太陽が死んだ夜 月原渉著
<内容紹介>
第二次大戦中ニュージーランドの捕虜収容所と、全寮制の女子校で相次いで起きた密室殺人。41年後、同じ女子校で再び残虐な少女連続殺人が──。少女たちを脅かす封印された謎とは?注目の新鋭が贈る本格ミステリ! 第20回鮎川哲也賞受賞作。
ニュージーランドの全寮制女子校に、親友のバーニィと共に編入してきたジュリアン。彼女は同校を卒業した祖母が遺した手記と、古い手紙を携えていた。手記には、第二次大戦中に同校の教会堂で起こった残虐な殺人事件が、手紙には復讐をにおわせる不吉な一文が書かれていた。教会堂にお籠もりするという伝統行事の夜、ジュリアンと6人の同級生に、過去の事件と酷似した状況で悲劇がふりかかる……。これは41年前の事件の再現なのか? 少女たちを脅かす封印された謎とは? 第20回鮎川哲也賞受賞作。

以下ネタバレありの感想です。
よろしいですね??
どうぞw
2020/8/27に感想書いた『ボディ・メッセージ』(その時の記事 http://haruharu786.blog11.fc2.com/blog-entry-2880.html )
と同時に受賞した第二十回鮎川哲也賞受賞作です。
だからかこの2作品比較しちゃいますね。
題名はこちらの方が素敵ですね!詩的な表現がいい。
推理小説としては…ボディ・メッセージの方に軍配が上がりました。
好みかもしれませんがクローズドサークルと全寮女子校があまり相性が良くなく、息苦しさを感じていきます…。
キャラクターとしては、お人好しのジュリア、バーニィとベル(日本人留学生) 二人の性質の違う名探偵が好き。
ただ脱走兵さん…出征前の奥さんとの子供はまあいいとして、助けてくれた女生徒、そのシスターとも関係を持ってしかも彼女らとも子供が出来るとか…的中率すごくない?ゲフンゲフン…
しかもしかも孫娘3人がこの事件の被害者、語り手、名探偵 として登場するとか出来すぎ感あります。
せめて、一人くらい生徒でなく新人教師にするとか…ちょっと差別化した方が良かったと思わなくもない。
更に最後に明かされる後日談で、脱走兵の本名が古賀良でベルの本名 古賀涼と思わぬ伏線回収には唸った。
音が同じで漢字が違うという祖父の名を継いだ少女が祖父の遺体を見つけていた…こういう因縁のは好き。
ただ、死体の様子とか状況が怖いし、犯人の動機にイマイチ納得いかないので、正直推理小説としてより、ホラー小説っぽく感じた。
PS 鮎川哲也賞受賞の選考評価が巻末にあるのが個人的に面白かったです。
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