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眠る二人の魔女


原作の告白放置のまま時が過ぎたら・・・という感じです。
単独でもお楽しみ頂けますが、『茨姫は棘だらけの寝台で』を読んでからの方がより理解しやすいと存じます。
作品は、カテゴリ欄のコナン二次小説 ”原作 その後”にございます。
この記事の右上の”原作 その後”をクリックしても飛べます。


***注意書き***
本シリーズ作品はRANちゃんには優しくありませんので、ヒロインファンはご遠慮願います。
この注意書きを無視して読んでからの苦情や誹謗中傷のコメントは受け付けておりません。
このサイトは個人作成のものであり、原作者・出版社とは一切関係がありません。
私なりの解釈を加えた二次小説もございますので自己責任でご覧になって下さい。
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注意書き読まれましたね?
ではどうぞW

眠る二人の魔女がいた。
一人は自らを姫と思い、王子様の目覚めの接吻を待っていた。
もう一人は魔女という自覚があったものの、自身を救い出してくれる英雄の存在を待ち眠っていた。
とても似ているけれど確かに違いのある彼女たち。これはそんな眠る二人の物語-。

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最初は”苦手”、だったわ。
親がいて学校へ通えて、友人もいて と私には出来なかった生活を当たり前のように享受している彼女。
それが普通で私が特殊で彼女のせいでなかったのは分かっていたけれど、私のせいでもないから忸怩と痛む心はどうしようもなかった。その上、彼の絶対的な愛情まで得ていて羨ましかった。
当時は絶対認めなかったけど嫉妬も入っていたのかもね。
・・・別世界の住人だったわね。


次は”憧憬”だった。
心と身体は繋がっているのだろう。
自身より一歳年下なのに、死んだお姉ちゃんと重ねてしまっていた。
向こうも私を小学生と思い、お姉さん面してから余計だった。それに長い黒髪も拍車をかけた。
卵粥を作ってくれたり、ベルモットから命掛けで庇ってくれた。
・・・私には叶わない理想の女の子だと思った。


最後は”失望”だったわ。
「さっさと帰って来なさいよ!」
「浮気してるんじゃないでしょうね!」
「本当に事件なの?」
江戸川コナンと灰原哀が転校し、対組織に備えて工藤新一と宮野志保に戻って優作氏の隠れ家で生活する日々の中にきたのは、彼女の嫉妬と猜疑心に満ちた言葉だった。


「ねえ、早く帰ってきてよ!コナン君までいなくなちゃって、私淋しいんだよ…!」
(知らないとはいえ、同一人物である彼にそれを言うのは酷ね。)
「もう腕が落ちたんだよ。新一が解決しなくたっていいじゃない…!」
(探偵である彼に一番言ってはいけない言葉よ、蘭さん。)
「はは…!蘭を安心させる為に告白したのに、嫉妬と疑惑を増やしただけ、か。返事もねえし。」
「工藤君、・・・ちょっと休みましょ?ね?珈琲入れるから。」
どんどん顔が曇っていく彼を言葉少なに支える彼女。二人が新しい恋に落ちるのに然程時間は掛からなかった-。


