
「全く、どこ遊び歩いてるんだか。
そんなんだからフラれてばっかなのよ。
まあ、恋人のことは二の次な男だもん。当たり前だよね。自分のことしか考えてなくて、ホントに子供。
新一って昔からそういうとこダメなやつなんだよね。
もっと人を思いやらなきゃ、付き合ってくれる人いなくなっちゃうよ。」
この言葉を聞いて、頭に血が上った。
彼女にとっては口癖のようなもので、悪気がないのは分かっている。
だが、蘭さんにだけは、言われたくなかったのだ。
分かっている。
彼女は何も知らない。
私のせいで、工藤君は蘭さんに、どれだけ彼が身を削って蘭さんを守ってきたのかを教えることはできないのだ。
それでも。
彼の愛と献身を一身に受けてきた蘭さんにだけは、工藤君の思いを否定するような事を言われたくはなかった。
蘭さんは、私には欲しいと口に出すことすら出来ないものをもっていた。
そして、彼女は自らそれを捨てたのだ。
無論、彼女だって好きで捨てた訳ではない。
そうなったことには私に責任の一端があるのも分かっている。
それでも。
もし私が蘭さんの立場だったら、絶対に手離したりはしなかったのに。
何年だって、工藤君を待ち続けたのに。
そう思ってしまうから、言わずにはいられなかったのだ。
「新一さんは素敵な人よ。悪口は聞きたくないわ。」
口数少ない相づちしか打たなかった私が突然反論してきて目を丸くする蘭さんに構わず、私は続ける。
「彼はいつも、他人のことしか考えてないわ。
事件が起こるとかかりきりになるのは、被害者を救いたい、犯人を早く捕まえて被害を食い止めたいと考えているから。
我が身を省みず、他人を助けようとしてしまう人なのよ。
そうして守った相手にその献身が伝わらなくても、彼は相手の無事を喜びこそすれ、恩着せがましいことは言わないでしょうね。」
かなり冷たい口調になってしまった。
…少なからず、嫉妬も混じっているからだろう。
かつて工藤君に、一番に守られていた女性。
どうか私を失望させないで。
***雪月花桜の感想***
さあやってきました 哀ちゃん視点でございますヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪
”どれだけ彼が身を削って蘭さんを守ってきたのかを教えることはできない”本当に別に恩に着せたいわけじゃないけど感謝の心は忘れてはいけないなと思います。
知らないから仕方ない部分はあるにせよ・・・腹立つってありますよね コナンが裏でその小さい体でどんだけ蘭の命を救ってきたか!ヽ(`Д´)ノプンプン
言い過ぎて哀ちゃんの逆鱗に触れた蘭。
まあ彼女がダメであればあるほど、くっつく時に罪悪感 感じないからいっか(* ̄- ̄)ふ~ん
さてここから哀ちゃん視点ではどうなっていくのか・・楽しみですね(´∀`*)ウフフ
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