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元弁護士の懺悔



原作の告白放置のまま時が過ぎたら・・・という感じです。
単独でもお楽しみ頂けますが、『茨姫は棘だらけの寝台で』『異次元イルミネーション』『チョコレートの行き先』『自らの蔦と棘で絡め取られて』『呪いが解けたその時には』『おとぎ話のその後とは』『裸足で歩み続ける茨道』を読んでからの方がより理解しやすいと存じます。
時系列では『そうして幸せに暮らしました』の裏話にあたります。
作品は、カテゴリ欄のコナン二次小説 ”原作 その後”にございます。
この記事の右上の”原作 その後”をクリックしても飛べます。




***注意書き***
本シリーズ作品はRANちゃん 毛利一家に優しくありませんので、ヒロインファンはご遠慮願います。
この注意書きを無視して読んでからの苦情や誹謗中傷のコメントは受け付けておりません。
このサイトは個人作成のものであり、原作者・出版社とは一切関係がありません。
私なりの解釈を加えた二次小説もございますので自己責任でご覧になって下さい。
*************




注意書き読まれましたね?
ではどうぞW



娘の罵倒に天を仰ぎたくなった。後悔と懺悔が胸に突き刺さる。
(小さい頃置いていくじゃなかった。あの人と新一君がいない蘭はこんなにも我が強いのね。)
「何よ。お母さんが悪いんじゃない。開き直らないでよね‼お母さんのせいでお父さん帰ってこなくなっちゃったのに!!」
「しかも未だに糞マズイご飯しか作れないくせに!」
「手料理を食べたいっていう娘の願いはどうなるの?ちなみにマズイ手料理じゃなくて美味しい手料理ね!
それでお父さんに食べて貰っても帰って来て欲しいって願う娘の!簡単に出来るでしょう!
何でやってくれないの!何でこんなマズイのばっかりなの。」
「蘭、人には向き不向きがあるのよ!」
(どうか分かってちょうだい。)
「嘘よ!料理は手順さえ守れば、誰だって出来るわ。お母さんのやる気がないだけよ‼」
それは蘭が料理出来る人だからだ。英理が勉強ならば苦もなく出来たように。
「私には考えることが苦手でも逃げるなって言っておきながら、自分はやらないんだ!?
私が新一にしたことを説教しながら自分はお父さんにもっと酷い事してたんじゃない‼最低っ!
お母さんの言う事なんか信用ならない。嘘つき!お父さんと私に謝ってよぉ!!」
泣きわめく娘に遂に母親の堪忍袋の緒が切れた。
「食費しかいれてない癖に偉そうにっ!!そんなに文句ばかり言うなら、家を出て一人暮らしをして頂戴ッ!!出来るものならね!!」
「言われなくても出て行くわよ!!もうお母さんとなんか一緒に居たくないッ!!」
売り言葉に買い言葉。
その夜、蘭は身の回り品を旅行用のスーツケースに詰め込み、家を出た。出ていってしまった。
「どうしてこうなってしまったのかしら。」
明るくて気立てが良くて家事も得意な自慢の娘。
それは工藤新一という精神的支柱だった幼馴染がいたからこそ成り立っていた”幻”だった。それをまざまざと思い知る。
(新一君。今更だけどごめんなさいね。)
小五郎との別れがあってから足掻けば足掻くほど、娘との関係は悪化してしまい遂には家出だ。
(文句を言ってても父親の貴方が支えだったのね。母親であるはずの私の言う事なんて聞きもしない。)
英理自身が生き甲斐だった仕事がなくなってしまい心の余裕がないのも原因の一つだ。
弁護士資格が剥奪されたわけではない。社会的信用がなくなり弁護士の仕事が出来ないだけ。
それはあの報道から随分経ったと思える今ですら。
二人に今更な懺悔を捧げる-。
(本当に今更だわ・・・。気付くのが遅すぎる。何も出来ないし。でも気付かないよりはいい。)
それに二人だけではなく大事な娘にも-。

そして懺悔だけで終わらせてはならない。
二人が心を尽くした蘭の為に、自分は、自分だけは諦めるわけにはいかない。それが二人への償いと母親としての責任。
(いつか蘭が戻ってきたら・・・受け入れよう。)
ただ自立性を育てるのには正反対のようで似ている自分では不適格だ。お母さんだって同じことしているじゃない、となるのだ。
親だからこその情も今回は邪魔になっている気がする。客観的な第三者で信頼できる人が欲しい。
(蘭がバイトで親しくなった優花さんってカウンセラーの資格取ったって言ってなかったかしら?若く経験値が少なそうなのが不安だけれど、蘭の信用は桁違い。話してみて良い人だったら考えてみよう。)
そうして電話を数回して、この人だと思った英理は対面で会った際に優花にカウンセリングを依頼した。
自身がやれない理由を理論的に語り、代金は自分が負担すると言った英理に対し、優花には「蘭さん自身に出させた方がいいと思います。その方が身に付きます。」と返された。
時々会って食事したり、服を買ってあげれば母親の義務を果たした気になっていた昔の過ちを指摘されたようで赤面して俯く英理。
(またやってしまった。愛情はあるはずなのに・・・。駄目ね私。)
娘への愛情表現が追い付いていない。もしくは蘭が望むものではないのだ。
そんなことをぽつぽつと話す英理に優花は聖母のような微笑むを浮かべてじっくり聴いていた。
「でも終わった時にそのお話をされたら蘭さんもお母様の愛情を感じられて喜ぶと思います。お話してもいいですか?」
「は、はいっ!」勢い良く頷く。
「それでは蘭さんが帰宅したら知らせて下さい。カウンセリングを開始します。」
「はい。よろしくお願いします。」
家出期間が3年と長かった為、カウンセリングがスタートするのは思ったより先になる。
だが更に未来-カウンセリング終了時にこの依頼時の英理の様子を聞かされた蘭はやっと本当の親子になれた気がして静かに涙を零したのだった-。

********************
後書  原作その後シリーズ 4ヶ月ぶりの番外編です。
時系列では『そうして幸せに暮らしました』の裏話にあたります。再び優花さん登場です(≧▽≦)
新一と小五郎への英理の懺悔と後書で描き切れなかったと紹介したネタの1つの”英理が優花にカウンセリングを依頼した時の話”をセットにして取り上げてみました。
好きなのは懺悔する英理とひっそりと涙する蘭 です。
ちなみに作中にもある通り弁護士資格はそのままなので、正確には元弁護士ではありませんが、報道のせいで事務所を畳みまた弁護士として活躍するのは絶望的という状況を指して”元”とつけてます。

此処までお読みに頂き、ありがとうございました。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
感想コメントや拍手頂けたらもっと嬉しいですヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪
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ご訪問ありがとうございます(≧▽≦) 名古屋OLが歴史・節約・日頃・二次小説のことを書き綴っています。 コメント大歓迎★ ですが、宣伝や本文に何も関係ないもの もしくは激しく不愉快、コピペ等、そういった類は、私の判断により 誠に勝手ながら削除の方向です。楽しく語りたいです♪ 二次創作小説もありますが、このサイトは個人作成のものであり、原作者・出版社とは一切関係がありません。私なりの解釈を加えた二次小説もございますので自己責任でご覧になって下さい。

雪月花桜

Author:雪月花桜
タイトル通り名古屋OLがブログしてます。
歴史を元にした小説なんかも大好きでそれらについても語ったり、一次小説なんかも書いてますす。好きな漫画(コナンやCLAMP etc)&小説(彩雲国物語)の二次小説をupしておりますし、OLなりの節約・日々の徒然をHappyに語っています。

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