紅塵 田中芳樹著
中華歴史への興味が跳ね上がったので、田中芳樹先生の本を読んでみることにしました。
最近ちょっと物語展開に無理がある(もしくは皆殺しすぎる)先生ですが、昔の作品は中々良いので・・・まずは南宋と金のお話『紅塵』です。

内容紹介(「BOOK」データベースより)
十二世紀半ばの中国。宋は女真族が興した金に敗れ、屈辱的な平和条約を強いられた。さらに、政変によって金の新国王となった完顔亮に、再侵略の動きがあることが判明。宋皇帝高宗の命により、勇武知略の若き文官子温は、女将軍の異名をとる母梁紅玉と共に金に潜入した。60万の金軍と対峙する子温と宋の忠臣英傑たち…。長江を舞台に描く歴史スペクタクルの傑作。
以下 ネタバレありの感想です。
未読の方 ネタバレ厳禁の方はリターン下さい。
よろしいですね??
それではどうぞ。
主人公 子温の母ちゃんこと 梁紅玉が強く美しい女傑で素敵です。父 韓世忠をいい男だったと惚気るにも良し♪
子温は主人公なのですが、物語を進めるための狂言回しというか案内人みたいな感じ。
母に命を助けられた少年が後に彼らを手助けしてくれるのが素敵。
本筋部分など、有名な靖康の変(皇帝が連行される)から和平にいたるまでの秦檜、岳飛、宗弼などが繰り広げる様々な戦いがちょいちょい回想されるので、この時代好きな人にはたまらないかも。
高宗が悪い人ではないのだけれど、猜疑心もあって忠臣を処刑したり、嘆かさせているのが地味に苛っとします。
まあ権力の頂点に立ったら、色んな人がいろんなこと言ってくるでしょうね・・・総合的に彼は名君なのですが、どうも地味のまま。
先帝であるお兄さんは史実では普通に亡くなったはずなのですが・・・こちらの説を採用したのか・・・お気の毒な・・。
岳飛が作者のお気に入り 中国では孔明より英雄という扱いになっているらしく・・・ところどころで出てくる。
実力・才能があり正しいことをしているという自負ゆえに、人の気持ちを汲み取れず思わぬところで足元を掬われる・・・ああ、いるいるこういう人!
英邁だが粗暴な海陵王こと完顔亮は自滅への道が・・・エピソードとしては面白いしネタになるのだけど、絶対上司にしたくない・・・!名君と称された次の皇帝 世宗と比較されているのが面白い。
本編内でも「おもしろすぎる人物は、天下の主にはふさわしくないのだろう。おもしろい暴君に殺されるより、おもしろさに欠けても良心的な統治者の下で平和に生きたい、と民衆が考えるのは当然」と書かれている。
それはそうよね。民衆は平和に暮らせるのが一番。
その結論を証明するかのように、両親よりは平凡なけれど一般的には誠実で優秀な子温は、地味にこつこつと国を立て直していくのが読後感が良い。
歴史好きだから面白かったしいいと思うのだけれど、物語としては微妙。
どうも冒険とか旅をした感が殆どない・・・回想と歴史的事実がかなりの頁を占めているからかもしれない。
あ、歴史書っぽいのか。
物語としては梁紅玉か韓世忠を主人公にした方が良かった気がする。
南宋の歴史を手軽に学ぶならお勧め。
PS:この時代 南宋と日本は貿易してます。平清盛がしたと教わる日宋貿易。
これで宋から宋銭、陶磁器や絹織物、書籍や文具、薬品、絵画などの美術品、香料や書籍などの唐物などが輸入されます。
同時に禅も伝わります♪
こんなところで日本と繋がっていると親近感湧きますね。
最近ちょっと物語展開に無理がある(もしくは皆殺しすぎる)先生ですが、昔の作品は中々良いので・・・まずは南宋と金のお話『紅塵』です。

内容紹介(「BOOK」データベースより)
十二世紀半ばの中国。宋は女真族が興した金に敗れ、屈辱的な平和条約を強いられた。さらに、政変によって金の新国王となった完顔亮に、再侵略の動きがあることが判明。宋皇帝高宗の命により、勇武知略の若き文官子温は、女将軍の異名をとる母梁紅玉と共に金に潜入した。60万の金軍と対峙する子温と宋の忠臣英傑たち…。長江を舞台に描く歴史スペクタクルの傑作。
以下 ネタバレありの感想です。
未読の方 ネタバレ厳禁の方はリターン下さい。
よろしいですね??
それではどうぞ。
主人公 子温の母ちゃんこと 梁紅玉が強く美しい女傑で素敵です。父 韓世忠をいい男だったと惚気るにも良し♪
子温は主人公なのですが、物語を進めるための狂言回しというか案内人みたいな感じ。
母に命を助けられた少年が後に彼らを手助けしてくれるのが素敵。
本筋部分など、有名な靖康の変(皇帝が連行される)から和平にいたるまでの秦檜、岳飛、宗弼などが繰り広げる様々な戦いがちょいちょい回想されるので、この時代好きな人にはたまらないかも。
高宗が悪い人ではないのだけれど、猜疑心もあって忠臣を処刑したり、嘆かさせているのが地味に苛っとします。
まあ権力の頂点に立ったら、色んな人がいろんなこと言ってくるでしょうね・・・総合的に彼は名君なのですが、どうも地味のまま。
先帝であるお兄さんは史実では普通に亡くなったはずなのですが・・・こちらの説を採用したのか・・・お気の毒な・・。
岳飛が作者のお気に入り 中国では孔明より英雄という扱いになっているらしく・・・ところどころで出てくる。
実力・才能があり正しいことをしているという自負ゆえに、人の気持ちを汲み取れず思わぬところで足元を掬われる・・・ああ、いるいるこういう人!
英邁だが粗暴な海陵王こと完顔亮は自滅への道が・・・エピソードとしては面白いしネタになるのだけど、絶対上司にしたくない・・・!名君と称された次の皇帝 世宗と比較されているのが面白い。
本編内でも「おもしろすぎる人物は、天下の主にはふさわしくないのだろう。おもしろい暴君に殺されるより、おもしろさに欠けても良心的な統治者の下で平和に生きたい、と民衆が考えるのは当然」と書かれている。
それはそうよね。民衆は平和に暮らせるのが一番。
その結論を証明するかのように、両親よりは平凡なけれど一般的には誠実で優秀な子温は、地味にこつこつと国を立て直していくのが読後感が良い。
歴史好きだから面白かったしいいと思うのだけれど、物語としては微妙。
どうも冒険とか旅をした感が殆どない・・・回想と歴史的事実がかなりの頁を占めているからかもしれない。
あ、歴史書っぽいのか。
物語としては梁紅玉か韓世忠を主人公にした方が良かった気がする。
南宋の歴史を手軽に学ぶならお勧め。
PS:この時代 南宋と日本は貿易してます。平清盛がしたと教わる日宋貿易。
これで宋から宋銭、陶磁器や絹織物、書籍や文具、薬品、絵画などの美術品、香料や書籍などの唐物などが輸入されます。
同時に禅も伝わります♪
こんなところで日本と繋がっていると親近感湧きますね。
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