さよなら異世界、またきて明日 旅する絵筆とバックパック30 風見鶏著

<内容紹介>
滅びかけた異世界に迷い込んだケースケは、ハーフエルフの少女・ニトと出会う。彼女の母親が遺した手帳に描かれた“黄金の海原”を探し、二人は辛うじて生き残った人々たちとの出会いと別れを重ねてゆくのだが――。
以前紹介した『放課後は、異世界喫茶でコーヒーを』の風見鶏さんの新作。
前作とは大分雰囲気が違う異世界のようだけれど…異世界チートや救世主になるわけではない淡々とした日常に切なさと愛おしさを感じます。
『放課後は、異世界喫茶でコーヒーを』を好きな方なら、世界観に馴染めると思います。
以下ネタバレありの感想です。
よろしいですね??
ではどうぞ
最初に出会ったハーフエルフのニト。
滅びゆく世界でも仕事をしている修理屋さん。
老齢の夫婦で旅をしているけれど、夫が記憶の病に掛かってしまっている-。
最後に父が造った橋を見に来たジャックさん。
一つの質問だけ答えてくれる魔女の正体-。
各々が抱える問題が少しだけ良くなっていくさまが素敵で美味しい食事風景が好きです。
世界は滅びに向かっていて、決して根本的な解決にはならないのだけれども、それでも心があたたかくなる、小さな幸せが煌めいている。
そして冒頭から小さな手がかりがあったニトの出生の秘密が明かされる-推理小説のような謎解きの組み立てが好き。
同時にケースケの自殺願望がニトに指摘されると読者は知っていたはずなのに、より彼の絶望感が浮き彫りになった辺りで唸りました。
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