「初めまして。宮野志保です。」
今日は転校初日。
「ねえ工藤君、荷物はどこ置くの?」
「こっちのロッカーに・・あ、弁当二つあるから重いよな~俺が持つよ。」
「工藤と毛利って付き合っているんじゃねえんか?」
「なんか転校生との方がそれっぽいよね」とクラスメイト達からの視線と戸惑いの空気を感じる。
「ねえ、蘭 あれ、どういう事よ?あんたたち付き合っているんじゃないの!?」
「わ、分かんない。うん、新一の彼女は私なのに・・。」
「ちょっと!!新一君!ずっと待ってた蘭に何かないわけっ?」
(園子さんが見かねてって感じね。…やっぱり蘭さんは告白の返事してないことを言ってないのね。)
人は自分の都合の良いような言動を無意識にしがちだ。
おそらく蘭も言わなくても新一なら分かってくれると思っているのだろうと容易に分かった。分かってしまった。
失望が更に深くなる。
(そのことで彼が悩んでいたなんで思いもしないのかしら?)
初めて蘭の存在に気付いたかのように、振り向く新一の様子に傷つきましたという顔をした為、失望がもっと大きい何かになる。
(何故、被害者面していられるのかしら。待っててあげたのにってとこかしらね。彼は何度も何度も帰れないって伝えていたのに。)
(まあ一緒にいたいっていうのは本来其処まで我儘ではないのだけれど・・・探偵相手には、ねえ。)
無言で彼ら3人のやりとりを見守る。
(揉めるから多分私は出ない方がいいわね。)
「ああ、蘭。幼馴染として、待っててくれてサンキュ!もう事件は終わったよ!」
それで終わり、と自分との会話に戻ろうとする新一に園子の堪忍袋の緒が切れた。
新一の”幼馴染”と強調した物言いの意味に気付いていない。
「ちょっと!!新一君 アンタずっと健気に待ってた蘭に、彼女に対して、それだけなんて有り得ないわよっっ!!」
「聞こえてるから、こんな至近距離で大声出すなよ。園子。」耳を手で押さえながら顔を顰める新一。
そして無造作に続きの言葉が彼の唇から零れた。
「それに彼女って俺の彼女は宮野だけど?」
俺の彼女は宮野。その言葉に心が歓喜に震えるのが分かる-。
「「え?」」
蘭と園子の声が被る。
級友達のどよめきが広がった。
「あ、もしかして園子知らねーのか。」
「な、何が?」
「俺、ロンドンで蘭に告白したの知ってるよな?それ未だに返事貰ってねーんだよ。」
「・・嘘、蘭アンタ、新一君に返事してないのっ?」
「だ、だって新一なら私の気持ちなんてお見通しだし。」
「それは、それ。これは、これでしょ!!」言い募ろうとする蘭を一蹴する園子。
二人の言い合いを冷静に眺める新一と興味深々で見守るクラスメイト達。
教室中の視線が二人に集中する。
「何やってんのよ。蘭。あれから半年は経っているんだよ!」
「だって新一なら私の気持ちなんて分かってるはずだし!」
「例えそうだとしても、きちんと返事しなきゃ!」
「だって返事したいのに、新一ったら中々帰って来ないんだもん!!」
「メールや電話でも出来たでしょ!新一君、蘭にだけは連絡くれてたんだから!」
「せっかくの返事、そんなのやだよ!直接顔を見て会って言いたいもん!!」
「アンタ、それ新一君に言ったの?」
「え?」
「だから顔見て直接返事したいって。」
「そ、それはしてないけど、でも新一ならそれくらい・・」
眼に涙を溜め、帰って来ない新一が悪い 私は悪くないと主張する蘭に憤慨した園子。
(やっぱり、ね。)
園子が言い返そうとした正にその瞬間の数秒の間を見計らったかのように二人に声が掛かる。

「分かるわけねーだろ?俺あの時そう言ったよな?例えホームズでも好きな女の気持ちを読み取るなんて不可能だってな。」
「という訳でさ、園子。俺は蘭に振られたからフリーだし、その間に宮野って彼女が出来たってわけ。」

何の問題もないだろう?と言わんばかりに肩を竦めた新一に、悲しみと憤りのまま詰め寄ろうとした蘭は新一が蘭に向ける見た事のない表情に息を飲んだ。
新一が呆れた表情を出すまいとした結果だったのだが、思わず言おうとした台詞が喉から出てこないらしい蘭。
(あれは呆れた顔をしまいと無表情に徹しているわね。普段が優しいから怖いでしょうね。)
今まで彼に非がないのに携帯を弁償させたり、デートを強要したりと好き勝手に出来ていたのは、新一が蘭を好きだからという下地があってこそ、だった。
彼の彼女の我儘を許してくれる雰囲気があったからこそだった。
それが霧散し、蘭はどうしていいか分からないのだろう。棒立ちになっていた。
「そうね。新一君。御免。私知らなくて。」
「いいよ。けどもう旦那とか言うのやめてくれよな。ま、強いて言うなら宮野の旦那って事で。」
(旦那って・・・(*ノωノ))ポーカーフェイスの裏側で照れる。
「ちょっと蘭、こっち来て!ああ、もう時間ない 廊下しかないか。」
始業時間まであと数分しかない為、園子は蘭を廊下に連れ出した。
「な、何よ、園子。私新一とまだ話が・・。」
「もう無理。」
「え?ムリって何が?」
「新一君の彼女は宮野さんよ。・・蘭じゃないわ。」
「な、何で私振ってないのに。こんなに待ってたのにっ!!そんなのってない!ひどい!園子なら分かってくれるよねっ?」
「あのさ、蘭アンタ『探偵なら・・・私の心の中ぐらい推理しなさいよ!バカーーー!』って新一君に言っていわば告白させた、よね。」
「え、えっと、させたって言うか思わず口から出ちゃったっていうか彡」失恋したのにも気づかず、照れる蘭。
そんな蘭の様子に溜息を禁じ得ない様子で園子が言い募る。
「告白させといて、返事しないってあんた、それ失礼にも程があるよ。」
「なんで!面と向かって返事したいって思っただけだもんっ!!」
「なら最低限それだけは言っておくべきだったわ。」
「そ、そんな事言ったら返事分かっちゃうじゃない彡」
「あのね、蘭。其処までして返事もない いつ返事するかも知らせないって無視になっている事に気づかない?」
「そ、そんなつもりなくて・・。」
「でね、それって遠回しなお断りだよ。YESもNOも言わないで、今まで通りお友達でいましょうねってやつ!」
「し、新一ならそれくらい読み取ってくれるもの!!」
「さっき不可能だって言ってたじゃないの。」
其処でチャイムがなり授業がスタートした為、二人の会話は此処までになった。
だが園子が気を遣って廊下で話していたものの、蘭の声が大きかった為、この会話はクラスに筒抜けだった。
(せっかくの気遣い無駄になったわね。知ってたけど大きな声…。)
それらを聞いていた志保の園子への心証は良くなっていた。盲目的に蘭の味方するばかりではないのだ。
(私が言いたかったこと言ってくれたからちょっとスッキリしたわ。)
「鈴木さんって良い人ね。ちょっとお節介だけれど。」
初対面なので名前呼びは避けなければいけない。灰原哀の時に知っていることも話してはならないから注意が必要だ。
一番楽なのは関わらないこと。けれど。
「ああ。後で一緒に話してみるか?」
「ええ。」
友達、になってみたい。
それと同時に薄々察していたことだけれど確信したことがある。
今の蘭は過去の自分だと-。
現状に不満がありながらも、自分でどうにかする努力もせず愚痴を零す。
そして彼に丸投げする。彼ならば何とか分かってくれる、何とか出来たはず-。
恋愛と犯罪的組織-。
前提条件が違い過ぎるというかもしれない。
けれど彼に寄りかかり過ぎるという本質的な問題は一緒-。

お昼休み新一と園子と一緒にお弁当を食べながら、中庭にいる蘭をこっそり眺める。
(もう一人の私-。どうか目を醒まして。)
優しい彼女の面も知っている。勇気があるところも。
だからどうか-。

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眠る二人の魔女がいた。
一人は自らを姫と思い、王子様の目覚めの接吻を待っていた。
もう一人は魔女という自覚があったものの、自身を救い出してくれる英雄の存在を待ち眠っていたがある日目覚め、薬をつくり王子を助け、眠り姫の元へと一緒に旅をする。
結局、接吻でも目が覚めない姫ではなく、魔女と恋に落ちた王子は二人で王子の故国に帰り、王と王妃に認められ国中で祝福を受け結婚する-。
めでたしめでたし。
え?一人残された眠り姫ならぬもう一人の魔女はどうしたかって?
それはまた別のお話があるのですよ-。

***************************************
後書 原作その後シリーズです。
『茨姫は棘だらけの寝台で』のまさかの志保視点Σ(゚Д゚)です。
何故作者が驚いているのか!?( ´艸`)
実は、志保さん視点ってまったく予定になかったからです。
そしてまさかのまさかの蘭と志保が似ている説が浮上し二度びっくり(だから何故作者が 以下同文) 
蘭と英理が真逆なようでいて似ている説は、一滴の水から既に書いているのですが、まさか蘭と志保は初めてです。
二人の魔女 似ているけれど、決定的に違うのは自覚があるかないか です。如何でしょうか?
あ、別のお話というのは『呪いが解けたその時には』『おとぎ話のその後とは』『裸足で歩み続ける茨道』等々のことです。どうぞお読みあれ(´∀`*)ウフフ


お楽しみ頂けたら幸いです(*^-^*)
感想・拍手頂けたらもっと感謝感激でございます(((o(*゚▽゚*)o)))
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ご訪問ありがとうございます(≧▽≦) 名古屋OLが歴史・節約・日頃・二次小説のことを書き綴っています。 コメント大歓迎★ ですが、宣伝や本文に何も関係ないもの もしくは激しく不愉快、コピペ等、そういった類は、私の判断により 誠に勝手ながら削除の方向です。楽しく語りたいです♪ 二次創作小説もありますが、このサイトは個人作成のものであり、原作者・出版社とは一切関係がありません。私なりの解釈を加えた二次小説もございますので自己責任でご覧になって下さい。

雪月花桜

Author:雪月花桜
タイトル通り名古屋OLがブログしてます。
歴史を元にした小説なんかも大好きでそれらについても語ったり、一次小説なんかも書いてますす。好きな漫画(コナンやCLAMP etc)&小説(彩雲国物語)の二次小説をupしておりますし、OLなりの節約・日々の徒然をHappyに語っています。

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